音楽

1990年代のオリーブ少女を夢中にさせた渋谷系ミュージシャンたち

オシャレ雑誌『オリーブ』を読んでいるオシャレな女の子が好きなオシャレな音楽って何だろう?

1990年代、その正解が「渋谷系」という音楽でした。

今回は、90年代の雑誌『オリーブ』で紹介されている渋谷系ミュージシャンをご紹介します。

『オリーブ』って何?

『Olive(オリーブ)』は、マガジンハウス社から出版されていた、女性向けのファッション雑誌です。

同じマガジンハウス社から出版されている『POPEYE(ポパイ)』の女の子版。

1982年創刊で、80年代から90年代にかけて、一部の熱狂的なファンから熱く支持されていましたが、2003年に休刊となっています。

「オリーブ少女」という言葉が誕生するくらい、社会的影響力の大きい雑誌だったので、休刊はとても残念です。

1990年代の『オリーブ』(マガジンハウス)1990年代の『オリーブ』(マガジンハウス)

ちなみに「オリーブ少女」とは、ファッションだけではなく、カルチャーにも関心のある女の子のことで、文学や映画、音楽など、幅広い分野に登場しました。

フランス映画とカフェが大好きで、ベレー帽と北欧雑貨がマストアイテム。

2000年代の「文化系女子」につながる流れですが、煌びやかなギャルブームとのガールズ闘争で敗退しました。

渋谷系って何?

1990年代、そんなオリーブ少女が大好きだった音楽が「渋谷系」です。

渋谷系とは、音楽のジャンルではなく、その出自に注目して誕生した言葉で、渋谷をウロチョロしている若者たちに支持されたことから、この名前がつきました。

当時、渋谷には、中古レコード店がたくさんあって、ここで古いレコードを買った若者たちが、古い音楽をオマージュした作品を生み出します。

渋谷のCDショップでは、そんなミュージシャンの作品に注目するとともに、彼らがオマージュする元ネタのCDを一緒に並べて売り出します。

かくして、渋谷一帯では、古い音楽を新しい音楽へと昇華する流れが進み、そうした音楽はジャンルを超えて「渋谷系」と呼ばれるようになりました。

90年代にブレイクした渋谷系ミュージシャンたち90年代にブレイクした渋谷系ミュージシャンたち

彼らがオマージュする音楽は、昔の歌謡曲からフォークソング、映画音楽、モダンジャズなど、とにかく時代や国境、ジャンルを超えていたことが特徴。

自分たちが良いと思う音楽を好きなように昇華する。

そんな姿勢がカッコよかったのかもしれませんね。

オリーブ少女が注目する渋谷系バンド大集合!

そんな渋谷系の音楽に夢中になったオリーブ少女たち。

雑誌『オリーブ』は、1994年7月3日号で、渋谷系ミュージシャンを特集します。

タイトルは《「かわいかっこいい」女の子のファンがいっぱい。注目バンド大集合!》。

ここに登場するバンドやミュージシャンのほとんどが渋谷系で、当時、渋谷系が、いかにオリーブ少女たちから支持されていたかが分かります。

「かわいかっこいい」女の子のファンがいっぱい。注目バンド大集合!「かわいかっこいい」女の子のファンがいっぱい。注目バンド大集合!

ちなみに、『オリーブ』がバンドの特集を組むのは、これが初めてのことでした。

諦めていた人、期待していた人、待っていた人にグッドなニュース! 「オリーブ」で初の、大人気・大注目のバンド特集! 私たちと同じ感覚だから、いろんなテイストで楽しませてくれるよ! 絶対。(『オリーブ』1994/7/3)

