1980年代

映画『スタンド・バイ・ミー』サントラ盤で映画の余韻に浸る

1980年代のお勧め映画っていうときに、必ず登場するのが『スタンド・バイ・ミー』です。

この映画、ストーリーも良かったけど、BGMも良かったですよね。

今回は、映画『スタンド・バイ・ミー』のサントラ盤のレビューです。

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映画のサウンドトラックが人気だった80年代

『スタンド・バイ・ミー』のサントラ盤には、詳しいライナーノーツが付いているので、このライナーノーツを読みながら、『スタンド・バイ・ミー』のBGMを聴いてみましょう。

まず、当時の状況についてなんですが、ライナーノーツには「複数アーチスト参加によるオムニバス形式のサウンドトラック・アルバムが相変わらず人気を集めているようだ」とあります。

ライナーノーツを書いている1986年11月現在、『トップガン』『ランニング・スケアード』『バック・トゥ・スクール』など、多くのオムニバス・サントラが人気を獲得中で、それぞれのアルバムからカットされたナンバーが、次々にヒットチャートを振わしているんだそうです。

これは「音楽と映像がこれまで以上に密接な関係を持ち始めた80年代ならではの現象と言えるかもしれない」と、筆者は指摘しています。

そんな音楽シーンの中に新たに登場したのが、『スタンド・バイ・ミー』のオリジナル・サウンドトラック・アルバムでした。

1986年夏の全米映画興行で最大のハリケーン

映画『スタンド・バイ・ミー』は、1986年8月8日、ニューヨークのコロネット劇場で先行公開されました。

初回から満席のスタートで、8月末から全米各地で拡大公開されるや、いずれも世代を超えた共感を集めて大ヒットを記録。

プロダクション・ノーツには、「『トップガン』や『ベスト・キッド2』『エイリアン2』など、居並ぶ協力作品を抑えての第1位は快挙と呼ぶにふさわしい」と綴られています。

映画『スタンド・バイ・ミー』のプロダクション・ノーツ映画『スタンド・バイ・ミー』のプロダクション・ノーツ

公開後、日ごとに口コミでジワジワと浸透し、結果的に、1986年夏の全米映画興行で最大のハリケーンとなったのが、この『スタンド・バイ・ミー』なのです。

映画のテーマは「青春」あるいは「感受性」だ。

ライナーノーツでは、映画の内容についても触れられています。

監督は『栄光のエンブレム』でおなじみのロブ・レイナーで、原作はアメリカン・ホラー小説の第一人者、スティーヴン・キングの小説『ボディ』だ。といっても、この作品のテーマは「恐怖」ではなく、「青春」あるいは「感受性」。リチャード・ドレイファス扮する中年の作家が、過去の思い出を語るという形で進行する感傷的な青春映画だとか。舞台は1959年の夏。町の英雄になりたい4人の少年たちが、悪者グループに殺された友達の死体を見つけるためにオレゴンの森へと踏み込んでいく。その旅の様子を、甘いノスタルジアとほどよいユーモアをまじえながら綴った作品だそうだ。

「過去の思い出を語るという形で進行する感傷的な青春映画だとか」とありますから、ライナーノーツの筆者も、映画はまだ観ていないようです。

致命的なのは、4人の少年たちが探しているのは「悪者グループに殺された友達の死体」ではないということ。

彼らは、列車事故で亡くなったと思われる行方不明の少年の死体を探しに出かけるのであって、その死体探しの途中で、年上の不良グループと争うことになります。

映画の名場面の写真も掲載されている映画の名場面の写真も掲載されている

ライナーノーツの筆者(萩原健太さん)が入手した資料に誤りがあったのかもしれませんが、なかなか1980年代らしい、おおらかな間違いですね。

参考までに、プロダクション・ノーツも紹介しておきます。

青春と呼ぶにはまだ幼すぎて、少年と呼ぶには成人した大人ほどに人生の辛苦を味わってしまった少年たち。「遺体」を発見してヒーローになるんだという夢を抱き、スリリングなアドベンチャーに彼らは挑みます。しかし、彼らを待っていたのは大自然の驚異とか暗闇の不安や恐怖だけではありませんでした。1959年の夏の冒険。2日間の出来事。果して、それはやがて大人になった彼らにとって何を意味したのでしょう。

映画『スタンド・バイ・ミー』の音楽を全曲解説

さて、いよいよBGMの話になりますが、このオリジナル・サウンドトラック盤に収録されているのは、ほとんど1950年代後半にヒットした珠玉のオールディーズ・ナンバーばかり

