本・雑誌

浦沢直樹「ビーパル小僧のアウトドア教本」ファッショナブルな女子大生がキュート

1990年代。

僕(ブログの管理人)の暮らしの中心には、アウトドアがあった。

極端なことを言うと(あくまでも極端に言えば)、その頃、僕の週末の予定は、キャンプを中心として組み立てられていた。

特段の用事がなければ週末キャンプへ出かける。

それが、我が家では定番の「週末の過ごし方」だったのだ。

もっとも、僕は文化系アウトドアズマンだった。

キャンプへ行っても本を読んでいることが多い。

部屋で読む本は、アウトドア関係の本が中心になった。

購読する雑誌は小学館の「BE-PAL(ビーパル)」。

登山や釣りの雑誌も欠かさずに読むくらい、僕の暮らしはアウトドアに染まっていたのだ。

あの頃、特に愛読していたな漫画が「ビーパル小僧のアウトドア教本」だ。

マニュアル・コミックというキャッチコピーのとおり、漫画で楽しくアウトドアの知識を身に付けることができる。

浦沢直樹がイラストを担当した「ビーパル小僧のアウトドア教本」浦沢直樹がイラストを担当した「ビーパル小僧のアウトドア教本」

ビーパル連載の人気漫画だったけれど、イラスト担当の漫画家は時々変わった。

初代の「ビーパルじいさんのアウトドア教本」も楽しかったけれど、僕が好きだったのは、浦沢直樹がイラストを担当していたコミックス第3巻と第4巻の頃である。

1980年代前半のことで、浦沢直樹はビッグコミックスピリッツに連載する「YAWARA」で大ブレイクする直前の時期だったように思う。

「ビーパル小僧のアウトドア教本<3>」の刊行は1985年12月。「YAWARA」の連載開始は1986年だった。

高校生の男子3人組と、彼らが通う高校の物理の中年教師、そして、教師の姪っ子である女子大生が主な登場人物。

男の子たちは、みんなファッショナブルで美人な<加奈子さん>に憧れていて、<田丸先生>の企画するアウトドアイベントにはレギュラーで参加している。

彼らの気持ちがとてもよく理解できるほど、加奈子さんは素敵な女性だった。

1980年代、こんなオシャレな女子大生が、本当にアウトドアフィールドにはたくさんいたのだ(まさか?)

加奈子さん目当てに、ビーパルを定期購読していた男子高校生も少なくなかったに違いない(つまり僕のような)。

今にして考えてみると、レギュラーメンバーの<啓太>や<武雄>や<周平>は、僕と同世代の男子高校生だったのだろう。

彼らの行動に共感できて、ある意味では当たり前だったのだ。

アウトドアのマニュアルだけど、コテコテのマニアックな話題というのは少なかった。

カー・オーディオとか、カメラのフィルム選びとか、弁当を作る時に食中毒に注意する話とか、アウトドアの周辺情報みたいなテーマが、意外と面白かったりする。

もちろん、MTBとか偏光グラスとかコンパクトストーブの選び方のような、いわゆるアウトドアグッズに関するテーマもたくさんあったけれどね。

浦沢直樹がイラストを担当した「ビーパル小僧のアウトドア教本」浦沢直樹がイラストを担当した「ビーパル小僧のアウトドア教本」

個人的にお役立ちだったのは「メール・オーダー」の使い方を紹介したエピソード。

当時は、海外ブランドのアイテムを入手しようと思ったら、メール・オーダーが一般的だった。

メールと言っても電子メールのことではない。

本当に海外まで郵便を送って、商品を注文したのだ(要は通信販売)。

アウトドア好きの人たちは、いくつかのブランドのカタログを定期購読していて、お気に入りのアイテムを見つけてはメール・オーダーで手に入れていた。

僕も、オービスのフライロッドなんかを、わざわざ本国までメール・オーダーして、充実したアウトドアライフを満喫していたものである。

ちなみに、加奈子さんが登場する「アウトドア教本」は、「YAWARA」で忙しくなってしまったからか、ビーパルからは消えてしまった(残念)。

代わって登場したのが、本庄啓のイラストによる「ビーパル小僧のアウトドア教本<5>」。

こちらに登場する女子大生<陽子さん>も素敵だったなあ。

アウトドアにおいても女性キャラは重要だったという話である。

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