読書体験 井伏鱒二「山椒魚」社会の底辺でくすぶっている若者たちの焦りと不安 2023/04/16(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 井伏鱒二「山椒魚」読了。 本作「山椒魚」は、1929年(昭和4年)5月『文芸都市』に発表された短編小説である。 この年、著者は3 …
読書体験 永井龍男「皿皿皿と皿」庶民の暮らしを季節感で描いた歳時記小説 2023/04/09(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 永井龍男「皿皿皿と皿」読了。 本作「皿皿皿と皿」は、1962年(昭和37年)10月から1963年(昭和38年)9月まで『週刊朝日』に連載さ …
読書体験 志賀直哉「豊年虫」長野県の戸倉温泉を舞台にした幻想的な短篇小説 2023/04/08(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 志賀直哉「豊年虫」読了。 本作「豊年虫」は、1929年(昭和4年)1月『週刊朝日』に発表された短編小説である。 この年、著者は46歳だっ …
読書体験 森恭三「滞欧六年」戦後昭和のヨーロッパ見聞録 2023/04/06(木) 懐新堂主人 文化系スノッブ 森恭三「滞欧六年」読了。 本書「滞欧六年」は、1959年(昭和34年)に刊行されたエッセイ集である。 この年、著者は52歳だった。 1959年(昭和34年)4月から『朝日ジャ …
読書体験 永井龍男「青梅雨」生命力の裏側にある人生のはかなさ 2023/04/05(水) 懐新堂主人 文化系スノッブ 永井龍男「青梅雨」読了。 本作「青梅雨」は、1965年(昭和40年)9月『新潮』に発表された短編小説である。 この年、著者は61歳だった …
読書体験 【深読み考察】村上春樹「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」 2023/04/02(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村上春樹「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」読了。 本作は、伊勢丹百貨店『トレフル』1981年(昭和5 …
読書体験 坂西志保「朝の訪問客」昭和の教育問題や女性問題を学ぶ 2023/04/01(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 坂西志保「朝の訪問客」読了。 本書「朝の訪問客」は、1972年(昭和47年)に刊行された随筆集である。 この年、著者は76歳だった。 子 …
読書体験 吉井勇「東京・京都・大阪」若き日の思い出を綴った回想随筆集 2023/03/31(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 吉井勇「東京・京都・大阪」読了。 本書「東京・京都・大阪」は、1954年(昭和29年)に刊行された随筆集である。 この年、著者は68歳だ …
読書体験 山口誓子「句碑をたずねて」松尾芭蕉と正岡子規の足跡を辿った旅行記 2023/03/28(火) 懐新堂主人 文化系スノッブ 山口誓子「句碑をたずねて」読了。 本書「句碑をたずねて」は、1965年(昭和40年)に刊行された随筆集である。 この年、著者は64歳だっ …
読書体験 中村汀女「ふるさとの菓子」俳句と随筆でめぐる全国各地の銘菓 2023/03/26(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 中村汀女「ふるさとの菓子」読了。 本書「ふるさとの菓子」は、1955年(昭和30年)に刊行された随筆集である。 この年、著者は55歳だっ …
読書体験 トーマス・マン『魔の山』生と死の境界線で生き続けていく人々 2025/12/17(水) 懐新堂主人 文化系スノッブ トーマス・マン『魔の山』読了。 本作『魔の山』は、1924年(大正13年)にドイツで出版された長篇小説である。 この年、著者は4 …
読書体験 聖日出夫『なぜか笑介』24時間戦い続けた企業戦士!サラリーマンは戦後社会の主役だった 2025/12/13(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 聖日出夫『なぜか笑介』読了。 本作『なぜか笑介』は、1982年(昭和57年)から1991年(平成3年)にかけて、小学館ビッグコミックス …
読書体験 内藤啓子『枕詞はサッちゃん』長年の夫婦喧嘩と晩年の精神科入院、壮絶な阪田寛夫の人生 2025/12/06(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 内藤啓子『枕詞はサッちゃん』読了。 本作『枕詞はサッちゃん』は、作家(阪田寛夫)の長女による、父の回想録である。 自己肯定感の低い詩 …
読書体験 サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」禁書になるほど怖い問題作はなぜ人気なのか? 2025/12/04(木) 懐新堂主人 文化系スノッブ J.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』読了。 本作『ライ麦畑でつかまえて』は、1951年(昭和26年)にアメリカで出版された長編 …
