読書体験 岩本素白「素白先生の散歩」独り気ままに歩くことを好んだ散歩の達人の散歩随筆 2024/02/02(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ 岩本素白「素白先生の散歩」読了。 本作「素白先生の散歩」は、2001年にみすず書房から刊行された随筆集である。 なお、著者の岩本素白は1 …
読書体験 吉岡達夫「仏蘭西「田舎」遺聞」中世ヨーロッパを探してバスク地方を旅する歴史紀行 2024/01/28(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 吉岡達夫「仏蘭西「田舎」遺聞」読了。 本作「仏蘭西「田舎」遺聞」は、1981年(昭和56年)4月に評伝者から刊行された長篇小説である。 …
読書体験 【深読み考察】村上春樹「鏡」自分自身から憎まれ続けるような人生を歩いてはいけない 2024/01/26(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ 村上春樹「鏡」読了。 本作「鏡」は、1983年(昭和58年)2月『トレフル』に発表された短篇小説である。 この年、著者は34歳だ …
読書体験 秋元治「こち亀」甲斐バンドがモデルだったチャーリー小林は曲名のセンスが素晴らしい。 2024/01/26(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ 今回の青春ベストバイは、秋元治先生の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の「第8巻」です。 おすすめは、ずばり、初登場のチャーリー小林。 …
読書体験 壺井栄「二十四の瞳」不平等な日本社会と悔しいほどの怒りと怨念に満ちた反戦小説 2024/01/25(木) 懐究堂主人 文化系スノッブ 壺井栄「二十四の瞳」読了。 本作「二十四の瞳」は、1952年(昭和27年)2月から11月まで『ニュー・エイジ』に連載された長篇小説であ …
読書体験 小沼丹「片栗の花」井伏鱒二・伊馬春部・横田瑞穂と東北の小原温泉を旅行したときの思い出。 2024/01/21(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 小沼丹「片栗の花」読了。 本作「片栗の花」は、1984年(昭和59年)9月に刊行された作品集『緑色のバス』に発表された紀行随筆である。 …
読書体験 河上徹太郎「旅・猟・ゴルフ」白洲次郎や井伏鱒二が登場する文学エッセイ集 2024/01/20(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 河上徹太郎「旅・猟・ゴルフ」読了。 本作「旅・猟・ゴルフ」は、1961年(昭和36年)12月に講談社から刊行された随筆集である。 …
読書体験 林芙美子紀行集「下駄で歩いた巴里」お金のなくても楽しい女のひとり旅を描いた世界放浪記 2024/01/20(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 林芙美子紀行集「下駄で歩いた巴里」読了。 本作「林芙美子紀行集 下駄で歩いた巴里」は、2003年(平成15年)6月に刊行された岩波文庫 …
読書体験 大島一彦「ジェイン・オースティン」庄野潤三一家も愛した大人の文学の魅力 2024/01/19(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ 大島一彦「ジェイン・オースティン」読了。 本作「ジェイン・オースティン」は、1997年(平成9年)1月に中公新書から刊行された作家案内 …
音楽体験 SION「2月というだけの夜」大人になって初めて感じた「帰る場所のない心細さ」 2024/01/18(木) 懐究堂主人 文化系スノッブ 今回の青春ベストバイは、SIONのアルバム『螢』です。 1992年(平成4年)9月23日発売。 おすすめは、何と言っても「2月と …
読書体験 『猪熊弦一郎のおもちゃ箱: やさしい線』自分だけの価値観を持ってシンプルに生きる 2025/08/01(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館監修『猪熊弦一郎のおもちゃ箱: やさしい線』読了。 本作『猪熊弦一郎のおもちゃ箱: やさしい線』は、2018 …
読書体験 沼田元気『ぼくの伯父さんの東京案内』生きにくい世の中を生き抜くためのガイドブック 2025/07/30(水) 懐究堂主人 文化系スノッブ 沼田元気『ぼくの伯父さんの東京案内』読了。 本作『ぼくの伯父さんの東京案内』は、2000年(平成12年)に求龍堂から刊行されたエッセイ …
読書体験 井伏鱒二「くるみが丘」高度経済成長のドヤ街で生きる人々のたくましさ 2025/07/26(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 井伏鱒二「くるみが丘」読了。 本作「くるみが丘」は、1966年(昭和41年)3月に文芸春秋から刊行された長篇小説である。 この年 …
