読書体験 【深読み考察】庄野潤三「せきれい」畏友・小沼丹を失った喪失感と亡き友へ送る鎮魂歌 2025/03/02(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 庄野潤三「せきれい」読了。 本作「せきれい」は、1998年(平成10年)4月に文藝春秋から刊行された長篇小説である。 この年、著 …
読書体験 【徹底考察】サリンジャー『大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア─序章─』グラース・サーガを読み解くために 2025/03/01(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ J.D.サリンジャー『大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア─序章─』読了。 本作『大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア─序章─』は …
読書体験 井伏鱒二「珍品堂主人」風に吹かれて生きていく男たちの女と骨董 2025/03/01(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 井伏鱒二「珍品堂主人」読了。 本作「珍品堂主人」は、1959年(昭和34年)10月に中央公論社から刊行された長篇小説である。 こ …
音楽体験 『懐かしの60'sフォーク』村上春樹『ノルウェイの森』の挿入歌はフォークソング 2025/02/24(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村上春樹『ノルウェイの森』を読んで、僕は、古いフォーク・ソングを聴くようになった。 ブラザーズ・フォアやキングストン・トリオやピーター …
読書体験 【深読み考察】村上春樹「TVピープルの逆襲」高度情報社会の中で普通の日常を守ることの難しさ 2025/02/24(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村上春樹「TVピープル」読了。 本作「TVピープル」は、1990年(平成2年)1月に文藝春秋から刊行された作品集『TVピープル』に収録 …
旅行体験 【文学散歩】庄野潤三も愛した老舗の名店「柏又」のうなぎランチと小田原文学散歩 2025/02/23(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 庄野潤三は大の鰻好きだった。 大阪グランドホテル「竹葉亭」のうなぎ会席や、地元「益膳」のうな重など、庄野文学には、随所に鰻が登場する。 …
読書体験 ゴーゴリ「死せる魂」我々自身こそが<心を失った>現代のチチコフかもしれない 2025/02/23(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ ニコライ・ゴーゴリ「死せる魂」読了。 本作「死せる魂」は、1842年に「第一部」が刊行された長篇小説である。 この年、著者は33 …
読書体験 『週刊現代』デビュー当時の村上春樹はなぜ「都会派小説の作家」と呼ばれていたのか? 2025/02/22(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 1980年代、村上春樹は「都会的な作家」だと言われた。 あるいは「都会小説の書き手」と呼ぶ人もあった。 若者に人気の、都会派小説 …
映画体験 映画「ラストソング」吉岡秀隆が歌う主題歌と本木雅弘が歌う甲斐よしひろ&辻仁成 2025/02/21(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 昔、『ラストソング』という日本映画があった。 プロのロックミュージシャンを目指した若者たちの青春物語。 そこに素晴らしい音楽があ …
読書体験 【偏愛解説】庄野潤三「早春」第二の人生を迎えた男たちの青春物語─洗練された聞き書き小説の完成形 2025/02/21(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 庄野潤三「早春」読了。 本作「早春」は、1982年(昭和57年)1月に中央公論社から刊行された長篇小説である。 この年、著者は6 …
読書体験 高橋健二「ケストナーの生涯」児童文学は大人たちに向けた「人生の真実」だった 2025/10/19(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 高橋健二『ドレースデンの抵抗作家 ケストナーの生涯』読了。 本作『ケストナーの生涯』は、1981年(昭和56年)9月に駸々堂出版社から …
読書体験 福原麟太郎『永遠に生きる言葉』世界の名言集から人生の意味を見つける 2025/10/18(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 福原麟太郎『永遠に生きる言葉』読了。 本作『永遠に生きる言葉』は、1959年(昭和34年)2月に毎日新聞社から刊行されたエッセイ集であ …
読書体験 鈴木るみこ『ふらんすの椅子』伝説のクウネル編集者の忘れ物=7年後の遺稿エッセイ集 2025/10/18(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 鈴木るみこ『ふらんすの椅子』読了。 本作『ふらんすの椅子』は、2025年(令和7年)8月に港の人(四月と十月文庫)から刊行されたエッセ …
