音楽

1986オメガトライブ「君は1000%」キラキラした歌詞はバブル文化の象徴

1986オメガトライブ「君は1000%」。

キラキラしたサウンドはバブル・カルチャーの象徴。

甘くて素敵なシティポップは、今なお色褪せていない。

Contents

キラキラした歌詞は解読困難

75年ぶりのハレー彗星が接近し、華やかなバブル景気が幕を開けつつあった1986年(昭和61年)の夏、1986オメガトライブはデビューした。

ファーストシングルは「君は1000%」。

リアルタイムでは、アイドルバンドとしか思われなくて、なかなか理解できなかったけれど、大人になって聴いてみると、実はなかなか悪くない。

これぞまさにシティポップだと思わせてくれるキラキラしたサウンドは、いかにも華やかな時代の幻想的な音楽だ。

そして、シンセサイザーのサウンド以上に幻想的なのが、意味不明の言葉で綴られた解読困難な歌詞である。

君は1000% 欲しいよ素直な瞳で
君が見た夢なら
IF you give me your heart
入江に浮かぶ物語
目を閉じた Endless Summer

(1986オメガトライブ「君は1000%」)

BGMとして聴き流している分には気にならないのに、深く考えだすと眠れなくなってしまう。

それが「君は1000%」という謎のヒットソングだ。

「海辺のヴィラ(コテージみたいやつ)を微笑みだけで夏に変えていく女の子」の存在はともかくとして、「熱い心の波打際」とか「恋のめまいのみほす」とか、至るところに散りばめられたメタファーが、近寄りがたく幻想的な世界を構築している。

「銀の涙は僕に返して」とか「輝くハレイ(ハレー彗星のこと)の雫をその髪に散りばめ」とか、およそ正気とは思われないポエトリーな表現も、思考停止させるに十分な爆発力。

難解。

実に難解。

何回聴いても難解すぎる(これはシャレ)。

サウンド以上に歌詞がキラキラしていて、意味を読み取ることができないくらいに眩しい。

歌全体を通して意味が明確に伝わるのは、「君がいない時間に電話をかけて不在を確認してから、勇気を出して待ち伏せしたところ」くらいだろう(なぜか、ストーカーチックなところだけリアリズム)。

もはや、歌詞の意味を考えさせないくらいに、お花畑なフレーズのオンパレードなんだけど、この謎の言葉の連続パンチも、カルロス・トシキのソフトで舌足らずなボーカルで聴かされると、それなりに甘くて素敵なラブ・ストーリーに聴こえるから不思議だ。

幻想的であるが故に成功したポップソング

はっきり言って、「君は1000%」は幻想的であるが故に成功したポップソングだ。

君は1000% 輝くハレイの雫を
その髪に散りばめ
IF you give me your heart
陽射しも溶けるフォトグラフ
ここだけが Brand-New Summer

(1986オメガトライブ「君は1000%」)

キラキラしたサウンドと意味不明の歌詞と舌足らずなボーカルのコンビネーションとが生み出したバブル時代の名曲。

それが「君は1000%」というシティポップソングなのだ。

レコードを聴くものを惑わせてしまうきらめく歌詞の世界は、数多くの女子大生たちの心をときめかせたはずだ。

だって理解不能なんだから。

ムードだけで女の子を口説けるようになったら、もう上級者だよね。

ちなみに、ブラジルでは、数字の「100」を「セン(cem)」と言うらしい。

で、「100%の女の子」ならぬ「1000%の女の子」が登場したということである。

でも、「君は1000%」っていうキャッチコピーは、そんなに悪くないと思う。

やたら上昇志向で怖いもの知らずだったバブルカルチャーが、そのまま反映されているように感じられるから。

まあ、なんだかんだ言って、この曲を聴くと、あの頃のことが鮮明に思い出されるんだよなあ。

時代を彩った名曲って、そういうことなんじゃないかな。

曲名:君は1000%
歌手:1986オメガトライブ
作詞:有川正沙子
作曲:和泉常寛
編曲:新川博
発売:1986年5月1日

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3代目アコード
バブル世代のビジネスマン。ヤンエグにはなれなかったけどね。