音楽

KREVA「スタート」人生のやり直しは<第2章>から始めればいい

人生長くやっていると、やり直したくなることって、きっとあるものだ。

もちろん、人生はテレビゲームと違うから、リセットしてやり直すことなんてできない。

やり直しできないということにこそ、人生の重みはある。

もっとも、やり直しというのは、必ずしもリセットしなければいけないというものではない。

そのことに気付かせてくれたのが、KREVAの「スタート」だった。

そうだ、第2章を今ここで始めよう

「スタート」は、2005年に発売されたKREVAのシングル曲で、現在に至るまで、KREVA史上の最高傑作に値する作品だと、僕は勝手に考えている。

ちなみに、週間チャート6位は、ソロデビュー曲「音色」を超えて、KREVA史上の最高ランキングとなった。

この曲は、別々の道を歩くことになった仲間に捧げる、花向けの歌である。

「♪「でっかくなりな」強がったセリフ、吐き出す以外何ができる~」のフレーズが、最高にカッコよかった(特に「でっかくなりな」の部分)。

KREVAは、かつて<KICK THE CAN CREW>を解散した経歴を持つから、この歌もてっきり<KICK THE CAN CREW>に向けて歌った曲かと思ったけれど、実際のところは、スタッフとの別れをテーマにした歌らしい。

この歌のポイントは「言うことはもうない何も、もうというよりもともとないのかも、そうだ、第2章を今ここではじめよう、スタート~」のフレーズ部分にある。

別れがゴールではなく、第2章のスタートになっているという、どこまでも前を向いている別れの歌なのだ。

もちろん、過去を懐かしむ後ろ向きのフレーズも、ふんだんに盛り込まれている。

「♪いろいろ世話して世話になって、地べたに座りこみ輪になって、日が昇るまで続いた宴、思い出しても悲しくなるだけ~」とか「♪特別な関係性、たくさん共有した時間、経験、笑いや涙、かなり中身は濃密、まるで学び舎~」なんていうあたりは、本当に切なくて泣きたくなるけど、その切なさを「♪湿っぽい話で濡らしてゴメンよ、君の新しいチケット、これが俺の曲がり曲がった優しさなんだ、You see?」と吹き飛ばしてみせるところが、さすがに計算されているなあと思う。

考えてみると、あれから僕は「♪そうだ、第2章を今ここではじめよう~」というフレーズに、ずいぶん励まされながら、ここまで歩いてきたような気がする。

人生はリセットできないけれど、第2章からやり直すことができる、そんなふうに前向きに考えるながら。

♪そうだ、第2章を今ここではじめよう、スタート~

なんて言うと、まるで僕が根っからのKREVAファンのように思えるかもしれないけれど、2005年当時、僕は別にKREVAファンでも何でもなかった。

あの頃、我が家では、嫁さんがKREVAのファンで、<KICK THE CAN CREW>時代からのKREVA支持者の一人だった。

バブル世代の嫁さんは「三高」に弱かったから、高学歴で高身長のKREVAにはメロメロだったんだろうな。

その嫁さんも、ヒップホップ熱が冷めた後は、KREVAの話もしなくなり、むしろ、僕の方が時代遅れのシングル曲を愛聴するようになってしまった。

僕がiPhoneでKREVAの懐かしいヒット曲を聴いていると(この夏も「イッサイガッサイ」を聴いていた)、「まだそんな曲聴いているの?」なんて、澄ました顔をしているくらい。

だけど、僕が思うのは、良い曲というのは、時代を越えて愛されなければいけないということだ。

KREVAの「スタート」は、時代を超えて聴き続けていくだけの価値がある名曲だと思う。

きっと、これからも辛いことがあるたびに、僕はこの曲に励まされていくんだろうなあ。

♪そうだ、第2章を今ここではじめよう、スタート~

もう何度目の「第2章」になるのか、分からないけれど、「第5章」でも「第10章」でも、いいじゃないか。

人生は終わりのない長編小説のようなものなのだから。

(KREVAが懐メロになるなんて、未だに信じられないけれど)。

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kels
バブル世代のビジネスマン。読書と音楽鑑賞が趣味のインドア派です。お酒が飲めないコーヒー党。洋服はアーペーセーとマーガレット・ハウエルを愛用しています。