読書体験 小沼丹「井伏さんの将棋」小沼文学のエッセンスのような極上の文芸随想集 2025/03/22(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 小沼丹「井伏さんの将棋」読了。 本作「井伏さんの将棋」は、2018年(平成30年)12月に幻戯書房(銀河叢書)から刊行された随筆集であ …
生活体験 BRUTUS「切手デザインをなめんなよ!」と木下綾乃『切手な北古賀』で語る2000年代の切手ブーム 2025/03/21(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ 『BRUTUS(ブルータス)』2003年(平成15年)12月1号の特集は「切手デザインをなめんなよ!(切手は、アート&デザインの教科書だ!) …
読書体験 渡辺水巴「妹」生涯を俳人の兄に尽くした妹(渡辺つゆ女)の俳句を読む 2025/03/21(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ 渡辺水巴「妹」読了。 本作「妹」は、1948年(昭和23年)2月に青磁社から刊行された俳句随想集である。 作者(渡辺水巴)は、1 …
読書体験 【深読み考察】村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』混沌とした時代の社会不安と向き合って生きる 2025/03/20(木) 懐究堂主人 文化系スノッブ 村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』読了。 本作『神の子どもたちはみな踊る』は、2000年(平成12年)2月に新潮社から刊行された短篇 …
読書体験 「『ライ麦畑でつかまえて』をつかまえた」伝説の作家サリンジャーが残したメッセージ 2025/03/16(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 1980年(昭和55年)12月8日、ジョン・レノンが射殺された。 犯人(マーク・ディヴィッド・チャップマン)は、『ライ麦畑でつかまえて …
読書体験 井伏鱒二『集金旅行』日常世界から少しだけ離れた物語世界にある「心の安らぎ」 2025/03/16(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 井伏鱒二『集金旅行』読了。 本作『集金旅行』は、1957年(昭和32年)10月に新潮文庫から刊行された短篇小説集である(文庫オリジナル …
映画体験 映画『リバー・ランズ・スルー・イット』と90年代のフライフィッシング・ブーム 2025/03/15(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 1993年(平成5年)9月、映画『リバー・ランズ・スルー・イット』が大ヒットした。 翌年の夏から、日本には空前のフライフィッシング・ブ …
読書体験 吉屋信子「底のぬけた柄杓─憂愁の俳人たち」人生の影の中に生まれた俳句の魅力 2025/03/15(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 吉屋信子「底のぬけた柄杓─憂愁の俳人たち」読了。 本作「底のぬけた柄杓─憂愁の俳人たち」は、1964年(昭和39年)に新潮社から刊行さ …
読書体験 福原麟太郎「野方閑居の記」英文学者の随筆に学ぶ<愚直に生きる>ということ 2025/03/09(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 福原麟太郎「野方閑居の記(福原麟太郎自選随想集)」読了。 本作「野方閑居の記(福原麟太郎自選随想集)」は、1964年(昭和39年)11 …
読書体験 ロバート・リンド「髭剃りの教訓」どんな髭剃りにも哲学はある 2025/03/09(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ ロバート・リンド「髭剃りの教訓」読了。 本作「髭剃りの教訓」は、1933年(昭和8年)にイギリスで発表されたエッセイである。 原 …
読書体験 岩井恭平「サマーウォーズ」デジタル社会の潜在的な脅威に勝つのはアナログな家族の絆だった 2025/07/19(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 岩井恭平「サマーウォーズ」読了。 本作「サマーウォーズ」は、2009年(平成21年)7月に刊行された長篇小説である。 細田守・原 …
読書体験 重松静馬『重松日記』から井伏鱒二『黒い雨』盗作疑惑騒動を考察する 2025/07/17(木) 懐究堂主人 文化系スノッブ 井伏鱒二の名作『黒い雨』は、かつて、盗作疑惑に揺れたことがある。 今年は原爆投下から80年。 井伏鱒二の故郷にあるふくやま文学館 …
