読書体験 井伏鱒二『かきつばた・無心状』短篇15篇収録の作品集、巻末解説は小沼丹 2025/03/30(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 井伏鱒二『かきつばた・無心状』読了。 本作『かきつばた・無心状』は、1994年(平成6年)7月に新潮文庫から刊行された短篇小説集である …
読書体験 ユッコ症候群の時代にバズった『ノルウェイの森』と『男はつらいよ 寅次郎物語』 2025/03/29(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 1986年(昭和61年)、岡田有希子の自殺から始まった「ユッコ・シンドローム」は、生きることに対する若者たちの疑問を浮き彫りにした。 …
読書体験 『村上春樹の青春グラフティ』80年代の村上春樹現象とバブル時代の『ノルウェイの森』狂騒曲 2025/03/22(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 1988年(昭和63年)は、村上春樹にとって特別な年だった。 前年の1987年(昭和62年)に刊行された『ノルウェイの森』が大ベストセ …
読書体験 小沼丹「井伏さんの将棋」小沼文学のエッセンスのような極上の文芸随想集 2025/03/22(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 小沼丹「井伏さんの将棋」読了。 本作「井伏さんの将棋」は、2018年(平成30年)12月に幻戯書房(銀河叢書)から刊行された随筆集であ …
生活体験 BRUTUS「切手デザインをなめんなよ!」と木下綾乃『切手な北古賀』で語る2000年代の切手ブーム 2025/03/21(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 『BRUTUS(ブルータス)』2003年(平成15年)12月1号の特集は「切手デザインをなめんなよ!(切手は、アート&デザインの教科書だ!) …
読書体験 渡辺水巴「妹」生涯を俳人の兄に尽くした妹(渡辺つゆ女)の俳句を読む 2025/03/21(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 渡辺水巴「妹」読了。 本作「妹」は、1948年(昭和23年)2月に青磁社から刊行された俳句随想集である。 作者(渡辺水巴)は、1 …
読書体験 【深読み考察】村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』混沌とした時代の社会不安と向き合って生きる 2025/03/20(木) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』読了。 本作『神の子どもたちはみな踊る』は、2000年(平成12年)2月に新潮社から刊行された短篇 …
読書体験 「『ライ麦畑でつかまえて』をつかまえた」伝説の作家サリンジャーが残したメッセージ 2025/03/16(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 1980年(昭和55年)12月8日、ジョン・レノンが射殺された。 犯人(マーク・ディヴィッド・チャップマン)は、『ライ麦畑でつかまえて …
読書体験 井伏鱒二『集金旅行』日常世界から少しだけ離れた物語世界にある「心の安らぎ」 2025/03/16(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 井伏鱒二『集金旅行』読了。 本作『集金旅行』は、1957年(昭和32年)10月に新潮文庫から刊行された短篇小説集である(文庫オリジナル …
映画体験 映画『リバー・ランズ・スルー・イット』と90年代のフライフィッシング・ブーム 2025/03/15(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 1993年(平成5年)9月、映画『リバー・ランズ・スルー・イット』が大ヒットした。 翌年の夏から、日本には空前のフライフィッシング・ブ …
読書体験 ハーパー・リー『アラバマ物語』黒人差別社会の中で「ものまね鳥」が伝えたかったこと 2025/11/22(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ ハーパー・リー『アラバマ物語』読了。 本作『アラバマ物語』は、1960年(昭和35年)にアメリカで出版された長篇小説である。 原 …
読書体験 幸田文『ちぎれ雲』娘が綴った文豪・幸田露伴の最晩年、永井荷風も登場 2025/11/20(木) 懐新堂主人 文化系スノッブ 幸田文『ちぎれ雲』読了。 本作『ちぎれ雲』は、1956年(昭和31年)6月に新潮社から刊行された随筆集である。 この年、著者は5 …
読書体験 『覆面雑談 あのひとと語った素敵な日本語』村上陽子が語った村上春樹夫妻の生活 2025/11/16(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 「あのひと」+ユビキタ・スタジオ『覆面雑談 あのひとと語った素敵な日本語』読了。 本作『覆面雑談 あのひとと語った素敵な日本語』は、2 …
