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「中島公園紅葉ライトアップ」と「さっぽろ焼き芋テラス」は札幌市民の寄り道イベントだ

「中島公園紅葉ライトアップ」と「さっぽろ焼き芋テラス」は札幌市民の寄り道イベントだ

中島公園で晩秋のイベントが始まった。

「中島公園紅葉ライトアップ〜SAPPORO AUTUMN ILLUMINATIONS〜」と「さっぽろ焼き芋テラス」という、ふたつのイベントである。

晩秋の札幌は、中島公園に注目かもしれない。

中島公園紅葉ライトアップ 2025

北海道新聞に、中島公園のライトアップに関する記事が掲載された。

昨年始まった中島公園の紅葉ライトアップは札幌商工会議所主催で、今年はイチョウ並木や菖蒲池の周囲、日本庭園など昨年より約2倍長い約1.2キロを彩る。11月3日までの期間中はお汁粉の販売のほか、キッチンカーの出店もある。午後5時半~9時。日本庭園内のみ入場料500円。チケットは当日、庭園入り口で購入できる。(「北海道新聞」2025/10/23)

「昨年より約2倍長い」というキーワードに惹かれて、冷たい秋風が吹く中、重いコートを羽織って中島公園まで出かけた。

公園内には「会場マップ」が掲示されていて、どうやら順路なるものがあるらしい。

まずは、地下鉄「中島公園駅」の1番出口から(つまり、北側の入り口)から中島公園に入ると、イチョウ並木がライトアップされている。

中島公園のイチョウ並木。奥にススキノの明かりが見える。中島公園のイチョウ並木。奥にススキノの明かりが見える。

さすがに、イチョウの見頃には少し早いが、ライトアップされたイチョウ並木は、やはり見応えがある。

北大のイチョウ並木より、中島公園のイチョウ並木の方が好きだという札幌市民も少なくない。

札幌市民に愛されている中島公園のイチョウ並木札幌市民に愛されている中島公園のイチョウ並木

「焼き芋テラス」会場を右手に見ながら、まずは順路とおりに直進すると、「おしるこコーナー」が登場。

1851年(嘉永4年)創業、北海道最古の老舗和菓子店「花月堂」(小樽市)が提供するおしるこだから、美味しいに決まっている。

舌触りがなめらかで、白玉が3つ入ったおしるこは500円。

おしるこコーナーのおしるこは「小樽 花月堂」の提供おしるこコーナーのおしるこは「小樽 花月堂」の提供

近くのベンチに座って食べると、びっくりするほどの激熱で(寒いからなおさらだ)、あっという間に体が温まった。

札幌パークホテルと公園との間には「キッチンカーエリア」。

歩きながら食べやすい軽食を販売しているらしい。

ボート乗り場から見た夜の菖蒲池は、あちこちがライトアップされていて圧巻のひと言に尽きる。

ボート乗り場から見たライトアップボート乗り場から見たライトアップ

寒い中、出かけてくるだけの価値が、中島公園のライトアップにはある。

ちなみに、10月下旬の札幌の夜は、気温一桁(0度に近い方)なので、絶対に厚着が必要。

なにしろ、いつ雪が降り始めても不思議ではない季節である。

都会のスポット・中島公園にはライトアップが似合う都会のスポット・中島公園にはライトアップが似合う

順路は菖蒲池に沿って用意されている。

ライトアップは紅葉の種類に合わせて、黄色や緑色や赤色などと工夫されていた。

中島公園は都心部の公園なので、周囲にホテルの光が入るところもいい。

鮮やかなライトアップが中島公園の菖蒲池に映る鮮やかなライトアップが中島公園の菖蒲池に映る

札幌コンサートホール「キタラ」のモダン建築に突き当たるところで、池沿いに右へ曲がると、再び「キッチンカーエリア」へ入る。

ローストビーフ丼とか、サーロインステーキとか(鉄板キング)、札幌スープカレーラーメンとか(弟子屈ラーメン)、キッチンカーもかなり華やか。