それでは、オリーブ少女が注目するバンドを、順番にご紹介していきましょう。

なお、紹介文は、当時の『オリーブ』の記事をベースにしていますよ。

コーネリアス

小山田圭吾さん。

1969年1月27日生まれ、水瓶座、B型。

1993年9月に『太陽は僕の敵』でデビュー。

これまでにシングル3枚、ミニアルバム1枚、フルアルバムを1枚リリース。

3月から4月にかけてのライブツアーも無事に終了。

コーネリアスの小山田圭吾コーネリアスの小山田圭吾

これからはしばらくのあいだ、お休みする予定だそうだけど、本人いわく「ライブがとてもおもしろかったから、また秋ごろにしたい」とのこと。

6月25日には、おまちかね、の『ムーンライト・シングル』のシングル・バージョンが発売。

一年中かぶっている帽子がマスト・アイテムでした。

街で僕を見かけた人に、必ずといっていいほど呼び捨てにされて困るんです。(小山田圭吾)

スチャダラパー

SHINCO(松本真介さん)は、1970年6月9日生まれの双子座、O型。

BOSE(光嶋誠さん)は、1969年1月15日生まれの山羊座、A型。

ANI(松本洋介)さんは、1967年7月18日生まれの蟹座、O型。

チビッコからヤングまでのハートをガシッとつかんではなさないスチャダラの3人。

とにかく話題にはこと欠きません。

ダサカッチョいいスチャダラパーの3人組ダサカッチョいいスチャダラパーの3人組

最近は原宿にオープンした「ONE DAY」というお店で、スチャダラパーのオリジナルTシャツを販売。

オシャレのポイントは「ダサカッチョ」だそうです。

僕らの夢は銭湯を開業すること。オリーブ少女たちと裸のつきあいをしたいな。(スチャダラパー)

エレクトリック グラス バルーン

筒井朋哉さんは、1971年1月26日生まれの水瓶座、O型。

奥野裕則さんは、1970年9月3日生まれの乙女座、O型。

杉浦英治さんは、1970年11月1日生まれの蠍座、A型。

丸山晴茂さんは、1970年11月6日生まれの蠍座、A型。

1992年8月、EPCD『beautiful days』でMIDIレコードよりデビュー。

エレクトリック グラス バルーンエレクトリック グラス バルーン

以降、『speeeeed freak』『カルトスター・ガイドブック』などのEP、シングル『シークレット・サマーシャイン』。

今年(1994年)の4月10日、遂にファーストアルバム『ストライクス・バック』をリリース。

7月2日、法政大学でライブ決定。

名前は、電気仕掛けのガラスの風船、という意味です。

サイレント・ポエツ

下田法晴さんは、1967年1月16日生まれの山羊座でB型。

春野高広さんは、1967年9月6日生まれの乙女座でA型。

アルバム『Potential Meeting』をベリッシマ!レコードから、ドラマ『都合のいい女』のサンドトラックをトイズファクトリーから、それぞれリリース(共に¥3,000)。

サイレント・ポエツサイレント・ポエツ

下田さんはグラフィックデザイナーとしても活躍中。

こう見えて、おふたりともなかなかお笑いにはウルサいよう。

春野さんの口グセは「兄弟は仲良くしないといけないよ」。

「自分たちの音楽を紹介してみて」という質問に「言葉で言うよりも音を聴いてください」とひと言。

ネロリーズ

久保和美さんは、1974年3月20日生まれの魚座でO型。

栗原淳さんは、1973年5月12日生まれの牡牛座で、血液型は不明。

2月に発売されたアルバム『DAISY』の評判も上々。

アルプスの少女ハイジみたいだったネロリーズアルプスの少女ハイジみたいだったネロリーズ

7月6日には、ビデオ『ネロリーズとその楽団 First Solo Tour “DAISY”』(¥3,800)、7月27日に12cm CDシングル『An Ordinary Miracle』(¥1,500)がたて続けに発売!(いずれもスィート・スプエスト!レーベル)。