読書体験 喜多嶋隆『夏物語』忙しすぎる日常を忘れるための80年代ショート・ストーリー 2025/07/13(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 喜多嶋隆『夏物語』読了。 本作『夏物語』は、1989年(平成元年)9月に角川文庫から刊行された短篇小説集である。 この年、著者は …
読書体験 井伏鱒二「黒い雨」洗っても落ちない汚れは永遠に癒えることのない戦争の傷痕の象徴である 2025/07/12(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 井伏鱒二「黒い雨」読了。 本作「黒い雨」は、1966年(昭和41年)10月に新潮社から刊行された長篇小説である。 この年、著者は …
読書体験 カポーティ『草の竪琴』少年時代のイノセント・ストーリーとミステリアスな短篇小説 2025/07/05(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ トルーマン・カポーティ『草の竪琴』読了。 本作『草の竪琴』は、2025年(令和7年)6月に新潮社から刊行された作品集である。 こ …
読書体験 『俳人が見た太平洋戦争』厭戦も反戦も戦意高揚も十七文字に詠む 2025/07/01(火) 懐究堂主人 文化系スノッブ 『俳人が見た太平洋戦争』読了。 本作『俳人が見た太平洋戦争』は、2003年(平成15年)8月に北溟社から刊行されたルポルタージュである …
読書体験 グリシャム「グレート・ギャツビーを追え」盗まれた直筆原稿とアラサー女子の自分探し 2025/06/30(月) 懐究堂主人 文化系スノッブ ジョン・グリシャム『「グレート・ギャツビー」を追え』読了。 本作『「グレート・ギャツビー」を追え』は、2017年(平成29年)に発表さ …
読書体験 小川高義・訳『グレート・ギャッツビー』光文社古典新訳文庫で読むフィッツジェラルドの名作 2025/06/29(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ F・スコット・フィッツジェラルド「グレート・ギャッツビー」読了。 本作「グレート・ギャッツビー」は、1925年(大正14年)4月に出版 …
読書体験 矢口史靖「スウィングガールズ」スウィングすることとは、生きることである 2025/06/21(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 矢口史靖「スウィングガールズ」読了。 本作「スウィングガールズ」は、2004年(平成16年)9月にメディアファクトリーから刊行された長 …
読書体験 石坂洋次郎「あいつと私」戦後日本の青春時代をリアルタイムで描いた青春小説 2025/06/21(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 石坂洋次郎「あいつと私」読了。 本作「あいつと私」は、1961年(昭和36年)5月に新潮社から刊行された長篇小説である。 この年 …
音楽体験 『東京エイティーズ』大学時代の元カノを引きずって生きるアラサー男子の自分探し 2025/07/16(水) 懐究堂主人 文化系スノッブ 『東京エイティーズ』は、80年代カルチャーを背景とした青春物語である。 特に、重要な要素と言えるのが、80年代前半のディスコ・ナンバー …
音楽体験 ザ・タイマーズ『LONG TIME AGO』80年目の原子爆弾ブルース 2025/07/14(月) 懐究堂主人 文化系スノッブ ザ・タイマーズの『LONG TIME AGO』は「原子爆弾ブルース」である。 そして、同時に、それは「原子力発電所ブルース」でもあった …
音楽体験 北海道の盆踊り大会は『子供盆おどり歌』に始まり『北海盆唄』に終わる 2025/07/13(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 北海道には、大きく二つの盆踊り歌がある。 大人用の『北海盆唄』と、子ども用の『子供盆おどり歌』である。 盆踊り歌の誕生には、北海 …
音楽体験 寺尾聰『Re-Cool Reflections』石原プロを勘当された80年代シティ・ポップ界の絶対王者が復活 2025/07/11(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ 寺尾聰は、80年代シティ・ポップ界の絶対王者だ。 大ヒット曲「ルビーの指環」は、ザ・ベストテンで最多連続記録を樹立(12週連続1位)。 …
音楽体験 石原裕次郎「わが人生に悔いなし/北の旅人」肝臓がんとの闘病生活とハワイのレコーディング 2025/06/22(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 石原裕次郎が亡くなったとき、追悼盤と銘打ったシングルレコードが発売された。 1987年(昭和62年)8月のことである。 曲名は「 …
音楽体験 浜田省吾『PROMISED LAND』私立探偵スペンサーやサリンジャーとの関係を読み解く 2025/06/10(火) 懐究堂主人 文化系スノッブ 浜田省吾の名盤『PROMISED LAND 〜約束の地』(1982)は、アメリカ文学の影響を感じさせる。 『約束の地』というアルバムタ …