映画の設定が1959年なので、当時の少年たちが好んで聴いていたヒット曲ばかり、ということになるでしょうか。

古き良き青春を題材にした『アメリカン・グラフティ』や『ダイナー』などのサントラ盤にも通ずる、魅力的なオールディーズ・コンピレーションに仕上がっていると言っていいでしょう。

それでは、順番に収録曲を見ていきましょう。

あ、ちなみに、このサントラ盤には、全部で10曲の作品が収録されています

まず、1曲目は、バディ・ホリーの『エヴリデイ』

1957年9月にリリースされたバディ6枚目のシングル『ペギー・スー』のB面に収められていたナンバーでした。

1985年にはジェイムス・テイラーがカバーして、再ヒットさせています。

2曲目は、シャーリー&リーの『レット・ザ・グッド・タイムス・ロール』

1956年8月に全米20位まで上昇したミリオンセラー。

ニュー・オリンズ出身のシャーリー・グッドマンとレオナルド・リーという黒人男女デュオ最大のヒット曲でした。

3曲目は、デル・ヴァイキングスの『カム・ゴー・ウィズ・ミー』

1957年に全米4位まで上昇した大ヒット曲でした。

デル・ヴァイキングスはピッツバーグの米空軍基地で結成された黒人白人混合のヴォーカル・グループだそうです。

4曲目もデル・ヴァイキングスで『ウィスパーリング・ベルズ』

同じく1957年に全米9位まで上昇したヒット曲です。

5曲目は、シルエッツの『ゲット・ア・ジョブ』

1958年、発売後3週間で100万枚を売り上げたという、全米ナンバーワン・ヒット曲でした。

ベース・ヴォーカル担当のリチャード・ルイスによる”♪シャナナナ~”という強烈なフレーズが、人気を集めたんだとか。

映画『スタンド・バイ・ミー』のオリジナル・サウンドトラック。解説も充実している。映画『スタンド・バイ・ミー』のオリジナル・サウンドトラック。解説も充実している。

6曲目は、コーデッツの『ロリポップ』

1958年に全米2位を記録。

映画『バック・トゥ・ザ・フユーチャー』で、主人公のマーティが過去の町を歩きまわる場面で印象的に流れている『ミスター・サンドマン』も、コーデッツのヒット曲でした。

50年代ポップとロックンロールの橋渡し役となったコーデッツは、女の子4人組のグループなんだそうです。

7曲目は、コースターズの『ヤキティ・ヤック』

1958年の全米ナンバーワン・ヒット。

間奏のスピーディーなサックスは、黒人ヤケティ・サックスの第一人者、キング・カーティスによるものでした。

8曲目は、ジェリー・リー・ルイスの『火の玉ロック』

エルビス・プレスリーやカール・パーキンスと並ぶサン・レコード出身の重要な白人ロックンローラーのセカンドヒット。

1957年に全米2位まで上昇しました。

9曲目は、ボベッツの『ミスター・リー』

1957年に全米6位を記録したヒット曲です。

ニューヨークの学校に通っていた12歳から14歳の黒人の女の子5人が、自分たちの校長先生について歌った楽しいナンバー。

最後10曲目は、映画の邦題ともなっている、ベン・E・キングの『スタンド・バイ・ミー』

ジョン・レノンの素晴らしいカヴァーでも有名なスタンダードナンバーですね。

オリジナルは、1961年に全米4位まで上昇していますが、映画『スタンド・バイ・ミー』のヒットを受けて、再びシングル・カットされ、25年ぶりに全米ヒットチャートを赤丸付きで駆け上るという快挙を成し遂げたそうです。

新旧のベン・E・キングが登場するビデオ・クリップも、ファンの間でちょっとした話題になっているとも。

ちなみに、映画の舞台である1959年には、ベン・E・キングの『スタンド・バイ・ミー』は、まだ世に出ていないので、ゴーディやクリスらが、この曲を聴くことはなかったと思われます。

まあ、あくまでも、大人になってから少年時代を振り返っている物語ですからね。

まとめ

ということで、以上、映画『スタンド・バイ・ミー』のオリジナル・サウンドトラック盤についてご紹介いたしました。

映画を観た後で、映画の余韻に浸りながら、このサントラ盤を聴くも良し、サントラ盤でムードを盛り上げてから映画を観るのも良し、といったところでしょうか。

個人的には、英語詞の和訳が付いていると嬉しかったかも。

あと、このサントラ盤、全収録時間が「2338秒」とめっちゃ短いんですよね

50年代ポップスへの入門編として楽しんでみてもいいかもしれませんね。

オールディーズが、もっと聴きたくなりますよ。

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kels
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