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SION「抱きしめて」泣きたいくらいに切ない!福山雅治も崇拝する90年代大人ロックの名盤

SIONの5年ぶりのニューアルバム『I like this, too』が発売中です。

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若い頃から応援しているベテランのミュージシャンが頑張っているのを見ると、本当に励みになりますね。

今回は、SIONが35歳のときに発表されたアルバム『抱きしめて』をご紹介したいと思います。

キャリアの長いSIONの中でも、間違いなく外さない名盤ですよ。

SIONは福山雅治の師匠みたいなミュージシャン

SIONは、山口県出身のシンガーソングライターです。

1960年(昭和35年)生まれで、音楽活動は1985年(昭和60年)から続いています。

1995年のSION。31歳だった。1995年のSION。31歳だった。

デビューアルバムのライナーノーツを書いたのは友部正人で、2枚目のシングル曲は、泉谷しげるの代表曲「春夏秋冬」のカバーと、初期のSIONは1970年代フォークの影響が色濃いミュージシャンでした。

当時のSIONは、ヴィジュアル的にはストリート系のパンクロッカーで、酔っぱらいながら歌う酔いどれブルースシンガーでもあります。

とにかく、何にそんなに苛立っているんだ?と思えるくらいに、ギンギンに尖りまくっていて、『俺の声』『風来坊』『街は今日も雨さ』などの名曲で、多くのファンを獲得しました。

1990年代に入ると、尖った歌を大きな声で怒鳴るように歌うスタイルから、優しい歌を語りかけるように歌うスタイルへと変化していきます。

80年代のSIONが好きだった管理人は、この変化にちょっと「?」だったんですが、大人になるほどに90年代SIONの良さが理解できるようになりました。

1995年に発表されたアルバム『抱きしめて』1995年に発表されたアルバム『抱きしめて』

特別なヒット曲もなく、一般的には地味な活動を続けているSIONですが、音楽業界にはSIONを崇拝する人たちも少なくなく、福山雅治もSIONの『SORRY BABY』をカバーしています(『IT’S ONLY LOVE』カップリング)。

また、2005年には、福山雅治とのコレボレーションによるシングル『たまには自分を褒めてやろう』も発表。

ミュージシャンズ・ミュージシャンとも言えるミュージシャン、それがSIONなんですね。

10枚目のアルバム『抱きしめて』を徹底解説

さて、そんなSIONが1995年11月に発表した10枚目のアルバムが『抱きしめて』です。

収録曲は全10曲で、『よう よう』がシングルカットされています(アルバムと同時発売)。

SION『抱きしめて』SION『抱きしめて』

昔みたいにハードロックなサウンドではないけれど、自分の中にある熱いものを伝えたい、そんなSIONの魂みたいな珠玉の名曲が並んでいます。

決して派手ではないものの、捨て曲なしの、まさしく名盤と呼ぶにふさわしいアルバムだと思います。

1曲目『悲しいのは』は、満たされない日々を歌ったスローロック。

「♪ジングルベルになじめない、はしゃぐクリスマスたちみたいだ~」のように、文学的な表現がSIONの魅力です。

2曲目『抱きしめて』は、アルバムタイトル曲のスローバラード。

「♪答えは出てるのに、この手を離せずに~」二人は逃げるように笑って、逃げるように抱き合っている。

この切なさを理解できるようになったとき、僕は90年代SIONの本当の魅力を理解できたような気がします。

3曲目『カラカラ天気』はSIONらしい怒りモードのロックンロール。

♪あのアホヅラのあんたに、ほんとは褒められたいのさ~」とか、業界に嫌いな人でもいたんでしょうか(笑)

大好きです、こういう曲。

4曲目『よう よう』はシングルカットされた作品。

♪いかしたヤツを聞かしておくれよ、チャラチャラしたのはもうけっこう~」と、腑抜けた音楽シーンに対する不満を歌った名曲です。

おとなしいサウンドなのに、まるでハードロックのように聞こえるのは、SIONが叫ぶように歌っているからでしょうか。

5曲目『金魚』は、ささやくように歌うフォークスタイル。

♪みんなさみしいから、忘れられたら死ぬんだね~」と、人生のはかなさを静かに歌い上げています。

6曲目『どっかに行きたくなったら』は、このアルバムの中でも一推しの名曲です。

『どっかに行きたくなったら』は、このアルバムの中でも一推しの名曲『どっかに行きたくなったら』は、このアルバムの中でも一推しの名曲

SIONのすべての曲の中でも、必ずベスト10に残るくらいに大好きな曲です。

当時、昔ほどは聴かなくなっていた90年代SIONでしたが、この一曲で、再びSIONの魅力にハマりました。

むしろ、この曲で、新たにSIONのファンになったというか。

どっかに行きたくなったら 止めやしないけど
お前が行きたくなったら 止めやしないけど
俺が行きかけた時は 一回だけ 止めてくれ

ささやかだけれど平穏な暮らしの中で感じる幸せ。

これぞ、SIONの真髄ではないでしょうか。

7曲目『赤んぼからじいちゃんまで』は、隣の犬を歌いながら、人生を歌った曲です。

8曲目『ボロ列車』は、このアルバム最大の見せ場とも言える壮大なロックンロール。

今夜動き出せ ボロ列車
古いのは走りすぎたせいじゃない
速さだけじゃない走りをみせてやれ

自分を「ボロ列車」に例えるあたり、いかにもSIONらしいですね。

このアルバム全体、サウンドを抑え気味にしているのですが、ライブで大音量で聴きたい曲です。

「速さだけじゃない走り」って、この抑え気味のサウンドのことなのかなと、ちょっと思いました。

大音量とか派手なアレンジとかでごまかさない、SIONの本気が感じられます。

アルバム『抱きしめて』は捨て曲なしの名盤だアルバム『抱きしめて』は捨て曲なしの名盤だ

9曲目『30年』は、アコースティックギター弾き語りのフォークソング。

レコーディングでニューヨークに行った際、飛行機で隣の席に座っていたおじさんの話をもとにしたと言われています。

普通の庶民の人生を歌ったSIONらしい名曲です。

最後10曲目『帰り道』もSIONらしい作品です。

いつか晴れるさ
でなきゃ困るから
きっと晴れるさ
何度も言い聞かせて

きっとSIONは、自分自身に何度も何度も「いつか晴れるさ」と言い聞かせてきたんでしょうね。

そして、きっと今も。

決して派手ではないけれど、心の奥深くにまで沁み込んでくる名曲の数々。

人生に疲れたと感じたときにおすすめですよ。

まとめ

ということで、以上、今回は、SIONのアルバム『抱きしめて』をご紹介しました。

常に「本当」だけを歌い続けてきたSIONの90年代の名盤。

ぜひ、みなさんも聴いてみてくださいね。

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kels
ちょっと懐かしい本や雑誌、CDの感想を書いています。好きな言葉は「広く浅く」。ブックオフが憩いの場所です。