(2022/05/23 14:25:04時点 Amazon調べ-詳細)
今年も、いよいよ大学受験のシーズンがやってきました。
今回は、「受験戦争」なる言葉が深刻な響きを持っていた1980年代の名作漫画をご紹介したいと思います。
青春と大学受験って、いつの時代も切り離せないものなんですね。
めぞん一刻~最初は浪人生だった五代くん
僕が大学受験といって真っ先に思い出すのが、高橋留美子さんの代表作「めぞん一刻」です。
ビッグコミックスピリッツで「めぞん一刻」の連載が始まったのは1980年(昭和55年)で、当時の僕は中学一年生でした。
「うる星やつら」で大人気だった高橋留美子の新作ということで、クラスのアニオタの人たちは、早くからこの作品に注目していて、彼らに勧められて僕もこの漫画を読み始めました。
最大にハマった漫画ということでは、小学生の頃の「ドラえもん」と同じくらい、自分の人生では重要な意味を持つ作品です。
音無響子という若い未亡人が「一刻館」という古いアパートの管理人としてやってきて、住人たちとのドタバタが始まるというラブコメですが、住人の中にいた若い男性が、響子さんの相手役となる五代裕作という浪人生。
響子さん登場当時、五代君は住人たちから「浪人」と呼ばれていて、響子さんからでさえ「浪人さん」と呼ばれていました。
だから、「めぞん一刻」のごく初期のテーマは、五代君が大学に合格するまでの物語ということになります(コメディーではありますが)。
五代君の大学受験のとき、響子さんが両手を握りしめて「五代さん、がんばってくださいね」と励ます場面があって、これには、当時の受験生が励まされたと言います。
僕はアニオタの友だちに頼んで、「KONTAさん、がんばってくださいね」という台詞付きの響子さんのイラストを描いてもらって、試験のときのお守りにしていました。
このお守りは高校受験のときまで続いて、中学三年生の冬には、クラスの中で、ちょっとした響子さんブームが起きたほどです。
やがて、五代君も大学受験に合格して、大学生活が主な舞台になっていくのですが、初期の「めぞん一刻」は、今も僕には「浪人さん」と呼ばれて頃の五代君の思い出へとつながっていくのです。
ちなみに、「めぞん一刻」のテレビアニメが放映されるのは、僕が大学に入学した1986年(昭和61年)から。
悲惨な大学受験戦争を真正面から描いた「冬物語」
真正面から大学受験を描いた漫画といえば、原秀則の「冬物語」でしょう。
ヤングサンデー連載で、大学受験に失敗して浪人生となった主人公の森川光が、ようやく四流の大学に入学するものの、周囲の視線に耐えきれなくなって休学して、改めて大学受験に挑戦するという、なかなかハードな物語です。
予備校で知り合った雨宮しおりや倉橋奈緒子との恋愛が主要なテーマではありますが、根底にある「大学受験戦争」という大テーマがとにかく重すぎて、大好きな作品ではありますが、あまり読み返したくない作品でもあります(ある意味でトラウマ)。
学歴で選別される社会の厳しさとか、大学受験に失敗した若者の苦悩とか、そういったものを、僕はこの「冬物語」から学びました。
1987年(昭和62年)の連載開始当時、僕は大学2年生なので、主人公の光くんたちは、僕よりひとつ年下いうことになりますね(二浪の奈緒子ちゃんは、おそらく僕と同い年)。
連載当初は浪人生の肩身の狭さを、八千代商科大学に入学した後は四流大学生の肩身の狭さを、しみじみと感じさせてくれます。
大学受験なんてもう絶対にしたくないという気持ちを強くさせてくれますね。
だけど、大学受験に失敗して専門学校に進学した僕の友人は、仮面浪人の末に翌年大学進学、卒業後は外資系企業に入社して、今は南青山でマンション暮らしをしています。
人生なんて大学受験がすべてではないんですよね!(絶対にそうだ)
まとめ
ということで、以上、今回は、大学受験が「受験戦争」と呼ばれていた1980年代の名作漫画をご紹介しました。
青春と大学受験とは、いつの時代も切り離せないもの。
令和の受験生の皆さんもがんばってくださいね!