NHKで懐かしい「クインテット」を再放送していた。
「クインテット」は、2003年(平成15年)から放送されていた、子ども向けの音楽番組である。
当時、我が家の長女は8歳(小学2年生)になっていたけれど、パペットが登場するこの番組が好きだった。
それまで同じ時間帯で放送していた「ハッチポッチステーション」が好きだったという流れもあるだろう。
「ハッチポッチステーション」は、娘が生まれた1995年(平成7年)に始まっているから、彼女は「ハッチポッチステーション」を観ながら成長してきた世代ということになる。
「クインテット」が始まったとき、僕は38歳だった。
積極的にクラシック音楽も取り上げる番組だったので、娘よりも僕自身の方が、この番組をしっかりと観ていたかもしれない。
だいたい、僕は<あゆみおねえさん(茂森あゆみ)>が大好きだったのだ。
長女がNHKの「おかあさんといっしょ」を観ていた頃の「うたのおねえさん」があゆみおねえさんだった。
「だんご3兄弟」で紅白歌合戦に出場したのが1999年(平成11年)で、娘が3歳のときである。
我が娘は、まさしく「だんご3兄弟世代」で、NHKの「おかあさんといっしょ」を毎日楽しみにしていたのだ。
娘と一緒にテレビを観ているうちに、僕は、美しいあゆみおねえさんのファンになってしまった。
当時の日本には、そんなお父さんたちが、きっとたくさんいたはずだ(嫁に言う必要はないとしても)。
ちなみに、茂森あゆみは1971年(昭和46年)生まれ、僕より4つ年下である。紅白歌合戦出場時は28歳だった。
あゆみおねえさんが「おかあさんといっしょ」を卒業してしまって、ちょっとした<あゆみロス>があったけれど、そんなあゆみおねえさんがNHKで復活したのが「クインテット」だった。
パペット番組だから、声の出演だけしかない。
それでも、あゆみおねえさんの歌を聴くことができるというだけで、僕はとてもうれしかった。
あゆみおねえさんこと茂森あゆみは「アリア」という若い女性役で登場している。
ちょっとわがままで自己中なキャラクターが、また、大人っぽい感じがして良かった。
「クインテット」は五重奏のことだから、5人のキャラクターが演奏を披露する番組である。
アリアのほかに、スコア、シャープ、フラットというパペット人形がいて、宮川彬良だけが人間のままで登場していた(パペット人形もあった)。
ちょっとした寸劇の合間に音楽が入る構成で、子どもたちはコメディタッチの寸劇に笑いながら、音楽の素晴らしさに触れることができた。
人気番組だったので、当時、何種類かのCDが発売された。
僕のように<あゆみおねえさん>狙いでCDを購入した成人男性もいたのではないだろうか。
それは冗談だけど、僕は、子ども向けにアレンジされた音楽が大好きだったので、「クインテット」のCDが発売されるたびに喜んで買った。
もはや、娘のためのものではなくて、完全に父親のためのものだったのだ。
まあ、その頃、僕はクラシック音楽のCDを集めていたから、その流れの中で「クインテット」を楽しんでいたというのが、本当のところなんだけどね。
CD「クインテットアラカルト」は2005年発売。
アキラさん作曲のオリジナルと、アキラさん編曲の童謡などが収録されている。
音楽の合間にミニドラマも入っているので、「クインテット」の雰囲気をしっかりと再現してくれている、素晴らしいアルバムだ。
番組の中でしか聴くことのできないオリジナル曲が楽しい。
「音楽は楽しい」ということが、身体で分かるような気がする。