1980年代

浜田省吾「ON THE ROAD “FILMS”」夢に向かって走り続けていた頃

浜田省吾の武道館ライブ、盛り上がったみたいですね。

僕は自宅で懐かしのライブ映像を見て過ごしています。

それにしても、みんな、若かったんだなあ。

1989年の「ON THE ROAD “FILMS”」

浜田省吾「ON THE ROAD “FILMS”」が発売されたのは、1989年5月のことだ。

当時、僕は大学4年生になったばかりで、そして、相変わらず浜田省吾が大好きだった。

お金なんかなかったはずなのに、浜田省吾のライブビデオが発売されるという事実だけに、無暗に興奮していた。

そして、VHSのこのビデオをすぐに購入して、浜省好きの仲間たちを集めて、部屋で鑑賞会をした。

何度も何度も。

考えてみると、みんな浜省が好きだったんだなあ、あの頃の若者は。

浜田省吾「ON THE ROAD “FILMS"」オリジナルは1989年5月発売浜田省吾「ON THE ROAD “FILMS”」オリジナルは1989年5月発売

1989年といえば、アルバム「FATHER’S SON」が出た次の年である。

日本とアメリカとか、戦争と戦後とか、とにかく浜田省吾はテーマが重くて、社会派ロックンローラーだった。

そして、そんな浜田省吾を聴くことで、当時の若者たちも大人になったような気がしていたのかもしれない。

ツアー(「ON THE ROAD ’88 “FATHER’S SON”」)の興奮も忘れられないものだ。

「♪ヒットチャートはナンバーワン~!」に込められた思い

オープニングは「Theme Of Father’s Son」からの「A Place In The Sun」。

アカペラで歌う「A Place In The Sun」が、とにかく格好良かった。

ステージ上、祈るような姿勢で幕が開くのを待っている浜田省吾の姿も印象的。

そして、1986年バージョンの「路地裏の少年」でライブがスタートする。

本当にカッコいいライブ映像だと思った。

次の「終わりなき疾走」で、「♪ヒットチャートはナンバーワン~!」と叫ぶシーンに感動。

当時のファンは、売れていない時代の浜田省吾を知っている世代だった。

「♪ヒットチャートはナンバーワン~!」というフレーズに込められたアーチストの祈りを、みんな知っていたのだ。

だから、浜田省吾のレコード(CD)が本当にヒットチャート1位を獲得したとき(それは1986年の「J.Boy」のことだ)、その喜びをアーチストもファンもひとつになって共有することができたのだと思う。

ここまで観たところで、このライブビデオを買って本当に良かったと、僕は思った。

大学生には高い買い物だったけれど。

とにかくパワフルな「Hello Rock & Roll City」

もう一つ見所を上げれば「Hello Rock & Roll City」。

浜省もメンバーもとってもパワフルで、そして心から演奏を楽しんでいる。

サビの「♪受け入れるか、それとも吹き飛ばすか、今夜~!」のところ。

突然カメラ目線になった浜省が、カメラに向かって指を指す場面がいい。

曲が終わったところで、サックスの古村敏比古と交わし合う「♪東京ロックンロール・シティ~」のメロディも素晴らしかった。

とにかく、浜田省吾のライブが洗練されてきたのが、この時代だったのかもしれない。

なにしろ、すごい数のライブツアーをこなしていたんだから。

浜田省吾「ON THE ROAD “FILMS"」1980年代までの代表曲を網羅している浜田省吾「ON THE ROAD “FILMS”」1980年代までの代表曲を網羅している

あの頃の僕らは、夢に向かって必死で走り続けている浜田省吾が好きだった

振り返ってみると、あの1980年代、僕らは浜田省吾と一緒に成長してきたような気がする。

「J.Boy」の後、浜田省吾はトップアーチストの仲間入りをして、最もチケットを取りにくいミュージシャンの一人になった。

応援してきたアーチストの成功。

NHKのテレビ番組に出演したとき、彼は「夢はかなった」と言った。

だけど、と僕は思う。

あの頃の僕らは、夢に向かって必死で走り続けている浜田省吾が好きだったんだ。

悔しい思いや悔しい時間を共有してきたアーチストだったからこそ、僕らは浜田省吾を心から応援することができたんだ。

そんな思いが今もあるからだろう。

僕はやっぱり1980年代の浜田省吾が好きだ。

54歳になった今もまだ。

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kels
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