ライフスタイル

オシャレな女性はダニエル・ウェリントンの腕時計がお好みらしい

ブルックスブラザーズとダニエル・ウェリントン

夏のある日、僕はブルックスブラザーズでボタンダウンシャツを買った。気の利く女性スタッフのおかげで、気持ち良く買い物をすることができた午後。30歳を少し過ぎたくらいの、そろそろベテランに入ろうかという女性だった。

支払いを済ませているとき、彼女が僕の左腕を凝視しながらつぶやいた。「そのダニエル・ウェリントン、新作ですか?」そのとき初めて、僕はその日の腕時計がダニエル・ウェリントンであることに気が付いた。

その腕時計は、確かにその夏の新作だった。自分でわざわざ購入したものではない。インスタグラムでのPR用に、ダニエル・ウェリントン社から送られてきたものだ。

「そうです、この夏の新作みたいですよ」と、僕は笑った。彼女は、ノースリーブの細い右腕を、僕の目の前に差し出して言った。「私も好きなんです、ダニエル・ウェリントン」

シャネルとダニエル・ウェリントン

秋のある日、僕は妻に付き添って大丸百貨店のシャネルまで出かけた。妻は新作コスメを楽しみにしていた。僕は支払係として、彼女に同伴していたにすぎない。

若い女性スタッフは、いつもと同じように真剣な表情で、妻の顔にメイクを施している。僕はただ黙って、小刻みに動く彼女の右腕を見つめていた。彼女の右腕には、ダニエル・ウェリントンの小さな時計があった。

彼女がダニエル・ウェリントンの時計をしているのを見るのは、これで二度目だ。最初のとき、僕はシャネルの店員もダニエル・ウェリントンの時計を使うのだと知って、とても感心したような気がする。そして、その小さな時計は少しの違和感もなく、彼女に馴染んでいた。

やがて、納得した表情で妻は化粧品を選び終え、僕は支払いを済ませた。女性店員は、いつもと同じ笑顔で、妻に商品を手渡した。彼女の秋色の洋服に、ダニエル・ウェリントンの黒い革ベルトは、とても良く似合っていた。

ヘアサロンとダニエル・ウェリントン

冬のある日、僕はいつもの美容室で髪をカットした。担当のスタイリストがカットを終えると、女性スタッフがシャンプーをしてくれた。その年の春に専門学校を卒業したばかりの、若い女の子だ。

白いニットの胸元が柔らかく盛り上がっている。ドライヤーをかけている間に、僕は鏡の中の彼女に話しかけた。「クリスマスはどうするの?」

彼女は極めて静かに、僕の耳元へ唇を寄せた。「残念ながら仕事なんです」店長に聞こえないように小さな囁き。

そして、彼女はちょっと狡そうな顔をして笑った。「だから、もう買ってもらったんです、クリスマス・プレゼント」彼女がダニエル・ウェリントンの時計を欲しがっていたことを、僕は思い出していた。

女性の好きなダニエル・ウェリントン

街の女性たちは、いつだってダニエル・ウェリントンの腕時計をしていた。オシャレな女性はダニエル・ウェリントンが好きなんだなと、つくづく感じる。ダニエル・ウェリントンは、分かりやすくてスマートなアイコンだった。

そして、オシャレな女性たちは、いつでも男性の腕時計をチェックしている。どんな腕時計をしているかで、人間性まで見抜こうとしているかのように。女性たちのそんな感性は、案外間違ってはいないものである。

最近、僕は考えている。日常の腕時計なんて、ダニエル・ウェリントンで十分だと。少なくとも「女性受けが良い」というパフォーマンスだけは保証されるからだ。

コストパフォーマンスを計算すると、こんなにお得な腕時計はない。なにしろ、わずか2万円で、オシャレな女性と仲良くなることができる腕時計だ。流行というのは、つくづく偉大なものである。

インスタグラムとダニエル・ウェリントン

ちなみに、僕は4本のダニエル・ウェリントンを所有している。いずれもPR用のキャンペーン商品として、送られてきたものばかり。インスタグラムには、ダニエル・ウェリントンのPR投稿が溢れている。

おそらく、ダニエル・ウェリントンの腕時計は消耗品だろう。ビンテージになってまで愛用する腕時計とは違う。若い女性だけが若い時代を生きるのと、それは似ているかもしれない。

インスタグラムでも。ダニエル・ウェリントンモニター企画の仕組みインスタグラムやってるだけでダニエル・ウェリントンの腕時計がもらえる。 そんな噂は本当なのだろうか。 今回はインスタグラムと...
ABOUT ME
KONTA
1967年生まれのバブル世代。80年代カルチャーしか勝たん。推しは仙道敦子。匂いガラスが欲しい。