音楽

サザンオールスターズ「わすれじのレイド・バック」地味な青春には地味なサザンを

サザンオールスターズ「わすれじのレイド・バック」地味な青春には地味なサザンを

みんな大好きサザンオールスターズ。

バブル世代の必需品。

でも、ずっと聴き続けているのは、地味曲「わすれじのレイド・バック」だったりする。

サザン初体験は「勝手にシンドバッド」

我々のサザン初体験は「勝手にシンドバッド」。

時代は1978年で、我々は小学5年生だった。

感度の高い同級生が、「サザンいいぜ」なんて言い始める。

大抵は、兄ちゃんか姉ちゃんのいるやつだったらしい。

ませたクソガキ。

次のサザン体験は、1983年放送の『ふぞろいの林檎たち』。

我々は高校生になっていて、サザンの音楽で大人の世界をチラ見した。

気分しだいで責めないで、涙が出ちゃう。

サザン歌えないと人間じゃないよ

そして、サザン体験のピークがバブル時代。

我らが青春の教科書『Bバージン』(山田玲司)で、「サザンとユーミンばっか」というセリフが出てくる。

言うまでもなく、サザンとユーミンは、バブル時代のサウンド・トラックだったから。

あの頃、流行り出したカラオケ・ボックスでもサザン。

ナンパな出会い系カラオケ・バーでもサザン(ナンパ成功率が異様に高い)。

サザン歌えないと、もう人間じゃない!っていうくらいの同調圧力があったよね。

なんだったんだ、7DAYS。

大人になって、会社のパイセンとカラオケに行っても、共通言語はやっぱりサザン。

いい加減にウザくなり始めて、それでもサザンサザンサザン。

だけど、こんな音楽は他にない、たぶん。

少なくとも、我々バブル世代にとっては。

わすれじのレイド・バックってなんだ?

勝手にシンドバッド、愛しのエリー、チャコの海岸物語、みんなの歌、希望の轍。

いろいろな時代があって、いろいろなヒット曲があった。

けれど、今も聴き続けているのは、地味曲「わすれじのレイド・バック」。

レイド・バックってなんだ?

サザンオールスターズの「わすれじのレイド・バック」は、1980年のシングル曲。

癒されるような失恋ソングだ。

唇が開く 胸が波打つ
駄目になりそうな今宵のふたり
Woman woman
別れる時でもやさしいままでな
心じゃ泣いたって 裸で無理を

ささやくだけでいい
よがり声には萎えてく
まるで誰か知らぬ人と
寝てるように振る舞えりゃ
指でさぐることなどつらい
In your socket

(サザンオールスターズ「わすれじのレイド・バック」)

なんだよ、In your socket って(笑)

でも切ない。

それがサザンだった。

自分のサザンは「わすれじのレイド・バック」

いろんなサザンがあっていいと思う。

でも、自分のサザンは「わすれじのレイド・バック」。

地味な青春には地味なサザンを。

50歳を過ぎた今、そんなことに気が付いている。

ABOUT ME
みづほ
バブル世代の文化系ビジネスマン。源氏パイと庄野潤三がお気に入り。