旅行体験

北13条いちょう並木「北大金葉祭」からの北大建築散歩│2024・秋

北13条いちょう並木「北大金葉祭」からの北大建築散歩│2024・秋

北海道大学の構内で「北大金葉祭」が開催されている。

銀杏並木の黄葉見物に合わせて、古い建物を観て歩いた。

北13条いちょう並木の北大金葉祭

「北大金葉祭」は、10月26日(土)・27日(金)の二日間開催。

比較的新しいイベントだが、既に今年で13回目となるらしい。

クライマックスは、銀杏並木のライトアップで、18時から21時まで(最終日の日曜日は20時まで)。

昨年は、ライトアップのカウントダウンに合わせて出かけたが、今年は天気も良かったので、青空の銀杏並木を歩こうと、午前中のうちから出かけた。

観光客で賑わう北大構内の「北13条いちょう並木」観光客で賑わう北大構内の「北13条いちょう並木」

観光スポットでもある「北13条いちょう並木」は、たくさんの観光客で賑わっている。

銀杏の黄葉はほぼ見頃で、来週からは散り始めるかもしれない(散り時も秋らしくていいが)。

見頃を迎えている北大の銀杏並木見頃を迎えている北大の銀杏並木

北大金葉祭では、ライトアップ以外のイベントも多い(というか、本来のイベントは昼間がメインである)。

子ども縁日屋台とか飲食屋台とか、秋空の下で食べ物を味わうこともできる。

今日のように秋晴れの爽やかな日であれば、屋外での飲食も楽しいだろう。

「いちょうのしおり」は、お土産にもおすすめ「いちょうのしおり」は、お土産にもおすすめ

さすがに大学のイベントなので、「みんなでつくる芸術の秋」とか「いちょうのしおり」とか、文化的なイベントも多い。

一般に、札幌市主催のイベントは文化度が低いので、大学関係のイベントは新鮮(大通公園のイベントは、とにかく商業度が高い)。

ちょっと参加したかったけど、子どもたちと一緒に並ぶのがためらわれた(笑)

ステージには医学部軽音楽部のバンドが登場ステージには医学部軽音楽部のバンドが登場

ストリートピアノや野外ステージもある。

ステージには、北大医学部軽音楽部のバンドや北大ブルーグラス研究会などが登場。

北大金葉祭のマスコットキャラクター「こんちゃん」と記念撮影北大金葉祭のマスコットキャラクター「こんちゃん」と記念撮影

北大金葉祭のマスコットキャラクター「こんちゃん」は、いちょうの妖精。

こんちゃんとの記念撮影は、家族連れに大人気だった。

観光客の合間を縫うようにして、北13条いちょう並木を抜けた後は、ゆっくりと北大構内を歩く。

他にはないコンビニ「セイコーマート 北海道大学店」他にはないコンビニ「セイコーマート 北海道大学店」

観光客にも有名な「セイコーマート 北海道大学店」。

ガラス張りの外観がオシャレで、二階テラス席で自由に寛ぐこともできる。

屋内のイートインコーナーも充実していて、カフェスペースとしても有効活用したい(ホットシェフのお弁当も、ここで食べよう)。

「北大どら焼」はじめ、オリジナルのお土産が並ぶ「北大どら焼」はじめ、オリジナルのお土産が並ぶ

北海道らしいお土産も充実。

「北大ドラ焼」やルピシアとコラボした「北海道大学オリジナルティー」など、北大オリジナルの商品も多い。

北大探訪のお土産は、セコマで揃えることができるだろう。

歴史的建造物が多い北大建築散歩

「人工雪誕生の地」の記念碑「人工雪誕生の地」の記念碑

北大総合博物館(旧理学部)北側に「人工雪誕生の地」の記念碑がある。

常時低温研究室の中谷宇吉郎博士が、世界で初めて人工雪結晶の成長に成功したのは、1936年(昭和11年)3月12日のこと。

記念碑は、角板型雪結晶を形どった六角形となっている。

北海道大学総合博物館(旧理学部)北海道大学総合博物館(旧理学部)