読書体験 村上春樹・訳『クリスマスの思い出』『あるクリスマス』『おじいさんの思い出』はカポーティのクリスマス三部作だったのか? 2025/12/03(水) 懐新堂主人 文化系スノッブ トルーマン・カポーティ「クリスマス三部作」読了。 カポーティのクリスマス三部作とは、『クリスマスの思い出』『あるクリスマス』『おじいさ …
読書体験 井伏鱒二『遙拝隊長・本日休診』荒廃した戦後の暮らしの中から戦争が見えてくる 2025/11/29(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 井伏鱒二『遙拝隊長・本日休診』読了。 本作『遙拝隊長・本日休診』は、1955年(昭和30年)6月に新潮文庫から刊行された作品集である( …
読書体験 伊藤ユキ子『紀行・アラン島のセーター』アランセーターの伝説と歴史を読み解く 2025/11/26(水) 懐新堂主人 文化系スノッブ 伊藤ユキ子『紀行・アラン島のセーター』読了。 本作『紀行・アラン島のセーター』は、1993年(平成5年)11月に晶文社から刊行された旅 …
読書体験 野崎歓・編『井伏鱒二ベスト・エッセイ』小説と随筆の境界線で生まれた庶民の文学 2025/11/25(火) 懐新堂主人 文化系スノッブ 野崎歓・編『井伏鱒二ベスト・エッセイ』読了。 本作『井伏鱒二ベスト・エッセイ』は、2025年(令和7年)10月にちくま文庫から刊行され …
読書体験 ハーパー・リー『アラバマ物語』黒人差別社会の中で「ものまね鳥」が伝えたかったこと 2025/11/22(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ ハーパー・リー『アラバマ物語』読了。 本作『アラバマ物語』は、1960年(昭和35年)にアメリカで出版された長篇小説である。 原 …
読書体験 幸田文『ちぎれ雲』娘が綴った文豪・幸田露伴の最晩年、永井荷風も登場 2025/11/20(木) 懐新堂主人 文化系スノッブ 幸田文『ちぎれ雲』読了。 本作『ちぎれ雲』は、1956年(昭和31年)6月に新潮社から刊行された随筆集である。 この年、著者は5 …
音楽体験 村尾陸男『ジャズ詩大全(クリスマス編)』第二大戦前後に生まれたクリスマス・ヒット曲の歴史 2025/12/21(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村尾陸男『ジャズ詩大全(別巻)クリスマス編(増補改訂版)』読了。 本作『ジャズ詩大全(別巻)クリスマス編(増補改訂版)』は2006年( …
音楽体験 ピート・ハミル『ザ・ヴォイス フランク・シナトラの人生』孤独な男の弱さを歌ったスターの人生 2025/12/20(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ ピート・ハミル『ザ・ヴォイス──フランク・シナトラの人生』読了。 本作『ザ・ヴォイス──フランク・シナトラの人生』は、1998年(平成 …
音楽体験 松下たえ子『ヴィルヘルム・ミュラー読本』ハイネが崇拝する「冬の旅」の詩人の人生 2025/12/11(木) 懐新堂主人 文化系スノッブ 松下たえ子『ヴィルヘルム・ミュラー読本──「冬の旅」だけの詩人ではなかった──』読了。 本作『ヴィルヘルム・ミュラー読本──「冬の旅」 …
音楽体験 【深読み考察】シューベルト『冬の旅』生きにくさを抱えて生きる若者の孤独と疎外感 2025/12/07(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ フランツ・シューベルト『冬の旅』鑑賞。 バリトンは、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ。 ピアノは、ジェラルド・ムーア。 …
音楽体験 ブルース・スプリングスティーン「ボーン・トゥ・ラン」自分とは何か?を探し続ける求道者の物語 2025/11/09(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ ブルース・スプリングスティーン『ボーン・トゥ・ラン』読了。 本作『ボーン・トゥ・ラン』は、2016年(平成28年)9月に早川書房から刊 …
音楽体験 村治佳織『エターナル・ファンタジー』ゲーム音楽に恋をしたクラシックギター界のミューズ 2025/10/17(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村治佳織『エターナル・ファンタジー』(初回限定版)購入。 本作『エターナル・ファンタジー』は、2025年(令和7年)10月17日に発売 …
音楽体験 松任谷正隆『僕の音楽キャリア全部話します』ユーミンが時代を越えて愛され続ける理由 2025/10/12(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 松任谷正隆『僕の音楽キャリア全部話します―1971/Takuro Yoshida-2016/Yumi Matsutoya―』読了。 本 …