読書体験 村上春樹・柴田元幸『サリンジャー戦記』意味不明が正解だった『キャッチャー・イン・ザ・ライ』 2025/11/14(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』読了。 本作『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』は、2003年(平成15年)7月に文藝春 …
読書体験 村上春樹訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」変わり続ける世の中で生きていくことの難しさ 2025/11/13(木) 懐新堂主人 文化系スノッブ J.D.サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』読了。 本作『キャッチャー・イン・ザ・ライ』は、1951年(昭和26年)にアメリカ …
読書体験 イム・キョンソン『村上春樹のせいで』韓国のハルキストが綴る評伝風エッセイ 2025/11/10(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ イム・キョンソン『村上春樹のせいで:どこまでも自分のスタイルで生きていくこと』読了。 本作『村上春樹のせいで』は、2015年(平成27 …
読書体験 【偏愛解説】庄野潤三「山田さんの鈴虫」長い人生を生きぬいてきた者の寂しさ 2025/11/08(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 庄野潤三『山田さんの鈴虫』読了。 本作『山田さんの鈴虫』は、2001年(平成13年)4月に文藝春秋から刊行された長篇小説である。 …
読書体験 ボブ・グリーン『アメリカン・タイム』80年代のアメリカという夢物語の記憶 2025/11/06(木) 懐新堂主人 文化系スノッブ ボブ・グリーン『アメリカン・タイム』読了。 本作『アメリカン・タイム』は、1988年(昭和63年)2月に集英社から刊行されたコラム集で …
読書体験 村上春樹『意味がなければスイングはない』音楽評論家には書けない文学的な音楽エッセイ 2025/11/04(火) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村上春樹『意味がなければスイングはない』読了。 本作『意味がなければスイングはない』は、2005年(平成17年)11月に文藝春秋から刊 …
読書体験 セルバンテス『ドン・キホーテ』勘違いの妄想勇者は中世社会の「のび太」だったのか? 2025/11/02(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』読了。 本作『ドン・キホーテ』は、1605年に刊行された長編小説である(「前篇」)。 …
音楽体験 ブルース・スプリングスティーン「ボーン・トゥ・ラン」自分とは何か?を探し続ける求道者の物語 2025/11/09(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ ブルース・スプリングスティーン『ボーン・トゥ・ラン』読了。 本作『ボーン・トゥ・ラン』は、2016年(平成28年)9月に早川書房から刊 …
音楽体験 村治佳織『エターナル・ファンタジー』ゲーム音楽に恋をしたクラシックギター界のミューズ 2025/10/17(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村治佳織『エターナル・ファンタジー』(初回限定版)購入。 本作『エターナル・ファンタジー』は、2025年(令和7年)10月17日に発売 …
音楽体験 松任谷正隆『僕の音楽キャリア全部話します』ユーミンが時代を越えて愛され続ける理由 2025/10/12(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 松任谷正隆『僕の音楽キャリア全部話します―1971/Takuro Yoshida-2016/Yumi Matsutoya―』読了。 本 …
音楽体験 エコーズ「SOMEONE LIKE YOU」君に似た誰かを忘れて、まったく新しい誰かと出会うために 2025/09/14(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 80年代のバンドブームから、たくさんのロックバンドが登場してきた。 しかし、「寂しさ」を歌うことにかけて、エコーズ以上のバンドは出てこ …
音楽体験 浜田省吾VS渋谷陽一『ロックは語れない』業界への怨念だけで生きてきた「明日なき世代」の挑戦 2025/08/25(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 渋谷陽一『ロックは語れない』に浜田省吾が登場している。 本作『ロックは語れない』は、1986年(昭和61年)5月に新潮文庫から刊行され …
音楽体験 『ハンク・ウィリアムズ物語』伝説のカントリー歌手の死因はアル中だったのか? 2025/08/22(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ ロジャー・ウィリアムズ『ハンク・ウィリアムズ物語』読了。 本作『ハンク・ウィリアムズ物語』は、1975年(昭和50年)6月に音楽之友社 …