一部日程で、札幌のソウルフード「ぎょうざカレー」(みよしのぎょうざ)も登場するらしい。

キッチンカーの前を通り過ぎていくと左手に、ライトアップされた「豊平館」が現れた。

豊平館のライトアップに足を止める札幌市民豊平館のライトアップに足を止める札幌市民

札幌が誇る歴史的建造物のライトアップに、思わず足を止める札幌市民も多かったはずだ。

豊平館の広間には、さっぽろ名妓連の芸妓がスタッフに扮する「芸妓カフェ」も営業中。

「小樽花月堂」のほか、焼肉徳寿グループのスイーツブランド「パティスリーフルール」、函館の人気店「プティ・メルヴィーユ」も参加している(コーヒーは「丸美珈琲店」)。

札幌オータム・イルミネーションのクライマックスは、有料エリアの日本庭園。

500円の入場料で、音や光の演出、時間ごとに変わるライトアップなどを楽しむことができる(らしい)。

場所によって印象が大きく変わる中島公園のライトアップ場所によって印象が大きく変わる中島公園のライトアップ

菖蒲池を一周すると、ライトアップ・ゾーンも終了。

再び、イチョウ並木を通って、もうひとつのイベント「さっぽろ焼き芋テラス」の会場へと向かう。

さっぽろ焼き芋テラス 2025

注意事項がひとつ。

菖蒲池のライトアップの開催時間は17:30~21:00

一方、焼き芋テラスの開催時間は、11:00~20:00(ラストオーダーは19:45)。

つまり、終了時刻は、焼き芋テラスの方が1時間早いということ。

これでも、焼き芋テラスは、昨年の19時終了よりも営業時間が延長されているのだが、「ライトアップをゆっくり観て、それから焼き芋テラスを楽しもう」と考えていると、焼き芋を食べ損ねることにもなりかねない。

ラストオーダー直前の「さっぽろ焼き芋テラス」会場ラストオーダー直前の「さっぽろ焼き芋テラス」会場

もうひとつ、焼き芋テラスは午前11時から営業しているので、夕方行くと、既に「完売」となっている商品も多い。

焼き芋テラスをメインに考えている場合は、ライトアップと切り離して考えた方がいいかもしれない。

「さっぽろ焼き芋テラス」の会場マップとビニールハウス「さっぽろ焼き芋テラス」の会場マップとビニールハウス

会場内には、札幌名物ビニールハウスのフードコートが用意されている。

ビニールハウス内にはストーブもあるので、暖を取りながら焼き芋を食べることができる。

2025年は、焼き芋ブースが過去最多に!札幌市内や近郊の人気焼き芋店を中心に、焼き芋ブース9店、スイーツブース5店、キッチンカー2台、人気の近郊農家直送の八百屋、道産さつまいもから作った焼酎やビールなどを提供するアルコールブースなど約20店舗が出店します。(「さっぽろ焼き芋テラス™2025」開催概要」)

焼き芋テラスと言いながら、焼き芋以外の商品も豊富。

さっぽろできるだけプロジェクト(八百屋) さっぽろできるだけプロジェクト(八百屋)

札幌近郊農家による直送野菜の八百屋も、野菜を買い求める人たちで賑わっていた。

つまるところ、中島公園の晩秋のイベントは、札幌市民のためのイベントといった趣きが強い。

もちろん、たくさんの観光客も参加しているが、札幌市民が気軽に寄り道できるイベントというのが、「焼き芋テラス」と「ライトアップ」の意義なのではないだろうか。

近年、札幌の(特に中央区の)イベントは、観光客ファーストが中心で(特にインバウンド・ファースト)、本当の意味で札幌市民が気軽に参加できるものは少なくなっていた。

日常生活の中で、ちょっと寄り道できるイベント。

こんなイベントが、いろいろなエリアで増えていくと楽しいかもしれない(札幌市民としては)。

ABOUT ME
懐新堂主人
バブル世代の文化系ビジネスマン。札幌を拠点に、チープ&レトロなカルチャーライフを満喫しています。