骨董収集に挑戦してみたいけど、教えてくれる人がいない!
骨董品のことを、もっと勉強したい!
骨董品に関する本を読みたい!
そんな方には、末續堯さんの著作がおすすめです。
末續堯さんとは?
末續堯(すえつぐ たかし)さんは、日本の古美術評論家です。
骨董収集に関して多くの著作を出版していて、骨董エッセイでも人気のある方なんですよ。
末續堯さんのプロフィール
手元にある本の著者略歴から、末續堯さんのプロフィールをご紹介します。
末續堯さんは、1934年(昭和9年)東京生まれ。
1957年(昭和32年)に慶応義塾大学経済学部を卒業後、東京日産自動車販売株式会社に入社して、営業企画やIBMシステムの管理等を担当。
1973年(昭和48年)、輸入家具プロジェクトへ出向し、輸入家具専門店「サアラ麻布」初代総支配人として、欧米12か国よりの家具買付、国内小売卸業務に従事。
1982年(昭和57年)に東京日産自動車販売株式会社に復帰し、コンピューター販売事業部を創設。
1984年(昭和59年)、改組された東京日産コンピュータシステム株式会社の企画室部長に就任。
1992年(平成4年)、博物館学芸員資格を取得。
1995年(平成7年)に退社後は、世界のたばこ工芸館の顧問を務めるとともに、古美術・骨董入門講座講師(コミュニティくらぶ たまがわ、産経学園、東京カルチャーヴィレッジ、地方自治体、ハウジングメーカー講座等)、『日刊自動車新聞』文化欄「轍」担当などとして活躍しています。
NHK「日本骨董ぶらり旅」や、フジ「ワーズワースの庭で」ほか、テレビ出演も多数あり。
骨董入門に関する著作を多数発表していて、日本の骨董入門講師の第一人者として知られている方なので、これから骨董品の勉強をしたいという方に、末續堯さんの著作はぴったり。
末續堯さんの全著作をまとめてレビューするので、興味のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
末續堯さんの全著作カタログ
末續堯さんは、たくさんの著作を出版されていて、古いものは既に新刊書店には流通していませんが、「日本の古本屋」「ブックオフ・オンライン」「ヤフオク」「メルカリ」などで古本を入手することは可能です。
ウィークエンドの骨董 手のとどく骨董収集法(1993)
1993年(平成5年)、里文(りぶん)出版から刊行された『ウィークエンドの骨董 手のとどく骨董収集法』です。
これから骨董収集を始めたいという方に向けて書かれた、骨董入門ガイド。
骨董誌『目の眼』に連載されたものが元となっています。
私の収集には日本のガラスを除いて脈絡がありません。節操がないと批判されようと、好きなものを勝手に集めているのです。これには井伏鱒二の『珍品堂主人』のモデルであるといわれる秦秀雄氏の影響が大きいのです。(末續堯「ウィークエンドの骨董」)
『開運!なんでも鑑定団』の中島誠之助さんや「古民芸もりた」の森田直さん、元「クロア」の黒崎輝男さんが推薦文を寄せています。
しろうと骨董掘出事典(1996)
1996年(平成8年)に北辰堂から刊行された『しろうと骨董掘出事典』です。
著者の体験談を踏まえながら、掘出物を見つける際にコツについて解説しています。
骨董ブーム、お宝ブームといわれている。バブルがはじけ、ようやくにして安定した生活指向が出てきた中で、精神の糧を美に求める人達の数がふえてきたのは当然の成行であり、嬉しいことである。(末續堯「しろうと骨董掘出事典」)
末續さん所有の掘出物が、写真入りでたくさん紹介されています。
一万円の骨董・アンティークス(1999)
1999年に京都書院から刊行された『一万円の骨董・アンティークス』です。
お小遣い(一万円以内)で買うことのできる骨董品やアンティークが、オールカラーで紹介されています。
この本のテーマは、骨董アンティークを一万円で買って見ようということである。(略)ここに取り上げているものは、私自身が千円から一万五千円までの間で、この五年間に実際に購入したものである。(末續堯「一万円の骨董・アンティークス」)