音楽体験 エコーズ「SOMEONE LIKE YOU」君に似た誰かを忘れて、まったく新しい誰かと出会うために 2025/09/14(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 80年代のバンドブームから、たくさんのロックバンドが登場してきた。 しかし、「寂しさ」を歌うことにかけて、エコーズ以上のバンドは出てこ …
音楽体験 浜田省吾VS渋谷陽一『ロックは語れない』業界への怨念だけで生きてきた「明日なき世代」の挑戦 2025/08/25(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 渋谷陽一『ロックは語れない』に浜田省吾が登場している。 本作『ロックは語れない』は、1986年(昭和61年)5月に新潮文庫から刊行され …
音楽体験 『ハンク・ウィリアムズ物語』伝説のカントリー歌手の死因はアル中だったのか? 2025/08/22(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ ロジャー・ウィリアムズ『ハンク・ウィリアムズ物語』読了。 本作『ハンク・ウィリアムズ物語』は、1975年(昭和50年)6月に音楽之友社 …
生活体験 北海道のツルツル凍結路面で滑って転ばない「最強の冬靴」とは何か? 2025/12/26(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 北海道の冬を過ごす上で、冬靴選びは極めて重要な問題である。 近年は優れたスノーブーツの開発が進んでいるし、海外ブランドの入手も容易とな …
生活体験 札幌市民のための「2026年(令和8年)初売り情報」各商業施設の年末年始の営業時間も 2025/12/24(水) 懐新堂主人 文化系スノッブ 札幌市内の商業施設の初売り情報をまとめてみました。 新春セールや福袋など、初売りは札幌市民にも大注目のイベントです。 ただし、最 …
生活体験 札幌市民が見た『Fate/Grand Order』10周年記念広告企画『OVER THE SAME SKY』 2025/11/03(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 10月26日(日)の『北海道新聞』に「Fate/Grand Order(FGO)」の全面広告が掲載されていた。 pakoによる「近藤勇 …
生活体験 【聖地巡礼】村上春樹が愛したビールの街『羊をめぐる冒険』と『ダンス・ダンス・ダンス』の札幌を歩く 2025/10/24(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村上春樹は、札幌の街が好きだったのかもしれない。 初期の名作『羊をめぐる冒険』や『ダンス・ダンス・ダンス』では、(東京などと並んで)札 …
生活体験 創刊75年記念『夏の岩波少年文庫フェア2025』特製アクリルキーホルダーが届いた 2025/10/17(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 創刊75年記念『夏の岩波少年文庫フェア2025』応募者全員プレゼントの「特製アクリルキーホルダー」が届いた。 昨年のケストナーに続き、 …
生活体験 佐々木ルリ子『レトロなつかしダイアリー』インスタ感覚でちょっと懐かしいモノを紹介! 2025/10/07(火) 懐新堂主人 文化系スノッブ 佐々木ルリ子『レトロなつかしダイアリー』読了。 本作『レトロなつかしダイアリー』は、2005年(平成17年)12月に河出書房新社から刊 …
生活体験 札幌市民の風物詩─3月と10月はJRタワーの「ゴバポ」でスクエアカードのポイント5倍 2025/09/27(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 札幌JRタワーの「ゴバポ」は、3月と10月に開催される。 「ゴバポ」とは、「JRタワースクエアカード5倍ポイントセール」の略称で、「J …
生活体験 明治・大正・昭和のおはじきコレクション~小さなガラスが物語る少女文化の歴史 2025/09/20(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 子どもの駄玩具である「おはじき」も、古いものはコレクターズ・アイテムとなっている。 市場価値が高いのは、明治中期のガラス製おはじき。 …
生活体験 竹山実「そうだ! 建築をやろう」札幌創成川通りの実家でモダン建築散歩 2025/09/14(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 竹山実「そうだ! 建築をやろう」読了。 本作「そうだ! 建築をやろう」は、2003年(平成15年)11月に彰国社から刊行された自叙伝で …
生活体験 『ほっかいどう語─その発生と変遷─』上級者向け「北海道弁」の使い方 2025/09/13(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 北海道新聞社『ほっかいどう語─その発生と変遷─』読了。 本作『ほっかいどう語─その発生と変遷─』は、1970年(昭和45年)6月に北海 …