デジタルハリネズミ2(トリプルプラス)を持って、街に出た。
懐かしいトイデジで撮る街は、どこか懐かしい感じがした。
110トイカメラの進化系「デジタルハリネズミ」
久しぶりに「デジタルハリネズミ」を触ってみた。
入ったままのmicroSDカードには、2016年(平成28年)に撮影したと思われる古い画像データが残っている。
ちょうど8年前に使ったまま、机の中で忘れられていたらしい。
「デジタルハリネズミ」は、2009年(平成21年)、当時人気のあったフィルム式トイカメラ「イキモノシリーズ」のうち「ハリネズミ」のデジタル版として開発された。
日本のトイカメラ文化を牽引し続けているパワーショベルが、4年もの構想を経てリリースする大注目のトイデジがこの「デジタルハリネズミ」。トイカメラ好きならピンと来るかもしれません。そう、110フィルムを使う大ヒットトイカメラ「ハリネズミ」のデジタル版なのです。(SANP!別冊「トイデジ ラヴァーズ」)
110トイカメラの画角を再現したデジタルハリネズミは、ビジュアルも110フィルムをモチーフにするなど、110フィルムに対するリスペクトがすごい。
ちなみに、普通のカメラに使うフィルムが「35mmフィルム」で、ポケットカメラに使うフィルムが「110フィルム」。
サイズの小さな110カメラで写真を撮っていると、スパイごっこをしているような気分を楽しめる。
シャッター速度のレスポンスの速さは素晴らしいですし、メニューが少ない分、操作性も高いです。シャドー部が赤青くなるのも特徴的で、今後トイデジの中心的カメラになるのは間違いないでしょう。(SANP!別冊「トイデジ ラヴァーズ」)
普通のトイデジが、5,000円以下で入手できるところ、デジタルハリネズミは、15,000円の価格で登場した。
つまり、デジタルハリネズミは、単なるトイデジではなく、トイデジ的なデジタルカメラとしてデビューしたのだ。
さすがトイカメラを数多く出掛けてきたメーカーだけあり、クロスプロセスのような予期しない色の転び方が楽しめます。階調が狭いため、コントラストが高くハイライト部分が色飛びし、シャドウ部は潰れます。(略)特に青に転ぶこと、赤に転ぶことの2パターンが顕著なようで、光とシャドウの状態によってどちらかに転びます。(「SNAP! VOL.6」)
1万5千円のデジタルハリネズミは、アートなデジタルツールとして、感度の高い人たちの間で大ヒットした。
ファッション・デザイナーのアニエス・ベーは、自身のブランド・コレクションのコンセプト・ブックに、デジタルハリネズミで撮影した写真を使用するほど、このトイデジを愛用したという。
クリエイターのマストアイテムとなったデジタルハリネズミだったが、液晶モニターの生産中止に伴い、惜しくも発売終了となった。
我が家にあるのは、「初代デジタルハリネズミ」と「デジタルハリネズミ2 トリプルプラス」の2台で、「トリプルプラス」は、10種類のカラーモードを搭載した高機能トイデジだ。
トリプルには10種類のカラーモードがあり、超ハイコントラストのモノクロから、過激な発色の「Vivid_2」などが楽しめる。動画も往年の8mmフィルムカメラのような質感で撮影できる。(鈴木文彦「らくらくカメラ大図鑑」)
それでは、8年前の画像データを引用しつつ、デジタルハリネズミで撮影した写真を見てみよう。
デジタルハリネズミで撮影した画像データは、microSDカードに記録されるので、カードリーダーを使ってノートパソコンと接続した上、iCloud.comでデータを保存すると、iPhoneと写真を共有することができる。
デジタルハリネズミと晩秋の札幌を歩く
デジタルハリネズミを持つと、とりあえず、朝焼けの写真を撮りたくなる。
この写真を撮るためだけに、デジタルハリネズミを買った人も多いはず(本当だろうか)。
大通公園にある遊具のうち、不気味なアヒルはポケストップにもなっている。
ヴィンテージ・モードは、しっとりとした晩秋の雰囲気にぴったり。
デジタルハリネズミはサイズが小さいので、いつでもポケットに入れて持ち歩くことができる。
街を散歩しながら、何気なくストリート・スナップを撮るのもいい。
コントラストが強いので、微妙な階調は潰れてしまうのも、デジハリ(デジタルハリネズミの略称)の特徴。
札幌の街は、どこもハロウィン色に彩られている。
隠れ家カフェ「ミンガスコーヒー」の店内。
デジハリの感度は「ISO100」と「ISO800」の2種類なので、室内での撮影も怖くない(ISO800を指定)。
我ながら、8年前から行動範囲が変わっていないところがすごい(おそらく15年以上変わっていないと思われる)。
雨の夜の風景を、自動車の中から撮影したもの。
デジタルハリネズミなら、幻想的でかっこいい写真を簡単に撮ることができる。
この頃は、まだ、スタバのクリスマス・グッズを買っていたらしい(毎度、爆買いしていた)。
最近は、タリーズの紅茶屋さん(アンドティー)へ行くことが多くなったが。
8年ぶりにデジタルハリネズミを使って写真を撮ってみた感想は、トイデジは、やっぱり楽しいということ。
iPhoneで撮る美しい写真は記録用として必要だけれど、曖昧な記憶のような画質のデジタルハリネズミの写真は、リアルな現在さえも懐かしく記録してくれる。
小さくて軽いから、いつでも持ち歩くことができるのもいい。
チープだけれどアーティスティックな気持ちも満たされる(たとえ自己満足だとしても)。
そして、思いがけず発見した「8年前の写真の懐かしさ」も忘れてはいけない。
古いデジカメ写真の楽しさが、そこにはある。
最近はiPhoneばかりで、カメラを持ち歩く機会も減ってしまったけれど、カメラで撮った写真はやっぱりいい。
ちょうど芸術の秋だし、懐かしのデジタルカメラを、もっと復活させてみよう。