『FMレコパル』×『めぞん一刻』水着姿の響子さんのカセットレーベル

1980年代、今から想像するよりもずっと、音楽ファンにとって、FM ラジオは重要な役割を果たしていた。

なぜなら好きな音楽を好きなだけ聴くことのできる方法が、FMラジオだったからだ。

もちろん、お金さえ出せば、レコードを買ったり、あるいは、レンタルレコード店でレコードを借りることはできただろう。

だけど、今のようにサブスクのない時代、できるだけお金をかけないで音楽を聴く方法と言えば、FM放送をカセットテープに録音する「エアチェック」が定番だった。

同じラジオでも、AMラジオの場合は、音が不安定な上に、曲のイントロでDJの話が入るし、曲も終わりまでフルに流してくれることは少ない。

その点、FMラジオは、音質も安定していて、何よりひとつの曲を初めから終わりまで流してくれることが、最大の魅力だった。

当時の中高生はみな、お気に入りの曲をFM放送から録音した、自分だけのプレイリストを、誰しも持っていたはずである。

ところで、FM放送で、お気に入りの音楽を録音するとき、いつ、どの番組で、どんな曲が放送されるかといった情報は、非常に重要だった。

自分の好きなアーチストの曲をチェックするときに大切な役割を果たしたのが、FM情報誌である。

FM愛好者は、FM情報誌の番組欄で放送予定の曲を事前に確認しておくことで、効率的なエアチェックを楽しむことができたのだ。

あの頃、主なFM情報誌としては、クラシック愛好家に支持された『FM Fan』(1966-2001)、クラシックやジャズ、洋楽マニアまで幅広い層に人気のあった『週刊FM』(1971-1991)、比較的若い世代にもお勧めだった『FMレコパル』(1974-1995)、オシャレな洋楽好きに向けた『FM STATION』(1981-1998)などが中心的な存在だった。

それぞれの雑誌では、番組欄のほかに、音楽情報が掲載されていて、読者は自分の好みに合わせて、定期購読するFM情報誌を選んでいたようである。

もっとも、あんなに人気のあったFM情報誌も、インターネット時代の到来によって、2000年ごろまでにほとんどすべてが姿を消してしまった。

当時は、そんな時代が来るなんて、もちろん夢にも思わなかったんだけれど。

created by Rinker
¥2,143
(2022/10/03 02:50:04時点 Amazon調べ-詳細)

FMレコパルと『めぞん一刻』のカセットレーベル

どのFM情報誌を購入するかについては、様々な説があったが、僕の場合、その歴史はかなり明確にはっきりしている。

中高生時代には『FMレコパル』を、大学生になった後は『FM STATION』を読んでいたからだ。

『FMレコパル』を読んでいた頃は、ビッグコミックスピリッツの影響が大きかった。

なにしろ『FMレコパル』は小学館の力を最大限に発揮して、『週刊少年サンデー』や『ビッグコミックスピリッツ』で人気のあった高橋留美子の漫画を、たびたび誌面に登場させた。

中学生の頃から『めぞん一刻』にハマっていた僕は、響子さんのカセットレーベルが付録に付いているというだけで、ほとんど『FMレコパル』一択のようなものだった。

阿保らしく思えるかもしれないが、当時は、付録に付いているカセットレーベル(インデックス)が、雑誌の売り上げにも大きく貢献したと言われている。

エアチェック派の人々にとって、プレイリストたるカセットテープの整理に、FM雑誌の付録のカセットレーベルは、極めて重宝すべきアイテムだったのだ。

『FMレコパル』の付録だった『めぞん一刻』のカセットレーベル『FMレコパル』の付録だった『めぞん一刻』のカセットレーベル

写真は、当時の『FMレコパル』に付録として付いてきた、『めぞん一刻』のカセットレーベルである。

夏になると、水着姿の響子さんのイラストが登場したから、真夏の『FMレコパル』は、きっといつもよりも売り上げを伸ばしたのではないだろうか(と、勝手に邪推している)。

浴衣の響子さんも、北海道を旅行する五代君も爽やか。

季節感を楽しませるラブコメ漫画、それが『めぞん一刻』の醍醐味だった。

ABOUT ME
kels
バブル世代のビジネスマン。読書と音楽鑑賞が趣味のインドア派です。お酒が飲めないコーヒー党。洋服はアーペーセーとマーガレット・ハウエルを愛用しています。