読書体験 シャルル=ルイ・フィリップ『小さな町で』庶民の生活の中に見つけた人生の真実 2025/10/16(木) 懐新堂主人 文化系スノッブ シャルル=ルイ・フィリップ『小さな町で』読了。 本作『小さな町で』は、1910年(明治43年)に刊行された短篇小説集である。 著 …
読書体験 神野紗希『俳句部、はじめました』俳句甲子園出身者による中学生向け入門ガイド! 2025/10/14(火) 懐新堂主人 文化系スノッブ 神野紗希『俳句部、はじめました』読了。 本作『俳句部、はじめました』は、2021年(令和3年)3月に岩波書店から刊行された俳句入門書で …
読書体験 クウネル『ムーミンの秘密』鈴木るみこの文章と高橋ヨーコの写真で再現された北欧旅行記 2025/10/13(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 『クウネル』Vol.23「トーベ・ヤンソンとムーミンの秘密」読了。 本作「トーベ・ヤンソンとムーミンの秘密」は、2007年(平成19年 …
読書体験 黒田杏子『金子兜太養生訓』暗黒の2000年代に「生き延びること」を叫び続けた俳人 2025/10/13(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 黒田杏子『金子兜太養生訓』読了。 本作『金子兜太養生訓』は、2005年(平成17年)10月に刊行されたインタビュー集である。 こ …
読書体験 ガルシア=マルケス『エレンディラ』権力に振り回されながらも生き続ける民衆の逞しさ 2025/10/11(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ ガブリエル・ガルシア=マルケス『エレンディラ』読了。 本作『エレンディラ』は、1978年(昭和53年)刊行された短篇小説集である。 …
読書体験 氷室冴子『アグネス白書』素直でまっすぐな女子高生が80年代の札幌で大活躍! 2025/10/10(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 氷室冴子『アグネス白書』読了。 本作『アグネス白書』は、1981年(昭和56年)10月に集英社文庫(コバルトシリーズ)から刊行された長 …
読書体験 福原麟太郎『昔の町にて』大人になったら必ず読みたい「人生」という味わいのエッセイ文学 2025/10/08(水) 懐新堂主人 文化系スノッブ 福原麟太郎『昔の町にて』読了。 本作『昔の町にて』は、1957年(昭和32年)6月に垂水書房から刊行された随筆集である。 この年 …
音楽体験 村治佳織『エターナル・ファンタジー』ゲーム音楽に恋をしたクラシックギター界のミューズ 2025/10/17(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村治佳織『エターナル・ファンタジー』(初回限定版)購入。 本作『エターナル・ファンタジー』は、2025年(令和7年)10月17日に発売 …
音楽体験 松任谷正隆『僕の音楽キャリア全部話します』ユーミンが時代を越えて愛され続ける理由 2025/10/12(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 松任谷正隆『僕の音楽キャリア全部話します―1971/Takuro Yoshida-2016/Yumi Matsutoya―』読了。 本 …
音楽体験 エコーズ「SOMEONE LIKE YOU」君に似た誰かを忘れて、まったく新しい誰かと出会うために 2025/09/14(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 80年代のバンドブームから、たくさんのロックバンドが登場してきた。 しかし、「寂しさ」を歌うことにかけて、エコーズ以上のバンドは出てこ …
音楽体験 浜田省吾VS渋谷陽一『ロックは語れない』業界への怨念だけで生きてきた「明日なき世代」の挑戦 2025/08/25(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 渋谷陽一『ロックは語れない』に浜田省吾が登場している。 本作『ロックは語れない』は、1986年(昭和61年)5月に新潮文庫から刊行され …
音楽体験 『ハンク・ウィリアムズ物語』伝説のカントリー歌手の死因はアル中だったのか? 2025/08/22(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ ロジャー・ウィリアムズ『ハンク・ウィリアムズ物語』読了。 本作『ハンク・ウィリアムズ物語』は、1975年(昭和50年)6月に音楽之友社 …
音楽体験 わたせせいぞう『僕のオールディーズはオールカラー』80年代的に昇華されたオールディーズ物語 2025/07/26(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ バブル景気の頃、(一部界隈で)オールディーズが流行していた。 1950年代から1960年代にかけてのアメリカン・ポップス。 平岸 …
音楽体験 『東京エイティーズ』大学時代の元カノを引きずって生きるアラサー男子の自分探し 2025/07/16(水) 懐新堂主人 文化系スノッブ 『東京エイティーズ』は、80年代カルチャーを背景とした青春物語である。 特に、重要な要素と言えるのが、80年代前半のディスコ・ナンバー …
