昔、心ときめいた言葉のひとつに「文化系女子」というのがあった。
文化系女子。
なんて魅惑的な響きなんだろう。
その「文化系女子」を全面的に特集したのが「ダ・ヴィンチ」2006年4月号。
目次を読んだだけで圧倒される。
カワイイ文化系女子としたい。
文化系女子のいる場所。
コレが文化系女子の生きる道。
文化系女子はメガネが似合う。
文化系女子は笑わない。
文化系女子は時々死にたくなる。
文化系女子は散歩する。
文化系女子は言葉でイク?
文化系女子は図書館が好き。
文化系女子のためのブックガイド。
文化系女子はひとりであそぶ。
文化系女子は太陽がキライ。
まさに、文化系女子のフルコース。
すごすぎる。

大体、文化系女子とは何なのか?
なんとなく分かるような気がするけれど、よく分からない。
よく分からないところが、文化系女子だったりする。
「なんとか女子」みたいな言葉が流行したとき、文化的な活動に少しでも関心のある女性をひっくるめて「文化系女子」と呼んだのだろう。
だから、純文学が好きな女子も、美術が好きな女子も、サブカルチャーが好きな女子も、みんなまとめて「文化系女子」に組み入れることができたのだ。
もちろん、この雑誌は「ダ・ヴィンチ」である。
ダ・ヴィンチ的世界にあっては、読書好きの女子こそが、文化系女子の中心にいなければならない。
堀北真希、つまり、文化系女子の過ごす夜をイメージして、豊島ミホが書き下ろしたショートストーリー。
堀北真希が語る文化系女子の香りの秘密。
ミュージシャン・未映子が語る、文化系女子の「死」への想い。
穂村弘と恋愛(セックス?)について語り合う本谷有希子。
ここまで読んでくると、文化系女子のイメージ像が、おぼろげながらにつかめてくる。
「言葉でイカせるしかなかった」のは、穂村弘。
穂村さんは、文化系女子を好きだと思うし、多くの文化系女子は、穂村弘を好きなのだろう(ちなみに、当時の穂村さんは44歳だった)。
僕(ブログの管理人)は、穂村さんに共感できる場面が多いので、穂村さんの気持ちがよく分かるような気がする。
思うに、穂村さんも「文化系女子」という言葉の響きに弱いに違いない。

「文化系女子はメガネが似合う」では、メガネの似合う文化系女子が紹介されている。
豊島ミホや本谷有希子と一緒に、「海月書林」の市川慎子さんも登場している。
普通の書店員さんや本屋さんで見かけたメガネ女子に至っては、実にディープ。
このマニアックな特集そのものが、文化系女子の特質そのものなのかもしれない。