お得に骨董品を入手するコツも満載。
日本のアールデコ(1999)
1999年に里分出版から刊行された『日本のアールデコ』です。
著者が所有するアールデココレクションを、500点以上の写真(カラー図版271点)で紹介しながら、アールデコとは何か、日本のアールデコの移り変りなど、日本のアールデコ文化を詳しく検証・解説しています。
現在はアールデコ・リバイバルの時期にある。ファッションもインテリアも、建築物すらも、アールデコが積極的に採り入れられている。(末續堯「日本のアールデコ」)
永久保存版、日本のアールデコ文化に関する最大の教科書です。
骨董症候群─目利きへの遍歴(2001)
2001年に里分出版から刊行された『骨董症候群─目利きへの遍歴』です。
骨董初心者が、長い年月を経て、ベテラン蒐集家へと成長していく過程を、物語仕立てで描いています。
骨董収集は「心の旅」の一つです。であるにも拘らず、一般の方々全てに馴染みの深いものではありませんでした。本書は、敢えて小説仕立てとすることによって、その周辺を理解していただけるようにつとめた積りです。(末續堯「骨董症候群─目利きへの遍歴」)
良きライバルあり、仲間あり、幼馴染との不倫あり。
小説としても楽しめますよ。
骨董極楽遊園地(2003)
2003年に里分出版から刊行された『骨董極楽遊園地』です。
著者が蒐集した骨董品が多数紹介されています。
数千円であながえる江戸時代の一枚の小皿に、われわれは時として魂を救われる。骨董収集は、決して、金持ちの老人の愛玩物だけではないことを知っていただきたい。(末續堯「骨董極楽遊園地」)
新書サイズで読みやすい骨董エッセイ集です。
心の癒し・骨董市(2007)
2007年にPHP研究所から刊行された『心の癒し・骨董市』です。
骨董市で買い物する際の楽しみ方をガイドしています。
まずは千円札を一、二枚ポケットに捻じ込んで近場の骨董市へ出掛けて見る。「え、千円でも骨董が買えるの」明治の印判染付中皿一枚なら間違いなく買うことができます。(末續堯「心の癒し・骨董市」)
骨董収集の基本が、図版入りでやさしく解説されているので、初心者におすすめ。
掘り出し物は宝もの(2021)
2021年に里分出版から刊行された『掘り出し物は宝もの』です。
著者が入手した「掘り出し物」を紹介しながら、骨董品の購入テクニックをガイドしています。
ひと昔前までは、骨董屋巡りとは「金持ちの道楽」と決めつけられるのが普通だった。今は全く違う。骨董という概念の中には、千円札一~二枚で求められる物まで含んでいる。(末續堯「掘り出し物は宝もの」)
「収集心得帖」など、お役立ち情報満載。
2023年9月に新装版が発売されています。
考えてみると、末續堯さんの著作は、いずれも初心者に向けて書かれたもので、末續さんは徹底的に骨董入門講座の講師だったんだなあと思います。
これから骨董収集を始めてみたいという方、まずは一冊、手に取ってみませんか?
まとめ
いかがでしたか?
自分が骨董収集を始めたのは、自宅マンションを購入した頃だったので、2000年代初頭ということになります。
当時は「バブル崩壊」とか「失われた90年代」とか「氷河期世代」とか、とにかく、「日本の未来は暗い」と言われていたような時代で、骨董収集も、バブル時代のような古美術品ではなく、庶民の生活骨董が注目されていました。
投資目的の骨董収集ではなく、お小遣いで骨董を楽しもうという末續堯さんのスタンスは、自分の身の丈にもマッチしていて、一生懸命に末續さんの本を読んで、骨董市や骨董店へ通ったものです。
あれから20年の時が経過し、当時収集したコレクションは、さらに20年の歴史を積み重ねたということになります。
自分の骨董収集は、まさに「心の癒し」で、誰かに自慢するためのものでも、お金儲けのためのものでもありません。
末續堯さんの著作は、そんな自分の骨董収集を支えてくれた大切な教科書です。
骨董に関心があるという方には、本当におすすめだと思います。