「中島公園紅葉ライトアップ」というイベントが始まった。
ちょっと寒いけど、コートを着込んで、秋の夜の中島公園を歩いてみた。
南9条広場の「さっぽろ焼き芋テラス」
中島公園は、札幌市民の憩いの公園として知られている。
夏にはボートが浮かぶ池があって(菖蒲池)、札幌交響楽団のホームグラウンドであるコンサートホール「キタラ」も、中島公園の中にある。
公園はかなり広大で、いろいろな入り口があるけれど、表玄関と言えるのが、北側(南九条)の入り口だろう。
南九条通りは、歓楽街ススキノの南限で、この通りによって、ススキノと中島公園が、なんとなく分けられていると思っていい。
南九条通りから中島公園へ入ったところに、銀杏並木がある。
札幌の銀杏並木と言えば、北海道大学のものが観光スポットとして有名だけれど、中島公園の銀杏並木を愛する札幌市民も多い。
その中島公園の銀杏並木が、紅葉の季節に合わせてライトアップされるという。
期間は、10月25日(金)から11月3日(日)までで、時間は、毎日18時から21時までとなっている。
銀杏の黄葉のピークは、もう少し先だが、ライトアップは、さすがに見応えがあった。
銀杏並木の西側、南9条広場では「さっぽろ焼き芋テラス」を開催中(こども人形劇場こぐま座・中島児童会館前の広場)。
営業時間は、11時から19時までなので、中島公園のライトアップとは、夕方の1時間しか重なっていない(18時から19時まで)。
両方を楽しみたい場合は、先に「焼き芋テラス」へ行っておくと安心(18時45分には「蛍の光」が流れていた)。
初回の昨年と比べ、今年はかなりバージョンアップされていて、出店数も多い(焼き芋は7ブース、焼き芋以外のスイーツも多い)。
屋根のある飲食スペース(ビニールハウス)も用意されてるので、ゆっくりと寛ぐことができそうだ。
中島公園のライトアップは全4か所で、随所に案内板が設置されている。
銀杏並木を通って、夏にはボート遊びが人気の菖蒲池へ向かう。
菖蒲池のライトアップは期待以上に美しい。
いわゆる鏡面のように、ライトアップされた紅葉が、池の表面に映っている。
この景観を見るためだけに、中島公園まで行く価値ありだろう(こういうイベントなら一年中でも楽しいと思う)。
ただし、この季節の夜は冷え込むので、防寒対策に注意が必要。
個人的には、薄手のコートがマストアイテムだと感じた(もともと寒がりなので)。
夜の中島公園散歩は貴重な機会だ
続いて、ライトアップ・ポイント3か所目の豊平館(ほうへいかん)へ移動。
銀杏並木・菖蒲池と観光客で賑わっていたが、豊平館周辺には、なぜか人が少ない。
本来であれば、中島公園観光の目玉スポットになるべき歴史的建造物なのだが(なにしろ明治13年建築)。
豊平館は、明治13(1880)年に開拓使が洋風技術の粋を集めて建築した「洋造ホテル」である。(略)第一番目の客は明治天皇である。明治14(1881)年8月30日、行幸の一行は小樽の手宮港に到着し、わが国で3番目に開通した鉄道で札幌に入り、洋風建築の豊平館に宿泊した。(角幸博「札幌の建築探訪」)
そういえば、昔、地元の人気カフェ森彦が、ここへ入るのではないか?という噂もあったなあ(楽しみにしていたんだけど)。
ウルトラマリンブルー(白群青)の縁取りは、ライトアップされても美しい。
ライトアップ最後のポイントは、日本庭園。
札幌では珍しい、国指定の重要文化財「八窓庵」は、この中にある。
小堀遠州の居城である近江長浜小室城内の菩提寺孤蓬庵にあった草庵茶室を、何度かの移設を経て、大正8(1919)年に持田謹也が札幌の自邸内に移設したと伝えられている。(角幸博「札幌の建築探訪」)
ここは、小さな小京都を楽しむことができる、和の空間だ。
全4か所のライトアップ・スポットを回って、中島公園の紅葉巡りは終了。
夜の中島公園を歩くことは、普段あまりないので、紅葉ライトアップは、地元民としても新鮮な気持ちで楽しむことができた。
銀杏並木がもっと黄色くなる頃、今度は太陽のある時間帯に来てみようかな。
観光客にもお勧めだけれど、この季節の札幌は、朝夜と昼の気温差が大きいので、体調管理に注意したい。