文学鑑賞 庄野潤三「世をへだてて」やがて始まる新たな家族の物語へと繋がる闘病記 2021/02/21(日) みづほ 文化系スノッブ 庄野潤三「世をへだてて」読了。 本作『世をへだてて』は、1987年(昭和62年)11月に文芸春秋から刊行された闘病記である。 こ …
文学鑑賞 庄野潤三「おもちゃ屋」幸せに裏打ちされた不安 2021/02/14(日) みづほ 文化系スノッブ 庄野潤三の「おもちゃ屋」は、昭和48年1月号から12月号まで「文藝」に連載された連作短編小説集である。 本書のテーマについて、著者(庄野潤三)は「あとがき」の中で、「主題は「 …
文学鑑賞 松本侑子「私の青春文学紀行」初めてだけど懐かしい旅 2021/02/14(日) みづほ 文化系スノッブ 名作の舞台や作者ゆかりの土地を訪ねる文学紀行は、読書好きの人にとって憧れの旅行ではないだろうか。 殊に、自分の好きなものが海外文学の作 …
文学鑑賞 岡崎武志「上京する文学」上京に着目して考察した文学者たちの評伝 2021/02/13(土) みづほ 文化系スノッブ 夏目漱石の「三四郎」は、主人公の小川三四郎が、九州の高校を卒業して東京の大学に入学するために上京する場面から始まる。 「生まれついての …
文学鑑賞 庄野潤三「佐渡」紀行小説に姿を借りた家族小説 2021/02/12(金) みづほ 文化系スノッブ 「佐渡」は、学習研究社の「芥川賞作家シリーズ」から、昭和39年に刊行された。 本書には全部で13篇の作品が収録されているが、本書書き下ろし作品の「佐渡」を除いた12作品は、既 …
文学鑑賞 庄野潤三「流れ藻」戦後を生きた男と女の物語 2021/02/11(木) みづほ 文化系スノッブ 「流れ藻」は、小木近雄を主人公とした物語である。 近雄は25歳の若者で、2つ年下の妻・照代と生まれたばかりの長女・好子と3人家族で暮らしている。 近雄の仕事は、千葉県木更津 …
文学鑑賞 読売新聞「庄野潤三 静かなブーム」生誕100年を迎えて~現在も入手可能な庄野文学作品 2021/02/10(水) みづほ 文化系スノッブ 庄野潤三は、1921年2月9日生まれで、2021年は生誕100年に当たる。 誕生日前日の2月8日、読売新聞夕刊には「庄野潤三 静かなブ …
文学鑑賞 岡崎武志「ここが私の東京」東京に人生を賭けた人々 2021/02/07(日) みづほ 文化系スノッブ 「ここが私の東京」は、上京の瞬間に着目した、文化人たちの評伝物語である。 「ここが私の東京」という題名からは、既に地方出身者の悲哀が感 …
文学鑑賞 川本三郎「郊外の文学誌」名作は東京郊外で生まれてきた 2021/02/07(日) みづほ 文化系スノッブ 大正末期から昭和初期にかけて、広がりつつある東京郊外の住宅地に出現したのは、「プチブルジョア(小市民)」と呼ばれるホワイトカラーの中産階 …
文学鑑賞 福原麟太郎「第三のクラブ」チャールズ・ラムを愛した男の生き方 2021/02/06(土) みづほ 文化系スノッブ 「第三のクラブ」という書名は、著者(福原麟太郎)が敬愛するヂョンソン博士に由来している。 18世紀の英国を代表する文学者であったヂョン …