1970年代から1980年代にかけて、日本のアーチストが録音した作品の中から、AORっぽい曲を聴けるアルバムを年代順に揃えてみました。
サブスク縛り(Apple Music)でセレクトしているので、どなたでも聞くことができます。
日本語のAORに興味のある人は参考にしてみてください。
ふたり乗りの電車 / ふきのとう(1975)
北海道出身のフォークデュオ、ふきのとうのセカンドアルバム。
おすすめは、シングル曲だった「初夏」(編曲は瀬尾一三)。
札幌ご当地ソングだが、ギターリフが、デイブ・メイソンの「Give Me a Reason Why」っぽい(『Split Coconut』1975)。
Mr.サマータイム / サーカス(1978)
サーカスの大ヒット・デビューシングル。
ここでは、カップリング曲の「デイ・ドリーミング」を推したい。
君のひとみは10000ボルト / 堀内孝雄(1978)
アリスの堀内孝雄のソロ・デビュー・シングル(編曲は石川鷹彦)。
堀内孝雄は、ソロの方がアリスよりも垢抜けていたような気がする。
流線形’80 / 松任谷由実(1978)
ユーミン6枚目のオリジナル・アルバム。
いずれも名曲だが、ここではファンキーな「埠頭を渡る風」を推したい。
君が人生の時… / 浜田省吾(1979)
浜田省吾5枚目のオリジナル・アルバム。
日本のブルース・スプリングスティーンになる直前の浜省が聴ける。
カップヌードルCM曲「風を感じて」のほか、「ミス・ロンリー・ハート」「恋の西武新宿線」など名曲が並んでいる。
「いつかもうすぐ」はイアン・タイソンのカバー。
ひとり海へ還る / ばんばひろふみ(1979)
大ヒット曲「SACHIKO」で有名なばんばひろふみのセカンドアルバム。
「SACHIKO」収録アルバムだが、他に良い曲が多い。
「Tokyo City Girl」「グッド・ラック・マドモアゼル」「キャリアウーマンを撃て」など、AORを意識したラインナップがいい。
Late Late Summer / ブレッド&バター(1979)
ブレバタ4枚目のアルバム。
アルファレコード「湘南三部作」最初の作品となった。
「渚に行こう」「SUMMER BLUE」など名曲が多い。
虹とスニーカーの頃 / チューリップ(1979)
チューリップ16枚目のシングル曲。
「心の旅」以来のオリコンTOP10入りを果たした。
オリジナル・アルバムには未収録。
財津和夫のソロ「Wake Up」も入れたいけど、サブスクで聴けないのでカット。
SURF&SNOW / 松任谷由実(1980)
ユーミン10枚目のオリジナル・アルバム。
名曲「恋人がサンタクロース」のイントロは、サンタナっぽくていい。
浪漫 / 松山千春(1980)
松山千春5枚目のオリジナル・アルバム。
全編AORのポップス・アルバムに仕上がっている。
おすすめは爽やかアップチューンの「車を止めて」。
WISH / 岩崎宏美(1980)
初のロサンゼルス録音で、全曲筒美京平が作曲を担当した。
おすすめは「STREET DANCER」「ROSE」「夕凪海岸」など。
全編洋楽クオリティの超おすすめAORアルバム。
黄昏海岸 / 太田裕美(1980)
太田裕美のサマーシングル。
オリジナル・アルバムには未収録だった。
ビューティフル・シーズン / サーカス(1980)
コーラスグループ サーカスの7枚目のシングル曲。
目立たないが、サーカスにはAORの名曲が多い。
わすれじのレイド・バック / サザンオールスターズ(1980)
サザン10枚目のシングル曲。
オリジナル・アルバムには未収録。
当時は『バラッド ’77〜’82』で聴いていた人が多かった。
COAST / ばんばひろふみ(1980)
大ヒット曲「SACHIKO」で有名なばんばひろふみのサードアルバム。
「SACHIKO」の勢いでロサンゼルス録音の全編AOR作品となった。
おすすめは「Car Radio」「Give Up お嬢さん」「Welcome To My Love」「Coast」など。
ジャケットも爽やか。
NORTHERN SCENE / 五十嵐浩晃(1980)
北海道出身のシンガーソングライター五十嵐浩晃のファーストアルバム。
デビュー曲「愛は風まかせ」がヒットした。
ルパート・ホームズの「エスケイプ」(1979)を彷彿させる「ミルク・レディ」がおすすめ。
人生の空から / 松山千春(1980)
加川良らと設立した「NEWSレコード」第1弾シングル。
オリジナル・アルバムには未収録だった(ベスト盤『起承転結Ⅱ』収録)。
いまのキミはピカピカに光って / 斉藤哲夫(1980)
テレビCMで大ヒットしたシングル曲。
