<ボディコン>という言葉を聞くと、今でもちょっとドキドキします。
ある意味で、最もバブル時代を象徴する言葉だったんじゃないでしょうか。
ワンレン・ボディコンの<ボディコン>という言葉、、、
素人なボディコン姿のお姉さんが50人登場!
「街で見つけたイイ女 ボディコンお姉さん」は、1991年に出版された新書サイズの写真集である。
出版者は、新書サイズの企画モノが得意だった二見書房。
内容は至ってシンプルで、ボディコン姿のお姉さんたちが、これでもかと50人、素晴らしいプロポーションを披露している。
いかにも、どうにもならない企画のようだが、なかなかバブル文化を反映していて楽しい。
表紙カバーの見返しにある紹介文を読んでみよう。
時折、街角でドキッとするような美人を見かけるというのは誰しも経験のあること。これは、そんな男たちの思いがけない喜びに満ちた撮下ろし写真集です。特に今回は、スタイル抜群のボディコンギャルのみを50人集め、撮影にのべ六か月を費やした自信作。女の子も素人ばかりですが、センスのいい娘から初々しさ漂う娘まで色とりどり。その中にきっとあなたの胸を高鳴らせるイイ女がいるはずです。どうぞ街角の天使をお探しください。
何だかよく分からないけれど、ボディコンギャル50人ということだけは、よく理解できた。
だけど、本書のコンセプトを理解するなら、「はじめに—美しい脚線に魅せられて…」を読んだ方がいい。
ヒップから脚にかけてのラインは女性の美しさの象徴であり、それを際限なく際立たせる”ボディコン”は、男にとって流行を越えた輝きを持っています。それは女性にとっても自らのスタイルに相当の自信がなければならず、逆をいえばボディコンとは着る人を選ぶ限られた女性にのみ与えられたファッションであるといえます。
これを読んだとき、ボディコン・ファッションの持つ、ひとつの意味に気づかされる。
女性の美しいボディコンに喜んだのは、もちろん、世の男性たちであるが、そのボディコンを積極的に着始めたのは、もちろん、世の女性たちである。
バブル時代の女性たちは、自らの女性らしさを存分に発揮するために、身体のラインを美しく浮かび上がらせるボディコン・ファッションに身を包んだ。
女性が女性らしさを最大限に大きな声で叫んだ時代のファッション、と言うことができるかもしれない。
バブル文化を再現したら、ボディコン・ブームも復活か?
考えてみると、ボディコンくらい、ひとつの時代を象徴するファッション・アイテムというのも珍しい。
1970年代を代表するトレンドに<ミニスカート>があるけれど、ミニスカートの流行は繰り返されているから、決して70年代固有のファッションではない。
一方で、ボディコンはバブル文化に固有のファッションであり、その流行が再び訪れることはないはずだ(おそらく)。
なぜなら、ボディコンの流行は、バブル文化の隆盛と密接な関係の元に生まれたファッション・トレンドだったからである。
もしも、バブル文化の再現があるとしたら、ボディコン・ブームの復活ということもあるかもしれないなあ(ぜひ見てみたい)。
ちなみに、バブル時代に大学生だった僕は、ボディコンのお姉さんとお近づきになるということは、ほとんどなかった。
ボディコン着ているのは、社会人になった大人のお姉さんが多かったような印象があるし、少なくとも、ボディコン着て大学へ出てくるような女子はいなかった。
コンパのとき、たまにボディコン・スーツの女の子を見たくらいか。
だから、僕にとってボディコンは<バブル時代のお伽噺>のようなものである。
リアリティがないから憧れてしまうのかもしれない。