夏の愛聴盤になることうけあいです。

『オリーブ』のスタイリストさん曰く「アルプスの少女ハイジみたい!」

ブリッジ

加地秀基さんは、1967年5月8日生まれの牡牛座でAB型。

大橋伸行さんは、1970年2月9日生まれの水瓶座でA型。

黒澤宏子さんは、1966年4月21日生まれの牡牛座でA型。

池水真由美さんは、1965年2月21日生まれの魚座でB型。

爽やかなポップバンドだったブリッジ。爽やかなポップバンドだったブリッジ。

清水弘貴さんは、1968年10月15日生まれの天秤座でO型。

大友真美さんは、1965年3月31日生まれの牡羊座でO型。

1992年11月、デビューシングル、1993年3月、初アルバム『SPRING HILL FAIR』発売。

1994年7月1日、セカンドアルバム『プレッピー・キックス』リリース。

いつもばかばかしくてかっこいいことをねらっているんだ。だからアルバムタイトルの意味は、退屈な日常を蹴りとばすこと。美しい10代に賛辞を送るとともに、10代のこころを忘れてはいけないってことなんだ。(加地秀基)

ラブ・タンバリンズ

ELLIE(斉藤エリさん)は、1969年6月2日生まれの双子座でA型。

斉藤圭市さんは、1967年9月23日生まれの天秤座でB型。

今回の撮影には参加しなかったけれど、他には、宮川弾さん、平見文夫さん、大町博道さんがメンバーです。

ラブ・タンバリンズ。チビピタTシャツが似合う。ラブ・タンバリンズ。チビピタTシャツが似合う。

ただいまフルアルバムの制作にとりかかったので、当分ライブはなし。

『Cherish Our Love』『Midnight Parade』(いずれもクルーエル・レコードより)好評発売中。

「『オリーブ』だから、あんまりセクシーなポーズしちゃマズいかなぁ。私、パリよりバリが好きなのよ」なんていいつつも、チビピタTシャツがばっちり似合ってるナイスバディ。

小沢健二

小沢健二さんは、1968年4月14日生まれの牡羊座でO型。

ソロデビューから1年、そのあいだにシングル3枚、アルバム1枚をリリースと、好調な活動を続けています。

オリーブ少女の王子様だった小沢健二オリーブ少女の王子様だった小沢健二

特に、1994年3月に発売された『今夜はブギー・バック』はスチャダラパーとの共作シングルとして話題を呼びました。

CMソングとしてもおなじみだよね。

東京で好きな場所は、年末の原宿とか、賑やかな場所。(小沢健二)

なぜオリーブ少女は渋谷系に惹かれるのか?

渋谷系とオリーブ少女をつなぐキワードは、やはり「オシャレだった」ということでしょう。

それが本当にオシャレだったかどうかの判断は難しいところですが、少なくとも当時、渋谷系もオリーブ少女も、感度の高い若者たちに支持されていたということは歴史的事実だと思います。

「オシャレ」という言葉を言いかえると「洗練されている」ということでもあります。

その方向性がグランジではなく、あくまで清潔性の高いものであったということも、渋谷系とオリーブ少女の共通点でしょう。

そして、何より彼女らには、インテリジェンスな香りが漂っていました。

小脇に文芸書を抱えているオリーブ少女にも、様々なジャンルの音楽をオマージュする渋谷系ミュージシャンにも、そこはかとなく知的な匂いが感じられます。

東京大学文学部出身のオザケンは極端だとしても、渋谷系の音楽には、知的で洗練されたムードがありました。

この「知的で洗練されたムード」こそが、渋谷系がオリーブ少女に支持された最大の理由ではなかったでしょうか。

日本では、ファッションとインテリジェンスは、なかなか結びつかないものでしたが、フランスやアメリカ、イギリスなどのお洒落な国では、ファッションもインテリジェンスも、教養ある大人にはマスト・アイテム。

若い世代の間で、ファッションとインテリジェンスが自然に融合することができたのが、1990年代という時代だったのかもしれませんね。

まとめ

ということで、以上、今回は、1990年代のオリーブ少女が夢中になった渋谷系ミュージシャンをご紹介しました。

90年代ファッションに興味のある人だったら、雑誌『オリーブ』も渋谷系ミュージシャンも絶対に要チェックですよ。

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