2026年(令和8年)9月1日、新潮社創立130周年記念出版として、村上春樹氏の文業約半世紀を一挙収録する決定版個人全集『村上春樹WORKS』(全16巻)の刊行が発表されました。

第1回配本は2027年(令和9年)1月27日よりスタート。

村上春樹ファンにとって、これは、早稲田大学に「村上春樹ライブラリー」が開設されたとき(2021年)以来の、ビッグニュースではないでしょうか?

この記事では、全16巻の概要や見どころ、過去に講談社から刊行された『村上春樹全作品』との違い、豪華な購入特典について解説していきます。

『村上春樹WORKS』の基本情報まとめ

現在発表されている『村上春樹WORKS』の基本スペック一覧です。

項目 詳細
タイトル 『村上春樹WORKS』(全16巻
刊行開始日 2027年1月27日より刊行開始(以後、隔月刊)
第1回配本 第8巻『1Q84(全)』
予価 予価|11,000~17,000円(税別)※第1回配本『1Q84(全)』は17,000円
判型・装丁 A5判/安西水丸氏の絵をあしらった筒函入り豪華装丁
出版社 新潮社

過去の『村上春樹全作品』との違いは?(講談社版との比較)

村上春樹の全集といえば、過去に講談社から2度の『全作品』シリーズが刊行されています。

今回の新潮社版『WORKS』と過去作の主な違いは以下の通りです。

項目 過去作(講談社版) 今回:『村上春樹WORKS』(新潮社版)
シリーズ名 『全作品 1979-1989』(全8巻)
『全作品 1990-2000』(全7巻)
『村上春樹WORKS』(全16巻)
収録対象 2000年までの執筆作品 デビュー作〜最新作まで、ほぼすべての小説と、著者が精選したノンフィクション・エッセイを収録
2000年代以降の長編 未収録 『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』等も初収録
自作解題 当時の書き下ろし解題を収録 全巻に新たな書き下ろし自作解題を収録
出版社 講談社 新潮社

講談社版は1979~1989年、1990~2000年という区分で刊行されており、今回の『WORKS』はその後に発表された作品も収録する、真の「決定版全集」という位置づけになります。

おそらく、作家・村上春樹にとってはキャリアの集大成となる、そんな大企画だと思います。

ここが凄い!『村上春樹WORKS』5つの注目ポイント

ここでは、ハルキストが注目する『村上春樹WORKS』の注目ポイントを紹介していきます。

1. 長編小説が「1巻完結」で読める

単行本で複数巻に分かれていた大長編が、全集版では「全1巻」にまとめられて収録されます。

第1回配本の『1Q84』をはじめ、『ねじまき鳥クロニクル』『騎士団長殺し』なども一気に読み進めることが可能です。

逆に、初期の「鼠三部作」(『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』)も「全1巻」に収録されているので、鼠が登場する小説を1冊でまとめ読みすることができる、ということでもあります。

2. 著者書き下ろしの「自作解題」を全巻収録

全巻の巻末には、村上春樹本人が各作品の執筆当時を振り返った、書き下ろしテキスト「自作解題」が収録されます。

過去の講談社版『全作品』にも、作者による「自作を語る」が添付されていましたが、あれから長い時間を経て、村上春樹の解題は、いったいどのように変化しているのでしょうか?

ハルキストなら絶対にチェックしたい、本全集最大の目玉コンテンツです!

3. 三宅香帆による月報連載「村上さんと走る」

毎巻付属する月報には、文芸評論家・三宅香帆による作品論「村上さんと走る」が連載されます。

村上春樹の作品では『ダンス・ダンス・ダンス』が好きだと語っていた三宅香帆さんは、いったい何を語るのでしょうか?

現代の視点から村上文学を読み解く新たな解釈が期待できそうです。

これ、全集が完結した段階で、きっと単行本になるんでしょうね(笑)

4. 前半購入特典:未収録エッセイ集

第1回配本から第5回配本まで(予約含め)購入した方を対象に、豪華特典として『村上春樹自選 単行本未収録エッセイ集』(約100頁)が用意されています。

単行本に収録されていないエッセイやコラムは、これまで初出の雑誌や新聞などで、地道に探していましたが、この『単行本未収録エッセイ集』で新たな発見がきっとあるのではないでしょうか。

