読書体験 永井龍男「活版屋の話」菊池寛が激賞した短篇小説の名手のデビュー作 2023/02/19(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 永井龍男「活版屋の話」読了。 本作「活版屋の話」は、1920年(大正9年)9月、『サンエス』第二巻第九号に発表された処女短編小説である。 …
読書体験 永井龍男「コチャバンバ行き」小市民にとっての幸福な老後とは何か 2023/02/16(木) 懐新堂主人 文化系スノッブ 永井龍男「コチャバンバ行き」読了。 本書は、1965年(昭和40年)から1968年(昭和43年)にかけて、『小説新潮』に発表された連作短編 …
読書体験 安住敦「春夏秋冬帖」原稿用紙三枚分の切れと余韻を味わう随筆集 2023/02/14(火) 懐新堂主人 文化系スノッブ 安住敦「春夏秋冬帖」読了。 本書「春夏秋冬帖」は、1967年(昭和42年)に刊行された随筆集である。 この年、著者は60歳だった。 1 …
読書体験 ムサトフ「こぐま星座」名もなき星が連帯したとき星座が生まれる 2023/02/12(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ アレクセイ・ムサトフ「こぐま星座」読了。 本作「こぐま星座」は、1949年(昭和24年)に発表された長編小説である。 この年、著者は38 …
読書体験 横山隆一「フクちゃん随筆」文壇ネタの宝庫みたいな漫画的エッセイ集 2023/02/12(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 横山隆一「フクちゃん随筆」読了。 本作「フクちゃん随筆」は、1967年(昭和42年)に刊行された随筆集である。 この年、著者は58歳だっ …
読書体験 花森安治「一銭五厘の旗」庶民代表だった『暮しの手帖』エッセイ集 2023/02/11(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 花森安治「一銭五厘の旗」読了。 本作「一銭五厘の旗」は、1971年(昭和46年)に刊行された自選エッセイ集である。 この年、著者は60歳 …
読書体験 余寧金之助「郵便机」児童文学者・瀬田貞二が戦後に発表した幻の名作 2023/02/11(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 余寧金之助「郵便机」読了。 本作「郵便机」は、『少年少女』(中央公論社)1949年(昭和24年)8月号に発表された短編小説である。 荒木田 …
読書体験 北野佐久子「物語のティータイム」児童文学が導くイギリス文化 2023/02/08(水) 懐新堂主人 文化系スノッブ 北野佐久子「物語のティータイム」読了。 本書「物語のティータイム」は、2017年に刊行されたイギリス児童文学ガイドである。 お菓子と暮らし …
読書体験 安藤鶴夫「アンツル先生の落語演芸指南」古い美意識の発見と継承 2023/02/06(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 安藤鶴夫「アンツル先生の落語演芸指南」読了。 本書は、生誕100年記念総特集として、2008年に「KAWADE 道の手帖」シリーズから刊行 …
読書体験 青柳いづみこ「阿佐ヶ谷アタリデ大ザケノンダ」ディープな阿佐ヶ谷タウンガイド 2023/02/05(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 青柳いづみこ「阿佐ヶ谷アタリデ大ザケノンダ」読了。 本書は、2020年(令和2年)に刊行されたエッセイ集である。 この年、著者は70歳だ …
読書体験 村上春樹『意味がなければスイングはない』音楽評論家には書けない文学的な音楽エッセイ 2025/11/04(火) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村上春樹『意味がなければスイングはない』読了。 本作『意味がなければスイングはない』は、2005年(平成17年)11月に文藝春秋から刊 …
読書体験 セルバンテス『ドン・キホーテ』勘違いの妄想勇者は中世社会の「のび太」だったのか? 2025/11/02(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』読了。 本作『ドン・キホーテ』は、1605年に刊行された長編小説である(「前篇」)。 …
読書体験 高橋健二「ケストナーの生涯」児童文学は大人たちに向けた「人生の真実」だった 2025/10/19(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 高橋健二『ドレースデンの抵抗作家 ケストナーの生涯』読了。 本作『ケストナーの生涯』は、1981年(昭和56年)9月に駸々堂出版社から …
読書体験 福原麟太郎『永遠に生きる言葉』世界の名言集から人生の意味を見つける 2025/10/18(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 福原麟太郎『永遠に生きる言葉』読了。 本作『永遠に生きる言葉』は、1959年(昭和34年)2月に毎日新聞社から刊行されたエッセイ集であ …