読書体験 細野不二彦『うにばーしてぃBOYS』みんな一生懸命だったバブル時代の大学生たち 2025/07/22(火) 懐究堂主人 文化系スノッブ 細野不二彦『うにばーしてぃBOYS』読了。 本作『うにばーしてぃBOYS』は、1989年(平成元年)に小学館ビッグコミックスから刊行さ …
読書体験 ヘミングウェイ「老人と海」自分自身に誇りを持って生きていくことの難しさ 2025/07/21(月) 懐究堂主人 文化系スノッブ アーネスト・ヘミングウェイ「老人と海」読了。 本作「老人と海」は、1952年(昭和27年)9月にチャールズ・スクリブナーズ・サンズから …
読書体験 小沼丹『黒いハンカチ』若い女教師が活躍するほのぼの系連作短篇ミステリー 2025/07/20(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 小沼丹『黒いハンカチ』読了。 本作『黒いハンカチ』は、1958年(昭和33年)8月に三笠書房から刊行された連作短篇小説集である。 …
読書体験 重松静馬『重松日記』から井伏鱒二『黒い雨』盗作疑惑騒動を考察する 2025/07/17(木) 懐究堂主人 文化系スノッブ 井伏鱒二の名作『黒い雨』は、かつて、盗作疑惑に揺れたことがある。 今年は原爆投下から80年。 井伏鱒二の故郷にあるふくやま文学館 …
読書体験 喜多嶋隆『夏物語』忙しすぎる日常を忘れるための80年代ショート・ストーリー 2025/07/13(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 喜多嶋隆『夏物語』読了。 本作『夏物語』は、1989年(平成元年)9月に角川文庫から刊行された短篇小説集である。 この年、著者は …
読書体験 井伏鱒二「黒い雨」洗っても落ちない汚れは永遠に癒えることのない戦争の傷痕の象徴である 2025/07/12(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 井伏鱒二「黒い雨」読了。 本作「黒い雨」は、1966年(昭和41年)10月に新潮社から刊行された長篇小説である。 この年、著者は …
読書体験 カポーティ『草の竪琴』少年時代のイノセント・ストーリーとミステリアスな短篇小説 2025/07/05(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ トルーマン・カポーティ『草の竪琴』読了。 本作『草の竪琴』は、2025年(令和7年)6月に新潮社から刊行された作品集である。 こ …
音楽体験 わたせせいぞう『僕のオールディーズはオールカラー』80年代的に昇華されたオールディーズ物語 2025/07/26(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ バブル景気の頃、(一部界隈で)オールディーズが流行していた。 1950年代から1960年代にかけてのアメリカン・ポップス。 平岸 …
音楽体験 『東京エイティーズ』大学時代の元カノを引きずって生きるアラサー男子の自分探し 2025/07/16(水) 懐究堂主人 文化系スノッブ 『東京エイティーズ』は、80年代カルチャーを背景とした青春物語である。 特に、重要な要素と言えるのが、80年代前半のディスコ・ナンバー …
音楽体験 ザ・タイマーズ『LONG TIME AGO』80年目の原子爆弾ブルース 2025/07/14(月) 懐究堂主人 文化系スノッブ ザ・タイマーズの『LONG TIME AGO』は「原子爆弾ブルース」である。 そして、同時に、それは「原子力発電所ブルース」でもあった …
音楽体験 北海道の盆踊り大会は『子供盆おどり歌』に始まり『北海盆唄』に終わる 2025/07/13(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 北海道には、大きく二つの盆踊り歌がある。 大人用の『北海盆唄』と、子ども用の『子供盆おどり歌』である。 盆踊り歌の誕生には、北海 …
音楽体験 寺尾聰『Re-Cool Reflections』石原プロを勘当された80年代シティ・ポップ界の絶対王者が復活 2025/07/11(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ 寺尾聰は、80年代シティ・ポップ界の絶対王者だ。 大ヒット曲「ルビーの指環」は、ザ・ベストテンで最多連続記録を樹立(12週連続1位)。 …
音楽体験 石原裕次郎「わが人生に悔いなし/北の旅人」肝臓がんとの闘病生活とハワイのレコーディング 2025/06/22(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 石原裕次郎が亡くなったとき、追悼盤と銘打ったシングルレコードが発売された。 1987年(昭和62年)8月のことである。 曲名は「 …