音楽体験 ザ・タイマーズ『LONG TIME AGO』80年目の原子爆弾ブルース 2025/07/14(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ ザ・タイマーズの『LONG TIME AGO』は「原子爆弾ブルース」である。 そして、同時に、それは「原子力発電所ブルース」でもあった …
音楽体験 『北海盆唄』と『子供盆おどり歌』北海道の盆踊り唄はなぜ卑猥だったのか 2025/07/13(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 北海道には、大きく二つの盆踊り歌がある。 大人用の『北海盆唄』と、子ども用の『子供盆おどり歌』である。 盆踊り歌の誕生には、北海 …
音楽体験 寺尾聰『Re-Cool Reflections』石原プロを勘当された80年代シティ・ポップ界の絶対王者が復活 2025/07/11(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 寺尾聰は、80年代シティ・ポップ界の絶対王者だ。 大ヒット曲「ルビーの指環」は、ザ・ベストテンで最多連続記録を樹立(12週連続1位)。 …
生活体験 【聖地巡礼】村上春樹が愛したビールの街『羊をめぐる冒険』と『ダンス・ダンス・ダンス』の札幌を歩く 2025/10/24(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村上春樹は、札幌の街が好きだったのかもしれない。 初期の名作『羊をめぐる冒険』や『ダンス・ダンス・ダンス』では、(東京などと並んで)札 …
生活体験 創刊75年記念『夏の岩波少年文庫フェア2025』特製アクリルキーホルダーが届いた 2025/10/17(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 創刊75年記念『夏の岩波少年文庫フェア2025』応募者全員プレゼントの「特製アクリルキーホルダー」が届いた。 昨年のケストナーに続き、 …
生活体験 佐々木ルリ子『レトロなつかしダイアリー』インスタ感覚でちょっと懐かしいモノを紹介! 2025/10/07(火) 懐新堂主人 文化系スノッブ 佐々木ルリ子『レトロなつかしダイアリー』読了。 本作『レトロなつかしダイアリー』は、2005年(平成17年)12月に河出書房新社から刊 …
生活体験 札幌市民の風物詩─3月と10月はJRタワーの「ゴバポ」でスクエアカードのポイント5倍 2025/09/27(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 札幌JRタワーの「ゴバポ」は、3月と10月に開催される。 「ゴバポ」とは、「JRタワースクエアカード5倍ポイントセール」の略称で、「J …
生活体験 明治・大正・昭和のおはじきコレクション~小さなガラスが物語る少女文化の歴史 2025/09/20(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 子どもの駄玩具である「おはじき」も、古いものはコレクターズ・アイテムとなっている。 市場価値が高いのは、明治中期のガラス製おはじき。 …
生活体験 竹山実「そうだ! 建築をやろう」札幌創成川通りの実家でモダン建築散歩 2025/09/14(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 竹山実「そうだ! 建築をやろう」読了。 本作「そうだ! 建築をやろう」は、2003年(平成15年)11月に彰国社から刊行された自叙伝で …
生活体験 『ほっかいどう語─その発生と変遷─』上級者向け「北海道弁」の使い方 2025/09/13(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 北海道新聞社『ほっかいどう語─その発生と変遷─』読了。 本作『ほっかいどう語─その発生と変遷─』は、1970年(昭和45年)6月に北海 …
生活体験 小泉今日子『愛しあってるかい!』と『学園天国』は新しい時代の女性を象徴していた 2025/09/07(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 小泉今日子といえば、ショートカットのイメージがある。 トレンディドラマ『愛しあってるかい!』のイメージが強すぎるのだ。 『愛しあ …
生活体験 森拓郎「稼げる男は食事が9割」中高年のダイエットは「主食を減らして肉を食べる」 2025/09/05(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 森拓郎『稼げる男は食事が9割』読了。 本作『稼げる男は食事が9割』は、2016年6月にKADOKAWAから刊行されたダイエット教本であ …
生活体験 『1990年の、ハルキ・スタイル』オリーブ少女が憧れた「村上春樹」というオシャレな世界 2025/08/31(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 1987年(昭和62年)に『ノルウェイの森』でブレイクして以降、「村上春樹」という名前は、文学の世界を越えて浸透していった。 それは、 …