子どもたちにも人気の「北海道大学総合博物館」は、1929年(昭和4年)建築の旧理学部本館を転用したもの。

連続するアーチ窓に象徴されるロマネスク様式のデザインが印象的な建物だ。

設計者の北大営繕課長・萩原惇正は関西商工学部建築家出身で、昭和初期の鉄筋コンクリート造校舎を手がけた。(角幸博「札幌の建築探訪」)

ちなみに、北菓楼札幌本館(旧北海道庁立図書館)も、萩原惇正の仕事だった(1923年建築)。

北大物理学科2年生の絶対零子さん北大物理学科2年生の絶対零子さん

北大物理学科2年生の絶対零子さんは、理学部物理学科の公式キャラクター。

北海道大学総合博物館ミュージアムショップ「ぽとろ」北海道大学総合博物館ミュージアムショップ「ぽとろ」

北海道大学総合博物館ミュージアムショップ「ぽとろ」は、かなり充実している。

理科オタクだったら、何時間でも過ごせるかもしれない。

ここでしか買うことのできない北大アイテムも見つかるだろう。

昭和初期に建てられた北大農学部本館昭和初期に建てられた北大農学部本館

同じく、萩原惇正の設計による北海道大学農学部本館(1935年建築)。

1936年(昭和11年)に行われた陸軍特別大演習の際は、昭和天皇も滞在した。

水平線を強調するデザインは、いかにも昭和モダンでクール。

ワイン教育研究センターになった旧昆虫学及養蚕学教室ワイン教育研究センターになった旧昆虫学及養蚕学教室

旧昆虫学及養蚕学教室(1901年建築)は、なぜか、ワイン教育研究センターに転用されている(2023年から)。

北大構内でも貴重な、札幌農学校時代の歴史的建造物だ。

北海道大学図書刊行会として利用されている旧札幌農学校図書館書庫北海道大学図書刊行会として利用されている旧札幌農学校図書館書庫

1902年(明治35年)建築の旧札幌農学校図書館書庫は、北海道大学図書刊行会として利用されている。

設計は旧昆虫学及養蚕学教室と同じく、文部省技師の中條精一郎だが、旧昆虫学及養蚕学教室に比べて、傷みが目立つようになってきている。

明治42年に建てられた古河記念講堂明治42年に建てられた古河記念講堂

北海道大学古河記念講堂は、1909年(明治42年)、古河財閥の寄付金によって建てられた。

当時、古河財閥は、足尾鉱山鉱毒事件(田中正造で有名)によるイメージダウンが著しく、社会的信用の回復に一生懸命だったらしい。

北海道大学中央ローンのサクシュコトニ川北海道大学中央ローンのサクシュコトニ川

北大構内のクラーク像の東に広がる中央ローン(芝生)を流れる小川は、かってのサクシュコトニ川の跡となっている(昭和初期までは鮭が遡上したとか)。

この川の跡は、工学部南側「大野池」、ポプラ並木、北の遺跡保存庭園通りを通った後、武蔵女子短大付近で琴似川に合流しているらしい。

2020年(令和2年)、北大構内のサクシュコトニ川で、サクラマスの遡上が確認された。

北海道大学のクラーク像北海道大学のクラーク像

観光客が記念写真を撮っているのは、「ウィリアム.S.クラーク胸像」。

1926年(昭和元年)、創基50周年事業として建立され、太平洋戦争時の金属供出により一時期失われたが(銅像だったので)、終戦直後の1948年(昭和23年)に再建された。

羊が丘にある有名なクラーク像とは別物なので、旅行の際は注意が必要。

北13条のいちょう並木に戻ってきた北13条のいちょう並木に戻ってきた

クラーク像から北上して、再び北13条通りの銀杏並木へ。

お昼近くになって、観光客もますます多くなってきたらしい。

観光スポットとして人気の北13条いちょう並木観光スポットとして人気の北13条いちょう並木

北大の銀杏並木は、ここから一週間が見ごろ。

ピークは例年、11月3日(月・祝)の文化の日あたりなので、もうしばらくは、金色の銀杏並木を楽しむことができそうだ。

北大周辺には古書店が多いので、北海道大学は、お気に入りの散策コースにもなっている。

雪が積もるまで、あと少し、秋の札幌を堪能しよう。

ABOUT ME
みづほ
バブル世代の文化系ビジネスマン。札幌を拠点に、チープ&レトロなカルチャーライフを満喫しています。