朝井リョウさんの最新作『イン・ザ・メガチャーチ』。
推し活、ファンダム経済、そして「作られた物語」を信じることの危うさを描いたこの衝撃作を読み終えた後、言いようのない圧倒感に包まれている方も多いのではないでしょうか。
「あの結末の真意は?」
「なぜこのテーマだったのか?」
そんな疑問を解き明かすヒントは、作者(朝井リョウさん)本人の言葉の中にあります。
現在、YouTubeでは質の高いインタビュー動画が多数公開されていますが、あまりにたくさんありすぎて、どの動画から見るべきか迷いますよね。
途中まで観たところで「続きは有料チャンネルで!」なんて案内されたりとか。
この記事では、全編無料で視聴できる朝井リョウさんのインタビュー動画を、文学考察の視点から厳選してまとめました。
読了後の「答え合わせ」や、さらに深い考察へのガイドとしてご活用ください。
【目的別】インタビュー動画クイック比較表
現在、私がおすすめできるインタビュー動画は、次のとおりです。
今回は『イン・ザ・メガチャーチ』に関する「深掘り度」を採点してみました。
| メディア名 | 深掘り度 | 主なテーマ | おすすめの人 |
| 文藝春秋 | ★★★★★ | 創作秘話・文学的背景 | 作品の核心に触れたい方 |
| CROSS DIG | ★★★★☆ | 創作背景、作家としての姿勢 | 執筆意図を知りたい方 |
| PIVOT | ★★★★☆ | 社会構造・ビジネス視点 | 「推し活」を分析したい方 |
| flier | ★★★★☆ | 読書ガイド・エピソード | 朝井氏の思考を俯瞰したい方 |
| BOOKSTAND | ★★★☆☆ | 作品構想 | でか美ちゃんとの絡みを観たい方 |
各インタビュー動画の解説と見どころ
それでは、各動画のポイントを解説していきましょう。
① 文藝春秋PLUS│物語が人を動かすとき
「文藝春秋PLUS」によるインタビューで、現在公開されている動画の中で、最も見応えがあります
インタビュアーは『文藝春秋PLUS』」初代編集長の村井弦さん。
朝井リョウさんとは同世代で、気心も知れているためか、お互いにリラックスしながらインタビューを勧めています。
朝井リョウが横槍を入れても、粛々と進行を進める村井編集長はさすが(笑)
さすがの文芸誌チャンネル、作品背景に踏みこんだ専門的な話を聞くことができます。
カズオ・イシグロへの言及は「後編」に登場。
ぶっちゃけ、時間のない人は、この動画だけでも十分すぎるほど。
ただし、話が盛り上がりすぎて、前編・後編合わせ1時間たっぷりあります。
ここをチェック!
・ファンダム経済をテーマにした背景
・朝井リョウと推し活、マーケティングの理論(参考文献はなかった?)
・人間を操る「物語」の危険性
② TBS CROSS DIG│朝井リョウと考える「人類と物語」
TBSの人気チャンネル「CROSS DIG」に登場。
インタビュアーは、TBSアナウンサーの篠原梨菜さん。
論点が「人類と物語」で、『イン・ザ・メガチャーチ』の核心に思いきり刺さってきます。
「ファンダム経済は牛皮」という朝井リョウさんの言葉がいいですね。
果たして「餡子」は何だったのか?
それを考えるのが、読書の楽しみということなんでしょうね。
示唆に富んだ発言の多いインタビュー動画です。
ここをチェック!
・ファンダム経済は物語への「入口」だったのか
・朝井リョウが考える集団行動の原理
・社会状況と物語の関係
③ PIVOT│作家とファンダムの関係
「PIVOT」の野嶋紗己子さんによるインタビュー。
『イン・ザ・メガチャーチ』とデビュー作『桐島、部活やめるってよ』との類似性に触れるなど、興味深い話がありました。
ビジネス・経済の視点から、現代社会の「熱狂」を読み解く、約30分の濃厚なインタビューです。
『イン・ザ・メガチャーチ』以外の話が聞けるところもおすすめ。
ここをチェック!
・なぜ壮年男性の孤独が描かれているのか
・人間と依存の関係(ファンダム経済)
・「メガチャーチ」に込められた思い
④ flier│読書体験としての『メガチャーチ』
本の要約サービス「flier(フライヤー)」の公式チャンネルで、松尾美里さんによるインタビューが収録されています。
前編・後編ありますが、『イン・ザ・メガチャーチ』の話は、主に「前編」で視聴することができます。
比較的リラックスした雰囲気で、「後編」では朝井リョウさんの読書観など、貴重な話もあります。
ここをチェック!
・「ファンダム」と「経済」が結びつくことの危機
・資本主義社会における救い
・物語に操られる人々が向かう先とは
⑤ BOOKSTAND.TV│ダンス仲間・でか美ちゃんとの共演
BS12 トゥエルビのトークバラエティ番組「BOOKSTAND.TV」に出演したときの映像。
ナレーターは石田亜佑美さん、朝井リョウさんのほかに、でか美ちゃんと原カントくんが出演しています。
ちなみに、朝井リョウさんとでか美ちゃんとはダンス仲間です(柚木麻子さんも)。
基本トーク番組なので、ただただ楽しく試聴できます。
深掘り度とか関係なく、実はおすすめ。
ここをチェック!
・朝井リョウさんとでか美ちゃんと柚木麻子さんはハロプロ仲間
・『イン・ザ・メガチャーチ』は預言書なのか?
インタビューから見えてくる「3つの考察ポイント」
複数のインタビューを横断して聴くと、朝井さんが本作に込めた「共通のキーワード」が浮かび上がってきます。
| キーワード | ポイント |
| 物語の持つ両面性 | 「救い」にも「罠」にもなり得る「物語」の危険性。本作の最大のテーマ(いわゆる牛皮の中の餡子の部分)。 |
| 大衆扇動と集団心理 | 扇動された個人が集団化したときの危険性。推し活は選挙や戦争などにも通じている。 |
| 信仰心と救い | 同じような救いを求めながら、進む方向性は異なる現代社会。その中で我々はどのように生きていくべきか。 |
執筆背景と作品に込められた作者の思い。
インタビュー動画を観ると『イン・ザ・メガチャーチ』がますますおもしろくなりますよ。
朝井リョウさんの人柄に惹かれて、他の作品も読みたくなること必見です。
まとめ:動画を観てから再読すると、景色が変わる
朝井リョウさんの言葉は、常に現代社会の「孤独」を浮き彫りにします。
孤独から逃れるために、人はどのような形で「救い」を求めていくのか。
インタビュー動画を視聴してから作品を読み返すと、初読時には気づかなかった伏線や、登場人物たちの思いが、より鮮明に見えてくるような気がしました。
皆さんもぜひ、作者のインタビュー動画を観て、『イン・ザ・メガチャーチ』に対する考察を深めてみてくださいね。
※YouTube動画は公開期限が設けられている場合があります。気になる動画は早めの視聴をおすすめします。
次に読んでほしいおすすめ記事
朝井リョウさんのインタビュー動画と合わせておすすめの記事をご紹介します。
朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』考察
朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』について、独自に考察してみました。
深い物語なので、いろいろな解釈があると思いますが、自分なりに感じたことを整理しています。
朝井リョウの絶対に読んでほしい4作品解説
『イン・ザ・メガチャーチ』を読んで、「朝井リョウさんの作品をもっと読みたい」と思った方は、こちらの記事をご覧ください。
初めて朝井リョウを読むという方の参考にもなると思います。
「鉄板の朝井リョウ作品」をまとめてご紹介しています。