音楽体験 浜田省吾『PROMISED LAND』私立探偵スペンサーやサリンジャーとの関係を読み解く 2025/06/10(火) 懐究堂主人 文化系スノッブ 浜田省吾の名盤『PROMISED LAND 〜約束の地』(1982)は、アメリカ文学の影響を感じさせる。 『約束の地』というアルバムタ …
音楽体験 初夏の北大祭で「ブルーグラス・ミュージックとは何か?」を研究する 2025/06/08(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 北大祭は、北海道大学の学園祭である。 大学の学園祭なのに、札幌市民への定着度はすごい。 「ライラックまつり」「北大祭」「札幌まつ …
音楽体験 さっぽろライラックまつりの季節だからライラックを歌った札幌の歌を歌おう 2025/05/15(木) 懐究堂主人 文化系スノッブ 札幌は「ご当地ソング」の多い街である。 ご当地ソングとは、地域の風物詩を盛り込んで旅情を演出する歌のことで、昭和時代の歌謡曲に多く見ら …
音楽体験 『ボニータ! ボサノヴァ』カフェから始まったボサノヴァ・ブームの時代 2025/05/11(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 2000年代の日本で、ちょっとしたボサノヴァ・ブームがあった。 震源地は、オシャレなカフェだったような気がする。 1990年代か …
生活体験 ハルク・ホーガン『わが人生の転落』80年代のアメリカン・ドリームという偶像 2025/07/27(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ ハルク・ホーガンの訃報が伝えられた。 ハルク・ホーガンさん(米プロレスラー)AP通信によると、24日、米南部フロリダ州で死去。71 …
生活体験 北海道の渓流釣りは「ヤマベ釣り」に始まり「ヤマベ釣り」に終わる 2025/07/25(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ 北海道で渓流釣りと言えば「ヤマベ釣り」のことを意味する。 少なくとも、そういう時代があった。 ヤマベ釣りは、北海道の歴史を語る文 …
生活体験 都会の夏を快適に過ごす「ビルケンシュトック」のサンダル・ライフ 2025/07/09(水) 懐究堂主人 文化系スノッブ 街履きできるサンダルなら、ビルケンシュトックの「アリゾナ」がいい。 理由は、長時間歩き続けても疲れないから。 とことん日常履きで …
生活体験 ジムニー 1300 シエラ『新型エルク』が活躍した1990年代のRVブームを振り返る 2025/07/07(月) 懐究堂主人 文化系スノッブ 1990年代は、RVブームの時代だった。 ジムニー・シエラの限定車「エルク」が発売されたのも、そんなRVブームの時代である。 エ …
生活体験 年間300冊読む読書家が毎日愛用している最強の読書グッズ「三種の神器」 2025/06/14(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 読書好きにとって、読書は趣味ではない。 食べることや眠ることと同じように、読書とは生きることなのだ。 快適な読書ライフを過ごすた …
生活体験 『クウネル(vol.39)』函館の食文化──朝いかの行商といか刺しの朝食 2025/06/13(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ スルメイカ(真いか)は、函館の夏の風物詩だ。 「函館の朝は、いか刺しから始まる」とまで言われた時代。 そんな食文化も、今や昔のも …
生活体験 「神薬」のガラス瓶コレクション──群青色の小さな壜に失われた時代がある 2025/06/12(木) 懐究堂主人 文化系スノッブ 庄司太一の『びんだま飛ばそ』(1997)が出たころ、古いガラス瓶を集めるのが、ちょっとしたブームになった。 ガラス瓶と言っても、一升瓶 …
生活体験 円山で発見したオールド東陶のカップ&ソーサは札幌グランドホテル開業当時の食器か? 2025/06/08(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ ヴィンテージのカップ&ソーサといえば、オールド・ノリタケ(日本陶器)が超有名だが、モダンなデザインに関しては東洋陶器も負けていない。 …
生活体験 森田たま生誕地の文学碑と大正モダンな洋館「土屋邸」と玉翠園の「雪萌えパフェ」 2025/06/07(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 2025年(令和7年)3月、中公文庫から、森田たまの『随筆 ふるさとの味』が刊行された。 森田たまは、札幌出身の女流作家である。 …
生活体験 ファイヤーキングのマグカップ「スタアバックス珈琲」昭和レトロとアメリカ文化との融合 2025/06/07(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 多くのコレクターがいることで知られる「Fire-King」(ファイヤーキング)の生産がアメリカで終了したのは、1986年(昭和61年)のこと …