読書体験 鈴木るみこ『ふらんすの椅子』伝説のクウネル編集者の忘れ物=7年後の遺稿エッセイ集 2025/10/18(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 鈴木るみこ『ふらんすの椅子』読了。 本作『ふらんすの椅子』は、2025年(令和7年)8月に港の人(四月と十月文庫)から刊行されたエッセ …
読書体験 シャルル=ルイ・フィリップ『小さな町で』庶民の生活の中に見つけた人生の真実 2025/10/16(木) 懐新堂主人 文化系スノッブ シャルル=ルイ・フィリップ『小さな町で』読了。 本作『小さな町で』は、1910年(明治43年)に刊行された短篇小説集である。 著 …
読書体験 神野紗希『俳句部、はじめました』俳句甲子園出身者による中学生向け入門ガイド! 2025/10/14(火) 懐新堂主人 文化系スノッブ 神野紗希『俳句部、はじめました』読了。 本作『俳句部、はじめました』は、2021年(令和3年)3月に岩波書店から刊行された俳句入門書で …
読書体験 クウネル『ムーミンの秘密』鈴木るみこの文章と高橋ヨーコの写真で再現された北欧旅行記 2025/10/13(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 『クウネル』Vol.23「トーベ・ヤンソンとムーミンの秘密」読了。 本作「トーベ・ヤンソンとムーミンの秘密」は、2007年(平成19年 …
読書体験 黒田杏子『金子兜太養生訓』暗黒の2000年代に「生き延びること」を叫び続けた俳人 2025/10/13(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 黒田杏子『金子兜太養生訓』読了。 本作『金子兜太養生訓』は、2005年(平成17年)10月に刊行されたインタビュー集である。 こ …
読書体験 ガルシア=マルケス『エレンディラ』権力に振り回されながらも生き続ける民衆の逞しさ 2025/10/11(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ ガブリエル・ガルシア=マルケス『エレンディラ』読了。 本作『エレンディラ』は、1978年(昭和53年)刊行された短篇小説集である。 …
音楽体験 村治佳織『エターナル・ファンタジー』ゲーム音楽に恋をしたクラシックギター界のミューズ 2025/10/17(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村治佳織『エターナル・ファンタジー』(初回限定版)購入。 本作『エターナル・ファンタジー』は、2025年(令和7年)10月17日に発売 …
音楽体験 松任谷正隆『僕の音楽キャリア全部話します』ユーミンが時代を越えて愛され続ける理由 2025/10/12(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 松任谷正隆『僕の音楽キャリア全部話します―1971/Takuro Yoshida-2016/Yumi Matsutoya―』読了。 本 …
音楽体験 エコーズ「SOMEONE LIKE YOU」君に似た誰かを忘れて、まったく新しい誰かと出会うために 2025/09/14(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 80年代のバンドブームから、たくさんのロックバンドが登場してきた。 しかし、「寂しさ」を歌うことにかけて、エコーズ以上のバンドは出てこ …
音楽体験 浜田省吾VS渋谷陽一『ロックは語れない』業界への怨念だけで生きてきた「明日なき世代」の挑戦 2025/08/25(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 渋谷陽一『ロックは語れない』に浜田省吾が登場している。 本作『ロックは語れない』は、1986年(昭和61年)5月に新潮文庫から刊行され …
音楽体験 『ハンク・ウィリアムズ物語』伝説のカントリー歌手の死因はアル中だったのか? 2025/08/22(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ ロジャー・ウィリアムズ『ハンク・ウィリアムズ物語』読了。 本作『ハンク・ウィリアムズ物語』は、1975年(昭和50年)6月に音楽之友社 …
音楽体験 わたせせいぞう『僕のオールディーズはオールカラー』80年代的に昇華されたオールディーズ物語 2025/07/26(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ バブル景気の頃、(一部界隈で)オールディーズが流行していた。 1950年代から1960年代にかけてのアメリカン・ポップス。 平岸 …