アルバムをサブスクで聴けないのが残念。
セルフカバー・アルバム『SPINACH』はおすすめ。
MONDAY MORNING / ブレッド&バター(1980)
ブレバタ5枚目のオリジナル・アルバム。
いわゆる「湘南三部作」の2枚目の作品となった。
ダンサブルな「JAPANESE WOMAN」やスローメロウな「MONDAY MORNING」などがおすすめ(全部いいけど)。
Yes-No / オフコース(1980)
小田和正率いるオフコース19枚目のシングルヒット曲。
ほぼ洋楽と思われるクオリティの高さに圧倒される。
アルバムバージョンよりも、シングルバージョンの方がいい。
十二月の旅人 / 太田裕美(1980)
太田裕美13枚目のオリジナル・アルバム。
1曲目「Sail for Our Life」がおすすめ。
大瀧詠一作曲の「さらばシベリア鉄道」収録。
南回帰線 / 滝ともはる&堀内孝雄(1980)
アリスの堀内孝雄が滝ともはると組んで大ヒットを記録した(編曲は石川鷹彦)。
サントリービールのCMソング。
ナチュラル・ロード / 五十嵐浩晃(1980)
北海道出身のシンガーソングライター五十嵐浩晃のセカンドアルバム。
大ヒット曲「ペガサスの朝」はじめ、「ブリージー・ナイト」「流星群」など、洗練されたAORを楽しめる。
木枯しに抱かれて / 松山千春(1980)
松山千春6枚目のオリジナル・アルバム。
「うぬぼれ」がオシャレでカッコいい。
The WIND’S SONG / NSP (1981)
正式名称は「ニュー・サディスティック・ピンク」だった。
「♪呼び出したりしてごめんごめん~」のイメージが強いが、80年代は都会的なサウンドに。
シングル曲「潮騒のホテル」がおすすめ(編曲は瀬尾一三)。
シンデレラ サマー / 石川優子(1981)
石川優子7枚目のシングル曲。
JALの沖縄キャンペーンソングとして起用されたリゾート・ミュージック。
アルバムはサブスクで聴くことができない。
Pacific / ブレッド&バター(1981)
ブレバタ6枚目のオリジナル・アルバム。
いわゆる「湘南三部作」の完結編となった。
スローナンバー「第2土曜日」や和製ビーチボーイズ「SHONAN GIRL」もいいけれど、ここでは「カタカタ想い」を推したい(エモーションズの「ベスト・オブ・マイ・ラブ」っぽい)。
時代をこえて / 松山千春(1981)
松山千春7枚目のオリジナル・アルバム。
ファンタCM曲「夏」、ボサノヴァタッチの「この部屋」、軽快なアップチューン「浜辺」など、断然にAOR色が強くなった。
over / オフコース(1981)
小田和正率いるオフコース9枚目のオリジナル・アルバム。。
シングルヒット「愛の中へ」がいい。
ステレオ太陽族 / サザンオールスターズ(1981)
サザン4枚目のオリジナル・アルバム。
和製ディスコ「Hello My Love」のほか、「ステレオ太陽族」「朝方ムーンライト」など聴きどころが多い。
昨晩お会いしましょう / 松任谷由実(1981)
ユーミン12枚目のオリジナル・アルバム。
名曲揃いだが、アレンジに杉真理が参加している「カンナ8号線」がAORとして秀逸。
愛の世代の前に / 浜田省吾(1981)
浜田省吾7枚目のアルバム。
ロック色が強いアルバムだが、和製モータウン「モダンガール」がおすすめ。
長崎小夜曲 / さだまさし(1982)
長崎出身のシンガーソングライターさだまさしのシングル曲。
これがさだまさしかと思われる爽やかなAOR路線が心地良い。
私・的・空・間 / 岩崎宏美(1983)
岩崎宏美13枚目のオリジナル・アルバム。
おすすめはシングル「素敵な気持ち」のほか「二人の午後に」など。
アルバム・ジャケットも爽やかでかわいい。
人気者で行こう / サザンオールスターズ
I WON’T BREAK YOUR HEART / 岩崎宏美(1984)
岩崎宏美にとって2枚目のロサンゼルス録音アルバム。
デビッド・フォスターやスティーブ・ルカサーなどが参加している。
岩崎宏美のロス録音は、ほんと、裏切らないなあと思う。
「Come Softly」「Secret Eyes」「Could You Be The One」など名曲多し。
人気者で行こう / サザンオールスターズ(1984)
サザン7枚目のオリジナル・アルバム。
おすすめは、和製ディスコ「夕方 Hold On Me」やメロウな名曲「海」など。
まとめ
自分は、ここに挙げた曲をすべて、Apple Music のプレイリストにまとめて聴いている。
ジャンルや趣向が異なるようでも、AORという観点で集めた曲は、何となく統一感が生まれるから不思議だ。
これからも時々更新していきたい。