本・雑誌

末続堯の全著作紹介(骨董アンティーク収集を始めたい人向け)

バブル崩壊後の1990年代、これから骨董収集を始めたいと思う方を対象とした骨董指南書を次々と出版した末続堯さん。

今回は末続堯さんの全著作をまとめてご紹介したい。

末続堯の略歴

エッセイスト、古美術評論家。

1934年東京生まれ。

1957年に慶応義塾大学経済学部卒業後に東京日産自動車販売(株)入社。

1995年に定年退職後はボランティア活動として骨董倶楽部主宰。

ウイークエンドの骨董-手のとどく骨董収集法

ウィークエンドの骨董ウィークエンドの骨董

1993年里文出版。

美術工芸の月刊誌「目の眼」に連載された「ウィークエンド・コレクション」を単行本化したもの。

前書きを中島誠之助、森田直、黒崎輝男という3人の著名な骨董店主が寄せている。

構成は「ウィークエンド・コレクターになる法」「私のウィークエンド・コレクション」「ウィークエンド・コレクター便利帖」の3部。

骨董収集の指南書に著者のコレクション紹介も含まれている。

普通のビジネスマンが骨董収集を週末の趣味とするための秘訣などが記載されている。

表紙や中表紙のイラストはアールデコ調のもので、著者のアールデコ好きが伝わってくる。

しろうと骨董掘出事典

しろうと骨董掘出事典しろうと骨董掘出事典

1996年北辰堂。

これから骨董収集を始めたいという「素人」向けの指南書として書かれている。

構成は「勉強編」「実践編」「道楽編」の3部で、駅前のカルチャー教室の骨董講座で授業を受けているような気持ちで骨董収集を学ぶことができる。

「価格を見るな、目から入れ」「美しいものは出世する」「地元高はあたり前」「流行遅れのものに注目する」など貴重な金言も多い。

詳しい内容については、いずれ別に紹介したい骨董の教科書だ。

一万円の骨董・アンティークス

一万円の骨董・アンティークス一万円の骨董・アンティークス

1999年京都書院。

大人のお小遣いとも言える1万円の予算で購入することのできる骨董品やアンティークを紹介。

構成は「骨董の世界へようこそ」「一万円の骨董・50篇」「一万円のアンティークス・50篇」の3部で、最初にこれから骨董収集を始めようとしている方へ向けた心得がある。

本題の骨董やアンティークは著者が実際に収集したコレクションの中から1万円の予算で購入できそうなものが紹介されている。

既に高い価格が付いているものだけに価値があるのではなく、自分で新しい価値を発見することも大切だということを著者は伝えたいのだろう。

もっとも現在では1万円で買うことは難しいようなアイテムも多くなってしまっていてちょっぴり寂しい。

日本のアールデコ

日本のアールデコ日本のアールデコ

1999年里文出版。

アールデコブームを受けて出版された。

構成は「アールデコとは?」「日本のアールデコ」の2部で、前半の「アールデコとは?」では「日本のアールデコ発祥の背景」や「アールデコデザインの特徴」が学術的に検証されていて、専門家にも役立つ内容となっている(ちなみに著者は学芸員資格も取得している)。

カラー写真も多く掲載されていて、まるで美術館の図録を観る思いがする。

著者の代表作と言っていい1冊だ。

骨董症候群-目利きへの遍歴

骨董症候群-目利きへの遍歴骨董症候群-目利きへの遍歴

2001年里文出版。

珍しく物語仕立ての骨董指南書。

普通のビジネスマンが少しずつのめり込んでいきながら多くの骨董品と出会い、生涯を終えるまでの物語として描かれている。

全部で18の物語が収録されているが、それぞれの物語に骨董収集の教訓がきちんと織り込まれている。

妻や娘、会社の上司や同僚、骨董仲間、昔好きだった女性など、登場人物のキャラクター付けもしっかりとされていて読み物としてちゃんと面白い。

骨董極楽遊園地

骨董極楽遊園地骨董極楽遊園地

2003年里文出版。

著者が収集した骨董が「日本編」「朝鮮編」「中国編」「オリエント編」「西欧編」「近代・現代編」の項目ごとに紹介されている。

特徴はそれぞれのアイテムについて平成15年当時の相場(市場価格)が参考表記されていること。

例えば「青い目の人形」は13万円、「1934年のカレッジリング」は3万円みたいな感じ。

著者お気に入りのアイテムに関しては、過去の著作で紹介されているものも多く含まれている。

心の癒し骨董市-見るたのしみ、買う楽しみ、使う愉しみ

心の癒し骨董市-見るたのしみ、買う楽しみ、使う愉しみ心の癒し骨董市-見るたのしみ、買う楽しみ、使う愉しみ

2007年PHP研究所。

初めて骨董市へ出かけようという初心者に向けて書かれた骨董市入門。

「骨董って何だろう」「ホビイ商品、フリマ商品は骨董か」「何故人は骨董に惹かれるのだろうか」「隗より始めよ(骨董収集の動機)」「骨董屋さんはどういう人達だろう」「骨董市を訪れる前に決めておくこと」「さあ骨董市に出掛けてみよう」「骨董品のチェックポイント」「海外の骨董市にも出掛けてみよう」「国際オークションにも簡単に参加できる」「本物と贋物」「手軽な骨董」「骨董と生活空間」というように、骨董市のことが理解できるように丁寧な構成となっている。

おわりに

末続堯さんの著作はいつでも初心者向けに描かれていた。

これから骨董収集を始めたいと思う人の目線で分かりやすく丁寧な解説を付記してくれた。

それは、まるで駅前のカルチャー教室で骨董講座の授業を受けているかのように親切で優しい文章だった。

末続さんの著書で僕は骨董収集を勉強し、それからもう長い年月が経ってしまい、僕もベテランの域に入りつつあるけれども、末続さんの書いた本は今でも僕にとって大切な骨董収集の教科書である。

古いものに興味がある、ビンテージアイテムに触れてみたい。そんなことを考えたら、ぜひ一度は末続さんの本に触れてみていただきたい。

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古いガラスコップで日々の暮らしを豊かなものにしようガラス集めガラスを集め始めた頃、僕はガラス製品であれば、何でもかんでも買い集めようと思っていた。ガラス食器からインク壺、ガラス時計に至る...
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1967年生まれのバブル世代。80年代カルチャーしか勝たん。推しは仙道敦子。匂いガラスが欲しい。