音楽体験 『東京エイティーズ』大学時代の元カノを引きずって生きるアラサー男子の自分探し 2025/07/16(水) 懐新堂主人 文化系スノッブ 『東京エイティーズ』は、80年代カルチャーを背景とした青春物語である。 特に、重要な要素と言えるのが、80年代前半のディスコ・ナンバー …
音楽体験 ザ・タイマーズ『LONG TIME AGO』80年目の原子爆弾ブルース 2025/07/14(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ ザ・タイマーズの『LONG TIME AGO』は「原子爆弾ブルース」である。 そして、同時に、それは「原子力発電所ブルース」でもあった …
音楽体験 『北海盆唄』と『子供盆おどり歌』北海道の盆踊り唄はなぜ卑猥だったのか 2025/07/13(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 北海道には、大きく二つの盆踊り歌がある。 大人用の『北海盆唄』と、子ども用の『子供盆おどり歌』である。 盆踊り歌の誕生には、北海 …
音楽体験 寺尾聰『Re-Cool Reflections』石原プロを勘当された80年代シティ・ポップ界の絶対王者が復活 2025/07/11(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 寺尾聰は、80年代シティ・ポップ界の絶対王者だ。 大ヒット曲「ルビーの指環」は、ザ・ベストテンで最多連続記録を樹立(12週連続1位)。 …
生活体験 札幌市民が見た『Fate/Grand Order』10周年記念広告企画『OVER THE SAME SKY』 2025/11/03(月) 懐新堂主人 文化系スノッブ 10月26日(日)の『北海道新聞』に「Fate/Grand Order(FGO)」の全面広告が掲載されていた。 pakoによる「近藤勇 …
生活体験 【聖地巡礼】村上春樹が愛したビールの街『羊をめぐる冒険』と『ダンス・ダンス・ダンス』の札幌を歩く 2025/10/24(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 村上春樹は、札幌の街が好きだったのかもしれない。 初期の名作『羊をめぐる冒険』や『ダンス・ダンス・ダンス』では、(東京などと並んで)札 …
生活体験 創刊75年記念『夏の岩波少年文庫フェア2025』特製アクリルキーホルダーが届いた 2025/10/17(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 創刊75年記念『夏の岩波少年文庫フェア2025』応募者全員プレゼントの「特製アクリルキーホルダー」が届いた。 昨年のケストナーに続き、 …
生活体験 佐々木ルリ子『レトロなつかしダイアリー』インスタ感覚でちょっと懐かしいモノを紹介! 2025/10/07(火) 懐新堂主人 文化系スノッブ 佐々木ルリ子『レトロなつかしダイアリー』読了。 本作『レトロなつかしダイアリー』は、2005年(平成17年)12月に河出書房新社から刊 …
生活体験 札幌市民の風物詩─3月と10月はJRタワーの「ゴバポ」でスクエアカードのポイント5倍 2025/09/27(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 札幌JRタワーの「ゴバポ」は、3月と10月に開催される。 「ゴバポ」とは、「JRタワースクエアカード5倍ポイントセール」の略称で、「J …
生活体験 明治・大正・昭和のおはじきコレクション~小さなガラスが物語る少女文化の歴史 2025/09/20(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 子どもの駄玩具である「おはじき」も、古いものはコレクターズ・アイテムとなっている。 市場価値が高いのは、明治中期のガラス製おはじき。 …
生活体験 竹山実「そうだ! 建築をやろう」札幌創成川通りの実家でモダン建築散歩 2025/09/14(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 竹山実「そうだ! 建築をやろう」読了。 本作「そうだ! 建築をやろう」は、2003年(平成15年)11月に彰国社から刊行された自叙伝で …
生活体験 『ほっかいどう語─その発生と変遷─』上級者向け「北海道弁」の使い方 2025/09/13(土) 懐新堂主人 文化系スノッブ 北海道新聞社『ほっかいどう語─その発生と変遷─』読了。 本作『ほっかいどう語─その発生と変遷─』は、1970年(昭和45年)6月に北海 …
生活体験 小泉今日子『愛しあってるかい!』と『学園天国』は新しい時代の女性を象徴していた 2025/09/07(日) 懐新堂主人 文化系スノッブ 小泉今日子といえば、ショートカットのイメージがある。 トレンディドラマ『愛しあってるかい!』のイメージが強すぎるのだ。 『愛しあ …
生活体験 森拓郎「稼げる男は食事が9割」中高年のダイエットは「主食を減らして肉を食べる」 2025/09/05(金) 懐新堂主人 文化系スノッブ 森拓郎『稼げる男は食事が9割』読了。 本作『稼げる男は食事が9割』は、2016年6月にKADOKAWAから刊行されたダイエット教本であ …