全巻セットは難しくても「第5回配本までは無理しても手に入れたい!」と思わせてくれる、かなり魅力的な特典です。

5. 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』手描き地図(著者直筆サイン入り)

正直に言って、マニアとしては、これが一番ほしいです(笑)

新潮ショップで『村上春樹WORKS』全16巻セットを予約購入」した場合に限り、有償特典としてもらえるという、「著者直筆サイン入り『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』手描き地図」

この手描き地図は、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』執筆時に、著者によって描かれた地図の複製版で、今回新たに一枚ずつ、村上春樹さんのサインを入れたものとなるようです。

全巻セット価格は、まだ公表されていませんが「死ぬほど村上春樹が好きだ!」という方は、全巻セットを「家宝」として購入する価値はあるのではないでしょうか?

ちなみに、セット価格を含め、詳細は9月14日(月)に発表予定。

新潮ショップにおける予約販売開始は「9月25日(金)AM11:00」ということなので、僕もそれまでに決断したいと思います。

「村上春樹WORKS」特設サイト(新潮社)
https://www.shinchosha.co.jp/special/hm_works/

配本スケジュール・各巻の収録作品一覧

この全集は、2027年(令和9年)1月から2029年(令和11年)7月にかけて、2か月に1回のペース(全16巻)で刊行されます。

新潮社公式サイトで発表された『村上春樹WORKS』(全16巻)の公式配本スケジュールおよび各巻の収録作品は、次の一覧のとおりです。

配本 刊行時期 巻数・ジャンル 収録作品
第1回 2027年1月 第8巻 長編小説VIII 1Q84(全)
第2回 2027年3月 第1巻 長編小説I 風の歌を聴け/1973年のピンボール/羊をめぐる冒険
第3回 2027年5月 第2巻 長編小説II 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
第4回 2027年7月 第15巻 エッセイ 走ることについて語るときに僕の語ること/職業としての小説家/猫を棄てる 父親について語るとき/自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)/「壁と卵」——エルサレム賞・受賞のあいさつ
第5回 2027年9月 第9巻 長編小説IX 国境の南、太陽の西/色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
第6回 2027年11月 第3巻 長編小説III ノルウェイの森
第7回 2028年1月 第13巻 (ほぼ)全短編小説 中国行きのスロウ・ボート/カンガルー日和/螢・納屋を焼く・その他の短編/パン屋再襲撃/TVピープル/使いみちのない風景/夜のくもざる/レキシントンの幽霊/ふわふわ/バースデイ・ガール/恋するザムザほか
第8回 2028年3月 第4巻 長編小説IV ダンス・ダンス・ダンス
第9回 2028年5月 第10巻 長編小説X 騎士団長殺し(全)
第10回 2028年7月 第6巻 長編小説VI スプートニクの恋人/アフターダーク
第11回 2028年9月 第14巻 ノンフィクション アンダーグラウンド/約束された場所で underground 2
第12回 2028年11月 第5巻 長編小説V ねじまき鳥クロニクル(全)
第13回 2029年1月 第12巻 連作小説集 回転木馬のデッド・ヒート/神の子どもたちはみな踊る/東京奇譚集/女のいない男たち/一人称単数
第14回 2029年3月 第7巻 長編小説VII 海辺のカフカ
第15回 2029年5月 第11巻 長編小説XI 街とその不確実な壁
第16回 2029年7月 第16巻 最新作 夏帆 The Tale of KAHO ほか(刊行開始後の最新作を収録)

まとめ│『村上春樹WORKS』の刊行に向けて

今回の全集『村上春樹WORKS』は、村上春樹の約半世紀にわたる作品世界を一望できる、現時点での決定版個人全集です。

講談社版の『村上春樹全作品1979~1989』『村上春樹全作品1990~2000』を所有している僕としても、この『村上春樹WORKS』は「絶対にほしい!」と思わせられる、魅力的な全集になると思います。

なにより「村上春樹の集大成」というところに、意味があるのではないでしょうか?

2027年(令和9年)1月の刊行開始に向け、今後の続報にも注目していきましょう!

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文学ブログ『時空標本』では、村上春樹の紹介に力を入れています。

詳細は、次の記事をご覧ください。

【2026最新】村上春樹のおすすめ代表作35選!初心者向けの読む順番・有名作品も解説

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モグラのジェン
文芸コラム担当。感想以上、批評未満。深読み癖あり。感想はX(@jiku_hyohon)にてお待ちしています。