『村上春樹WORKS』は買うべきか?ハルキストが本音で語る「買う理由」と「買わない理由」
村上春樹の個人全集『村上春樹WORKS』が、2027年(令和8年)1月から順次刊行されます。
村上春樹ファンにとっては、過去最大級とも言えるビッグ・ニュースですが、この新しい全集、買おうか買うまいか迷っている方も多いのではないでしょうか?
今回は、村上春樹の著作をすべてコレクションしているハルキストの管理人が、『村上春樹WORKS』を買うべき理由と買わない理由、それぞれを整理してみました。
実際に買い物をするときの参考にしてみてくださいね。
『村上春樹WORKS』を買うべき理由
①「村上春樹の本」だから
村上春樹の著作を、これまで初版で買い続けてきているファンにとっては「村上春樹の本が出版される」というだけで、完全な購入理由になります。
これは、もう理屈ではなくて「習慣」に近いものがあるかもしれませんね(あるいは「惰性」)。
②「豪華愛蔵版」だから
村上春樹の作品は、ぶっちゃけ電子書籍で読むことも可能です。
しかし、本マニアというのは、やはり「紙の本」にこだわりたいもので、特に豪華な特装版については、本棚に並べておくだけで満足感が得られるものです(昭和時代の文学全集が売れたのも「本棚のインテリア」としてでした)。
「おれ、『村上春樹WORKS』買ったけど?」などと、マウントを取る人たちも現れそうですね(笑)
特に今回の『村上春樹WORKS』には安西水丸さんの絵が収録されることになっているので、安西水丸ファンにも注目の全集となりそうです。
③「自作解題」が付いているから
今回の『村上春樹WORKS』には、作者による「自作解題」が収録されています。
村上春樹の作品を研究している人にとって、この「自作解題」は非常に大きな意味を持つものになると思います。
逆に言うと、文学的な価値としては、この「自作解題」が最も大きな魅力になるかもしれませんね。
④「単行本未収録の短編」が収録されるから
第13巻『ほぼ全短編小説』には、単行本では未収録だった作品も収録される予定です。
作品名は不明ですが、村上春樹の著作をすべて所有している人も、ここは注目していいポイントだと思います。
むしろ、収録作品を確認してから購入するという作戦もあり得ますね。
⑤「特典がほしい」から
「村上春樹WORKS』を買わなければならない決定的な理由としては、購入者限定の特典があります。
今回の全集には二つの特典があって、ひとつは、第1回配本から第5回配本までを購入した場合にもらえる『村上春樹自薦 単行本未収録エッセイ集』。
これまで単行本に収録されていない作品をまとめたエッセイ集なので、生粋のファンは、この特典のために「第1回配本から第5回配本まで」買う価値はあると思います。
もうひとつの特典は、全巻セットを予約購入した場合にもらえる「『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』手描き地図(著者直筆サイン入り)」。
これは、はっきり言って作品とはまったく関係のない、非文学的なアイテムなのですが、村上春様のファンだったらほしい!と思えるマニアックな特典となっています。
全巻セットの価格に見合うものであるかどうかは、ともかく。
『村上春樹WORKS』を買わない理由
①「値段が高すぎる」から
一方で、『村上春樹WORKS』を買わない理由として筆頭に上がるのが「値段が高すぎる」です。
いくら豪華特装版とはいえ、文庫本で読める作品に「11,000円~17,000円(税別)」も出すのか?という部分が、『村上春樹WORKS』購入の分岐点になると思います。
文学系アイテムとしては、なかなか情け容赦ない価格設定ですよね、これ。
②「保管場所に困る」から
『村上春樹WORKS』収録予定のほとんどの作品は、これまでに単行本化・文庫本化されています。
既に持っている作品を「全16巻の豪華特装版」で改めて購入すると、ただでさえ窮屈な本棚が、さらに狭くなることが予想されます。
購入を決断する前に、保管スペースを確認しておく必要がありそうですね。
③「完全な個人全集ではない」から
今回の『村上春樹WORKS』は、完璧な意味での「全集」ではなく、あくまで「自薦全集」に分類されるものです。
単行本未収録の初期中編『街と、その不確かな壁』が収録されていない、翻訳書が含まれない、ノンフィクションやエッセイは著者による「自選」など、本来的な意味での「全集」とはかなりかけ離れていると言えます(だからこそ「WORKS」なのでしょうが)。
本当の意味での「コンプリート版・個人全集」は、おそらく「村上春樹の没後」に企画されると思うので、本当の全集にこだわる人は「今回は見送る」という判断もあるかもしれませんね。
まとめ|『村上春樹WORKS』は買うべきか?
今回の『村上春樹WORKS』は、文学的価値というよりも、コアな村上春樹ファンをターゲットとしたファンダム経済の一環としてとらえることが可能です。
つまり、村上春樹の熱狂的なファンは、どんなに高価でも購入するだろうし、より冷静な読者は「購入価値を見極めて判断する」ということです。
本来「個人全集」には、研究用の一次資料としての価値があるものですが、今回の『村上春樹WORKS』は(「自作解題」が付くとはいえ)研究資料というよりは、むしろ、「村上春樹ファン向けの公式グッズ」という意味合いが強いものです。
「村上春樹」というブランドを推している人にとっては買いで、「村上春樹の文学」を推している人にとっては見送り。
そんな結論になるのではないでしょうか。
ちなみに、僕は「村上春樹エイティーズ(80年代の村上春樹)」のマニアなので、全巻セット予約特典の「『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』手描き地図(著者直筆サイン入り)」には興味があります。
うーん、これが、つまり「ファンダム経済」というものなんでしょうね。
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『村上春樹WORKS』の詳細については、次の記事で詳しく解説しています。
▶『村上春樹WORKS』全16巻の発売日・収録作品・講談社版全集との違い・購入特典まとめ