音楽体験 わたせせいぞう『僕のオールディーズはオールカラー』80年代的に昇華されたオールディーズ物語 2025/07/26(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ バブル景気の頃、(一部界隈で)オールディーズが流行していた。 1950年代から1960年代にかけてのアメリカン・ポップス。 平岸 …
音楽体験 『東京エイティーズ』大学時代の元カノを引きずって生きるアラサー男子の自分探し 2025/07/16(水) 懐新堂主人 文化系スノッブ 『東京エイティーズ』は、80年代カルチャーを背景とした青春物語である。 特に、重要な要素と言えるのが、80年代前半のディスコ・ナンバー …
音楽体験 ザ・タイマーズ『LONG TIME AGO』80年目の原子爆弾ブルース 2025/07/14(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ ザ・タイマーズの『LONG TIME AGO』は「原子爆弾ブルース」である。 そして、同時に、それは「原子力発電所ブルース」でもあった …
音楽体験 『北海盆唄』と『子供盆おどり歌』北海道の盆踊り唄はなぜ卑猥だったのか 2025/07/13(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 北海道には、大きく二つの盆踊り歌がある。 大人用の『北海盆唄』と、子ども用の『子供盆おどり歌』である。 盆踊り歌の誕生には、北海 …
生活体験 札幌市民が見た『Fate/Grand Order』10周年記念広告企画『OVER THE SAME SKY』 2025/11/03(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 10月26日(日)の『北海道新聞』に「Fate/Grand Order(FGO)」の全面広告が掲載されていた。 pakoによる「近藤勇 …
生活体験 【聖地巡礼】村上春樹が愛したビールの街『羊をめぐる冒険』と『ダンス・ダンス・ダンス』の札幌を歩く 2025/10/24(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村上春樹は、札幌の街が好きだったのかもしれない。 初期の名作『羊をめぐる冒険』や『ダンス・ダンス・ダンス』では、(東京などと並んで)札 …
生活体験 創刊75年記念『夏の岩波少年文庫フェア2025』特製アクリルキーホルダーが届いた 2025/10/17(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 創刊75年記念『夏の岩波少年文庫フェア2025』応募者全員プレゼントの「特製アクリルキーホルダー」が届いた。 昨年のケストナーに続き、 …
生活体験 佐々木ルリ子『レトロなつかしダイアリー』インスタ感覚でちょっと懐かしいモノを紹介! 2025/10/07(火) 懐新堂主人 文化系スノッブ 佐々木ルリ子『レトロなつかしダイアリー』読了。 本作『レトロなつかしダイアリー』は、2005年(平成17年)12月に河出書房新社から刊 …
生活体験 札幌市民の風物詩─3月と10月はJRタワーの「ゴバポ」でスクエアカードのポイント5倍 2025/09/27(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 札幌JRタワーの「ゴバポ」は、3月と10月に開催される。 「ゴバポ」とは、「JRタワースクエアカード5倍ポイントセール」の略称で、「J …
生活体験 明治・大正・昭和のおはじきコレクション~小さなガラスが物語る少女文化の歴史 2025/09/20(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 子どもの駄玩具である「おはじき」も、古いものはコレクターズ・アイテムとなっている。 市場価値が高いのは、明治中期のガラス製おはじき。 …
生活体験 竹山実「そうだ! 建築をやろう」札幌創成川通りの実家でモダン建築散歩 2025/09/14(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 竹山実「そうだ! 建築をやろう」読了。 本作「そうだ! 建築をやろう」は、2003年(平成15年)11月に彰国社から刊行された自叙伝で …
生活体験 『ほっかいどう語─その発生と変遷─』上級者向け「北海道弁」の使い方 2025/09/13(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 北海道新聞社『ほっかいどう語─その発生と変遷─』読了。 本作『ほっかいどう語─その発生と変遷─』は、1970年(昭和45年)6月に北海 …
生活体験 小泉今日子『愛しあってるかい!』と『学園天国』は新しい時代の女性を象徴していた 2025/09/07(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 小泉今日子といえば、ショートカットのイメージがある。 トレンディドラマ『愛しあってるかい!』のイメージが強すぎるのだ。 『愛しあ …
生活体験 森拓郎「稼げる男は食事が9割」中高年のダイエットは「主食を減らして肉を食べる」 2025/09/05(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 森拓郎『稼げる男は食事が9割』読了。 本作『稼げる男は食事が9割』は、2016年6月にKADOKAWAから刊行されたダイエット教本であ …