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青沼貴子「ママはぽよぽよザウルスがお好き」が平成パパの教科書だった

我が家の長女が誕生したのは、1995年(平成7年)のことである。

その頃、日本中のママの間でベストセラーとなっていたエッセイ漫画が、青沼貴子さんの「ママはぽよぽよザウルスがお好き」だった。

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「ママぽよ」を読みながら、父親になる準備をしていた

「ママはぽよぽよザウルスがお好き」は、『プチ・タンファン』に連載されていた実録子育て漫画で、最初の単行本が刊行されたのは、1993年(平成5年)のことである(僕が再就職した年だ)。

その後、1994年(平成6年)12月に、続編である「ママはぽよぽよザウルスがお好き ふたたび」が出て、翌年6月に我が家の長女が誕生した(平成7年生まれ)。

さらに、その半年後の1995年(平成7年)12月に「ママはぽよぽよザウルスがお好き みたび」が発行されているから、我が家の嫁の妊娠から出産、育児へと続く流れは、まさしく「ママはぽよぽよザウルスがお好き」人気の中で続いたということができる。

作者の青沼貴子さんは1960年(昭和35年)1月生まれだから、学年でいうと、僕よりも8歳年上ということになる。

意外と世代が離れている方だったが、「ママぽよ」を読んでいるときは、全然そんな感じがしなかった。

「ママはぽよぽよザウルスがお好き」主人公の青沼貴子さんもかわいい 「ママはぽよぽよザウルスがお好き」主人公の青沼貴子さんもかわいい

最初に、この本を買ってきたのは嫁だった。

長女を妊娠したことが分かって、出産に備えていろいろな本を読んでいく中で、この漫画を発見したのだと思う。

こういう本は、小さな子のお母さんでないと、なかなか読む機会がないだろう。

ところが、どういうわけか、夫である僕の方が、この「ママぽよ」にハマってしまって、続編である「ふたたび」「みたび」を買ってきたのは、僕自身だった。

主人公の<青沼貴子>さんが、僕好みの女性だったということもあるけれど、あの頃の僕は「ママぽよ」を読みながら、父親になる気持ちの準備をしていたのだと思う。

僕にとって「ママぽよ」は、小さな子どもたちの生態や、夫婦の役割などを教えてくれる教科書的存在だったのだ。

もちろん、そんなに難しく考えることはない。

「ママぽよ」は、笑いながら読み進めていくだけで、パパとママが注意すべき点を、しっかりと理解させてくれる漫画だったからだ。

育児に携わるママやパパを肯定的に描いている

乱暴な赤ちゃんだった<リュウ(男の子)>に比べて、女の子の<アン>はおとなしくてかわいい。

生まれたばかりのアンちゃんが、哺乳瓶をコト…と置いたときに、「見た!? 見た!? 哺乳ビンをコトッて置いたよ」「やっぱ女の子はぶん投げないんだなあ。スゲーなあ!」と夫婦で感動する場面は笑った(その後に「パタン」と静かに転ぶシーンも笑)。

ところが、このアンちゃんが2歳くらいで言葉を覚えるようになると、超絶に生意気な女の子に変身している。

<「アイチュちょーだいっていってるでしょ」(初めて言うんでもこの言い方)>とか、我が家も夫婦ですっごく笑ったけれど、うちも女の子だったので、やがて、こんなに生意気な子どもになるのかと考えると、ちょっと憂鬱だった(笑)

幸い、我が家の娘は一人っ子だったためか、言葉も遅くて、いつでもホワーンとしているおとなしい子だったので、青沼家みたいな事態にはならなかったけれど。

みんな悩みながら立派なママになっていくのだ みんな悩みながら立派なママになっていくのだ

初めての子どもができたときというのは、どんなお母さんもお父さんもピカピカの新人ママと新人パパである(当たり前だ)。

そんな初めてママとパパになる僕たちの気持ちを「ママぽよ」は笑いで癒してくれて、なおかつ、子どもが生まれた後の暮らしを覚悟させてくれる漫画だった。

なにより「ママぽよ」が素晴らしいのは、育児に携わるママやパパを前向きな姿勢で肯定的に描いていることだったと思う。

「これでいいのか?」と思い悩むママではなく、「これでいいのだ」と納得するママを書いているから、子育てをしている家庭には共感できる部分が必ずあるはずだし、そこから救われる部分もきっとあるはずだ。

「習うより慣れろ」っていうけれど、子育てって本当にそういうものだったなあ。

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kels
ちょっと懐かしい本や雑誌、CDの感想を書いています。好きな言葉は「広く浅く」。ブックオフが憩いの場所です。