音楽体験 初夏の北大祭で「ブルーグラス・ミュージックとは何か?」を研究する 2025/06/08(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 北大祭は、北海道大学の学園祭である。 大学の学園祭なのに、札幌市民への定着度はすごい。 「ライラックまつり」「北大祭」「札幌まつ …
音楽体験 さっぽろライラックまつりの季節だからライラックを歌った札幌の歌を歌おう 2025/05/15(木) 懐究堂主人 文化系スノッブ 札幌は「ご当地ソング」の多い街である。 ご当地ソングとは、地域の風物詩を盛り込んで旅情を演出する歌のことで、昭和時代の歌謡曲に多く見ら …
音楽体験 『ボニータ! ボサノヴァ』カフェから始まったボサノヴァ・ブームの時代 2025/05/11(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 2000年代の日本で、ちょっとしたボサノヴァ・ブームがあった。 震源地は、オシャレなカフェだったような気がする。 1990年代か …
音楽体験 「カレッジ・フォーク」から「カレッジ・ポップス」へ~日本カレッジ・フォークの歴史 2025/04/05(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ カレッジ・フォークとは何か? 僕のカレッジ・フォークの歴史探索は、そんな素朴な疑問から始まった。 それは、カレッジ・フォークが、 …
生活体験 都会の夏を快適に過ごす「ビルケンシュトック」のサンダル・ライフ 2025/07/09(水) 懐究堂主人 文化系スノッブ 街履きできるサンダルなら、ビルケンシュトックの「アリゾナ」がいい。 理由は、長時間歩き続けても疲れないから。 とことん日常履きで …
生活体験 ジムニー 1300 シエラ『新型エルク』が活躍した1990年代のRVブームを振り返る 2025/07/07(月) 懐究堂主人 文化系スノッブ 1990年代は、RVブームの時代だった。 ジムニー・シエラの限定車「エルク」が発売されたのも、そんなRVブームの時代である。 エ …
生活体験 年間300冊読む読書家が毎日愛用している最強の読書グッズ「三種の神器」 2025/06/14(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 読書好きにとって、読書は趣味ではない。 食べることや眠ることと同じように、読書とは生きることなのだ。 快適な読書ライフを過ごすた …
生活体験 『クウネル(vol.39)』函館の食文化──朝いかの行商といか刺しの朝食 2025/06/13(金) 懐究堂主人 文化系スノッブ スルメイカ(真いか)は、函館の夏の風物詩だ。 「函館の朝は、いか刺しから始まる」とまで言われた時代。 そんな食文化も、今や昔のも …
生活体験 「神薬」のガラス瓶コレクション──群青色の小さな壜に失われた時代がある 2025/06/12(木) 懐究堂主人 文化系スノッブ 庄司太一の『びんだま飛ばそ』(1997)が出たころ、古いガラス瓶を集めるのが、ちょっとしたブームになった。 ガラス瓶と言っても、一升瓶 …
生活体験 円山で発見したオールド東陶のカップ&ソーサは札幌グランドホテル開業当時の食器か? 2025/06/08(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ ヴィンテージのカップ&ソーサといえば、オールド・ノリタケ(日本陶器)が超有名だが、モダンなデザインに関しては東洋陶器も負けていない。 …
生活体験 森田たま生誕地の文学碑と大正モダンな洋館「土屋邸」と玉翠園の「雪萌えパフェ」 2025/06/07(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 2025年(令和7年)3月、中公文庫から、森田たまの『随筆 ふるさとの味』が刊行された。 森田たまは、札幌出身の女流作家である。 …
生活体験 ファイヤーキングのマグカップ「スタアバックス珈琲」昭和レトロとアメリカ文化との融合 2025/06/07(土) 懐究堂主人 文化系スノッブ 多くのコレクターがいることで知られる「Fire-King」(ファイヤーキング)の生産がアメリカで終了したのは、1986年(昭和61年)のこと …
生活体験 「さっぽろライラックまつり」は、地元・札幌の文化人たちの酒盛りから始まった 2025/05/18(日) 懐究堂主人 文化系スノッブ 1959年(昭和34年)に始まった「さっぽろライラックまつり」も、今年(2025年)で66年目を迎える。 現在では、すっかりと観光化さ …
生活体験 沼田元気「一杯の珈琲を飲むためだけに行きたくなる札幌・小樽カフェ喫茶店案内」で振り返る2000年代の札幌カフェ事情 2025/04/28(月) 懐究堂主人 文化系スノッブ 札幌のカフェガイドは数多いが、「ここではない別の場所に行きたい人の為のガイドブック」として登場したのが、沼田元気『一杯の珈琲を飲むためだけに …