「THE LOMO BOOK」ロシア製トイカメラでしか撮れなかった写真

古いブログを読むと、僕がLOMO LC-Aを日常的に使っていたのは、2010年頃のことである。

日記ブログというのは、こういうとき本当に便利だと思う。

特に、僕のように、数年おきに趣味がコロコロ変わる人間というのは、何かにきちんと記録しておかないと、自分がいつ何をやっていたのか、混乱してしまうことになる。

LOMO LC-Aというおもちゃカメラ

2010年当時のブログを読むと、その頃、僕は日常的にLOMO LC-Aを使っていた。

LOMO LC-Aというのは、ロシアのカメラメーカーLOMO社が作ったフィルムカメラで、写りが不完全だという理由で「トイカメラ」に分類されていた。

トイカメラというのは、そのまま訳して「おもちゃカメラ」のことで、まあ、普通のカメラに比べると、機能的に十分ではない代わりに、値段も安価なものをいう。

子どものおもちゃみたいなカメラだから「おもちゃカメラ」だ。

もっとも、LOMO LC-Aというのは、トイカメラと割り切ってしまうほどには、値段は安価ではない。

1万円以上も出して、不完全なおもちゃのカメラを買おうという人は誰もいないだろう。

『THE LOMO BOOK』で紹介されている個性派の写真たち 『THE LOMO BOOK』で紹介されている個性派の写真たち

中古市場で探したロシア産の純正LOMO

LOMO LC-Aというのは、当時でも、ある意味で正体不明のカメラだった。

それは、ロシア国内にあったLOMO社がなくなった後、LC-Aを惜しむ人たちが「ロモグラフィー」というブランドを創設して、この会社がLC-Aを復活させていたという歴史にも原因があるかもしれない。

2010年当時、LOMO社は既になく、新品のLC-Aを欲しいと思う人は、ロモグラフィー社が製造している復刻版のカメラを買うしか方法がなかった。

値段はおそらく3万円程度で、とてもトイカメラを買うという感覚ではなかったような気がする。

そもそも、LOMO LC-Aを使うなら、本家のロシア製を使いたいと考えていた僕は、わざわ
ざ中古市場でロシア製の純正LOMO LC-Aを手に入れた。

うまくいけば、ヤフオクで1万円前後から、そこそこ状態のLC-Aを入手することができた。

僕がLOMO LC-Aを愛用した理由

そうやって手に入れたLOMO LC-Aを、僕は日常遣いのスタメン・カメラとして愛用した。

LOMO LC-Aはフィルムカメラだから、当然にフィルムを装填して撮影した後で、フィルムを現像に出さなければならない。

現像と一緒にプリントしてもらうことは必要だ。

デジカメに比べれば、格段に面倒くさくてお金もかかる。

そんな不便なフィルムカメラを、僕は写真ブログのメイン機材として使っていたのだ。

しかも、トイカメラであるLOMO LC-Aで撮影した写真は、デジカメで撮った写真に比べて不完全極まりない写真である。

日記ブログ用の写真としては、決して有能ではなかったが、このLOMO LC-Aを、僕はずいぶん愛用した。

『THE LOMO BOOK』にはLOMOの使いこなし方も紹介されている 『THE LOMO BOOK』にはLOMOの使いこなし方も紹介されている

理由は3つある。

ひとつは、細かいピント合わせや露出設定が必要がなく、手軽にフィルムカメラを楽しむことができる上に、LC-Aの画角は、ストリート・スナップを撮りまくる上で、非常に最適だったからだ。

僕がLOMO LC-Aをヘビロテしていた最大の理由は、この画角にある。

自分の撮りたい写真を撮ることができるということだけで、LOMOは他に代えがたいカメラだった。

ふたつめは、一般的にLOMO的だといわれる、その画質だ。

LOMOのカメラで撮った写真の最大の特徴は「トンネル効果」が顕著だということである。

トンネル効果というのは、写真の四隅が暗く写ってしまう現象、つまり、周辺減光が著しいということで、普通のカメラであれば、これは大きな欠陥とも言えるが、トイカメラの世界において、このトンネル効果は、むしろ歓迎されるべきメリットとされている。

LOMO LC-Aは、撮り方によって、このトンネル効果がきれいに出ることが特徴で、僕の場合、トンネル効果のためにLOMO LC-Aを使っていたとさえ言うことができるくらいだ。

最後に三つ目は、金属ボディがタフで、少々ラフに扱ったところで、いちいち気にする必要がないということだ。

もちろん、ロシア製のカメラであるLOMO LC-Aは、メカ上の不具合も多く、安定感があるとは決して言えないが、トイカメラという前提ゆえ、高級な一眼レフカメラのように過保護に取り扱う必要がないことだけは、ガサツな自分にとって助かる部分だった。

実際のところ、いつでもバッグの中に入れておいて、撮りたいときにさっと撮ることができるというのは、路上スナップを趣味とする人間にとって、これほど快適なことはない。

外国製のフィルムでビビッドなプリント

LOMOで撮影した写真は、トイカメラに理解のある専門店に持ち込んで、思い切りビビッドに仕上げてもらうのが常だった。

トンネル効果は、濃い色でプリントするほどに強く現れてくるので、フィルムもビビッドな発色が特徴の外国製品をまとめ買いして使っていた。

毎日のブログ更新にフィルム写真は確かに不便だったけれど、24枚撮りフィルムで撮った写真をプリントすれば、24回分のブログ記事に使うことができる。

もとより、トイカメラで撮った写真だから、作品としての完成度を問う必要もないわけで、当時は、このLOMO LC-Aで撮った写真を、ガシガシとブログにアップしたものである。

その後、行きつけの写真専門店が廃業したのを機に、僕のロモ・ライフは幕を閉じるのだけれど、あの頃のブログの中には、LOMO LC-Aで撮った写真が、今もあの頃のままで残されている。

まるで古い作品集を見るような気分で、僕は古いブログを眺めているのだ。

公式写真集「THE LOMO BOOK」

ロモグラフィージャパン初のLomo LC-A(+)公式写真集『THE LOMO BOOK』 ロモグラフィージャパン初のLomo LC-A(+)公式写真集『THE LOMO BOOK』

さて、写真は、LOMO LC-Aを使い込んでいた頃に買った「THE LOMO BOOK」。

ロモグラフィージャパン初のLomo LC-A(+)公式写真集として、2008年に刊行された。

LOMOには「ロモグラファー」と呼ばれる熱狂的なマニアが多くて、こういった書籍で、ロモらしい写真の撮り方を研究したものである。

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kels
バブル世代のビジネスマン。読書と音楽鑑賞が趣味のインドア派です。お酒が飲めないコーヒー党。洋服はアーペーセーとマーガレット・ハウエルを愛用しています。